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THE YELLOW MONKEY 『イエモン-FAN’S BEST SELECTION』

月曜日, 7月 29th, 2013 | Permalink


日本のロックバンド『THE YELLOW MONKEY』がデビュー20周年の企画でベストアルバムが発売されるそうです。
 
イエローモンキーは、1989年に結成され、1992年にメジャーデビューした日本のロックバンドです。
結成当初は、DAVID BOWIEやT.REXなどの影響を受けたグラムロックバンドという形でデビューし、後にブリティッシュ・ハードロック色を強めていきました。
ちゃんとマニアックになり過ぎないように上手い具合に本物のロックバンドとして、90年~2000年代の日本のロック史を代表するバンドの一つです。
 
theyellowmonkey
 
何を隠そう、僕が日本のロックバンドの中で一番好きなバンドがこの『THE YELLOW MONKEY』。
まず印象的なのがメンバー全員のルックスのマジさ。
メンバー全員が180前後の高身長に、全員長髪。
古着屋で700円くらいで買ったような柄シャツに裾広がりのズボン。
ボーカルの吉井和哉は日本人離れしたような顔をしており、
金髪で長髪の時はLED ZEPPELINのロバート・プラントにそっくりです。
その時期はギターもジミー・ペイジを意識してか、髭を生やしダブルネックを使ってました。
デビュー当時は、吉井はあからさまにグラムロック時代(ダイアモンドドッグス辺り)のデヴィッド・ボウイ風の髪型で、ベースはシルクハットをかぶったカーリーヘアでマーク・ボラン風。
日本でこんな「ロック!」って感じのバンドがいたのか!とそんなマジさに衝撃を受けました。
 
そして、ただ格好ばかりではなくちゃんと音楽もロック。
デヴィッドボウイは勿論、70年代のロックに対し、さまざまなオマージュが散りばめられています。
そこには、ただの懐古趣味的なブリティッシュロックバンドではなく、プラスにある要素がありました。
それは昭和歌謡です。
キャリアを当してほとんどの作詞作曲を担当しているボーカルの吉井和哉は「自分が好きなのは、70年代の音楽というより、昭和40年代の音楽といった方がしっくりくる」と言っています。
今までやったカバー曲で音源として残っているのは、70年代のグラムロックバンド『Mott the Hoople』のHonaloochie Boogieと、由紀さおりの『夜明けのスキャット』ということが象徴している気がします。
グラムロックと同様、昭和歌謡に対してもさまざまなオマージュが散りばめられており、またグラムロックのロマンチックさと、昭和歌謡のクサさが絶妙に合うのです。
 
音楽性とは別に、ボーカルの吉井和哉の自分の血を大切にする感じが僕はすごく好きです。
父親が旅役者で、ドーランの匂いに囲まれて育って、子どもの彼はそれが何だか恥ずかしくて嫌だったそうです。
それで彼が五歳の時に父親が事故で亡くなってしまい、それから母親が水商売を始めて、和哉少年はおばあちゃんに預けられて育ったという、こう言ってはいけないのかもしれませんが、貧乏で”不幸”な生い立ちなのです。
彼は、自分がロックバンドで、しかも化粧をして着飾るグラムロックをやったということについて、もしかしたらこれは父親の遺伝子なのかもしれない、と言い、それで母親を養っていけているということで全てが清算されるような気がして、何だか泣けてくるのです。
 

 
イエローモンキー、吉井和哉について語りだすととまらないので、この辺で。
 
そんな、吉井和哉が率いるイエローモンキーのベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION』が7/31に発売されるわけですが、
今回のベストはファンの投票によって選曲されたもの。
ですが、実際は既存のベストとそんなに大差の無い選曲となっております。
 
01. 悲しきASIAN BOY
02. パール
03. 太陽が燃えている
04. プライマル。
05. WELCOME TO MY DOGHOUSE 2013
06. 追憶のマーメイド
07. BURN
08. SPARK
09. 楽園
10. 真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~
11. SO YOUNG
12. 天国旅行
13. SUCK OF LIFE
14. 花吹雪
15. JAM
16. バラ色の日々
 
それで、初回限定盤には特典DVDが付いてくるのですが、その内容が何ともファン向け。
約120分にもおよぶ、デビュー時から活動休止までにバンドが出演したテレビ番組の映像なのです。
 

 
01. メンバーインタビュー 1992.2.1 テレビ埼玉「SSC」
02. Romantist Taste 1992.5 テレビ埼玉「SSC Live」1992.4.21 at大宮フリークス
03. SLEEPLESS IMAGINATION 1992.12.21 テレビ埼玉「SSC Live」中津川雅彦フォークジャンボリー
04. メンバーインタビュー 1993.5.24 テレビ埼玉「ROCK WAVE」
05. 吉井和哉&廣瀬洋一 スピリチュアル・カウンセリング 1993.8.12 スペースシャワーTV「GEE!」
06. NACK5 “MIDNIGHT ROCK CITY” 密着 1994.11.3 tvk「LIVE Y」
07. “LOVE COMMUNICATION” MV撮影密着 1994.12.8 tvk「LIVE Y」
08. THE YELLOW MONEY ~ アバンギャルドで行こうよ 1994.11.10 / 11.24 / 12.1 tvk「LIVE Y」1994.10.30 at NISSIN POWER STATION
09. コロムビア社長訪問 1995.2.2/2.9 tvk「LIVE Y」
10. LOVE COMMUNICATION 1995.2.4 NHK「POP JAM」
11. アルバム「smile」全曲解説 1995.2.23 tvk「LIVE Y」
12. SEE-SAW GIRL 1995.6.1 中京テレビ「LOVE ROCKS THE FINAL WAVE」
13. アルバム「FOUR SEASONS」U.K.レコーディング密着 1995.6.29 tvk「LIVE Y」
14. 追憶のマーメイド 1995.10.13 NHK「POP JAM」
15. 夕焼けにドロップキック 1995.11.15中京テレビ「THE YELLOW MONKEY特番」
16. JAM 1996.4.3 NHK「POP JAM」
17. 楽園 1997.1.27 フジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」
18. BURN 1997.9.5 NHK「POP JAM」
19. SO YOUNG 1999.5.21 日本テレビ「FUN」
20. バラ色の日々 2000.2.5 NHK「POP JAM」
21. THE YELLOW MONKEY WALKER 2000.8.5 スペースシャワーTV「THE YELLOW MONKEY特番」
22. JAM 2000.8.6 フジテレビ「MUSIC FAIR」
23. パール 2000.8.7 フジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」
24. BRILLIANT WORLD 2000.12.30 TBS「CDTV SPECIAL LIVE 2000」
 
 
これはリアルタイムで”辛うじて”追ってこれなかった僕にとってはすごく嬉しいです。
 
2004年に解散して以来、ずっと再結成を望む声が絶えないバンドですが、最近はメディアの前で四人で顔を合わせる機会があったりと、ますますその声がヒートアップしてきています。
僕はとりわけ再結成を望んでいるかと聞かれたら、素直に首を立てに振れないのも事実。
人間は誰しも変わってきますし、やりたいことも、やれることも勿論変わってきます。
 

The Next Day – David Bowie

月曜日, 3月 18th, 2013 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。

先日、ブログで紹介しました、3/13に発売されましたDavid Bowieの新作『The Next Day』を買ってきました。

僕は昔のロックが好きなため、リアルタイムで新作の発売日を待つということは基本的にあまりないことなので、胸が躍っておりました。
しかも僕の一番好きだと言えるデヴィッドボウイの新作なのです。もう三月が近付くにつれ今までに体感したことのない気持ちになりました。すごく期待している半面、不安もあり、あまり期待せずにとりあえずデヴィッドボウイの新作を聞けるという事実を楽しもうといった、よく分からない気持ちでおりました。これがデヴィッドボウイの新作を待つ気持ちなのか~、といった感じです。
 
発売日の前日に家から徒歩で約15分のTSUTAYAにフライングゲットしに行ったのですが、あの天下のDavid Bowieの新作なのに、なんの特集も組まれておらず(住宅街のCD屋だからそりゃそうか)、洋楽新譜コーナーにひっそりと置いてありました。
CD帯に書かれた「誰も知らなかった。その時が来るのを。誰もが待っていた。その時が来るのを」というキャッチコピーも秀逸。
初回盤のデラックスエディションを購入しました。
税込2,800円。アルバム14曲に加え、ボーナストラック3曲、更に日本盤限定でボーナスもう1曲の全18曲。

CDを買い、本のコーナーではCROSSBEATのDavid Bowie特集の雑誌を発見。
見るからに宇宙人な70年代初期グラムロック時代のデヴィッドボウイの表紙。既存の写真の手が加えてあるのか、初めて見る色合い。このポスター欲しい。
しかし、本屋の雑誌売場の音楽コーナーはどんどん縮小されていきますね。
本の内容は全編デヴィッドボウイ。どのページを開いてもデヴィッドボウイ。
値段を見ると税込1890円。ちょっと高い。
だが、全キャリアの情報を網羅しており、さらに昔のインタビュー記事も載っている。おそらく永久保存版となる一冊。金欠気味だったが、買うことにしました。

 
帰路ではipodで比較的最近である2000年代のアルバム『Heathen』を聞いて予習。しかしこのアルバムのSlow Burnは名曲だ。
 
帰宅し、早速CDコンポにThe Next Dayを入れ、スピーカーの向きも整える。
そして、再生ボタンを押し、部屋の真ん中あたりに座る。
スピーカーから一曲目の表題曲でもあるThe Next Dayのイントロが流れ出し、三秒でこれは良い・・・と思ってしまいました。
先行シングルのWhere are we now?から察するに僕はhours…のようなパーソナルで内向的なイメージを抱いていたのですが、これは違いました。
なんとエネルギッシュなのでしょう、66歳(レコーディング時は65か)の歌声なのか。
サウンドは、やはりベルリン時代を思わせる、奇妙でいながらポップなもの。LowのSpeed of lifeに歌をつけたようなイメージ。
2曲目のDirty Boysは、サックスのリフをフューチャーした曲。イギーポップのThe idiotを彷彿とさせます。
3曲目のThe Stars (Are Out Tonight)は、セカンドシングル。Youtubeで聞いた時は特にシングルっぽい曲だなぁといった具合に何も感じなかったのですが、聞けば聞くほど味の出るスルメソング。なんだか元The Yellow Monkeyの吉井和哉の最近のソロのような雰囲気。クサいコーラスがいかにもデヴィッドボウイらしい。

しかし、このPVで若い頃のデヴィッドボウイ?を演じているモデルが妙にデヴィッドボウイに似ていて良いです。
4曲目のLove is Lostは、シンセとエフェクトをかけたタムの音が印象的なマイナー調な曲。90年代の特にhours…のような曲です。独特な間と、韻を踏む、歌い回しがいかにもデヴィッドボウイ的。これはなかなか口ずさめないパターンです。
そして、5曲目のWhere are we now?。これもhours…っぽいのですが、比べて聴いてみるとこちらはかなりシンプルな演奏のように感じられます。大サビの静かなる盛り上がりが涙を誘います。ギターが泣けます。
6曲目のValentine’s Dayは、ポップなバラード。コーラスがZiggy Stardustの頃を思い出させます。サビでマイナーに転調するのが泣ける。歌声も20代のそれとまるで同じです。
これは分かり易く名曲。
7曲目のIf you can see meは、スケアリーモンスターズだったりアウトサイドだったりと、ブライアンイーノなイメージ。変拍子に乗せて畳み掛けるように歌います。デヴィッドボウイの変態的で実験的な側面といった感じです。
8曲目のI’d Rather Be Highは、パワプロとかの野球ゲームのメニュー画面のようなイントロが印象的なミドルテンポの曲。
9曲目のBoss Of Meは、90年代後半~2000年代のデヴィッドボウイといった感じ。ベースの独特の演奏がかっこいい。
10曲目のDancing Out In Spaceは、両手を広げて草原を走りたくなるような爽やかな曲。思い浮かぶのはイギリスの風景(言ったことないけれど)。
11曲目のHow Does the Grass Grow?は、いかにも”メジャーなマイナー”な存在であったスケアリーモンスターズの頃のようなB級ロック。
12曲目の(You Will) Set the World On Fireはファンの間では人気のない80年代の頃の所謂世界のスーパースターだった頃のデヴィッドボウイのような曲ですが、かっこいいのです。デカいホールに、デカい頭で浅黄色のスーツに赤いネクタイでステップ踏みながら歌っているような映像が目に浮かびます。
13曲目のYou Feel So Lonely You Could Dieは、『ロックンロールの自殺者』のジギースターダストの頃を髣髴とさせるパセティックでロマンティックなバラード。ストリングスとコーラスが盛り上げます。
グラムロックという夢のような時代を回想し、ジギースターダストという架空の自分に語りかけるような歌。なんだかんだでグラムロックが大好きな僕にとってはとても感慨深い曲。「君は死にたくなるような孤独を感じるだろう」という歌詞は切ない。イメージこそ全てとし、虚構に塗れたスターの末路のような曲です。
そして、最後、14曲目のHeatは、ドアーズのThe Endを髣髴とさせる曲。歌詞の中に三島由紀夫に関連するワードが出てきたり、抽象的なのか、物語なのか、よく分からない歌詞が印象的。所々入るドラムのフィルがスペースオディティ。
 
・・・以上アルバム曲の感想といいますか、紹介です。あくまで僕の主観ですのであしからず。
ボーナス曲は割愛させていただきます。
が、ボーナス曲もまたすごく良いのです。
 
それで、このアルバムを聞いた感想として、とにかく良かったの一言に尽きます。
曲の雰囲気を分かりやすく伝えるために、過去の作品を引き合いに出したりしましたが、この作品は、過去の作品の焼き回しでは決してないです。デヴィッドボウイのニューアルバムなのです。
今まで彼は、キャラクターだったり、コンセプトを打ち出して、デヴィッドボウイという一人の人間が出来る色んな音楽を聞かせてくれるという、言うなれば、彼の中の100ある中の1に焦点を当てて、それを100にするという感じだったのですが、ヒーザンあたりからデヴィッドボウイというアーティストの音楽そのもの、つまり1を1として表現しているように感じられます。
今回のアルバムもまさにそれだと思いました。デヴィッドボウイが過去の作品を否定せず、積み重ねた音楽性が詰め込んだようなアルバムなのです。
新しいのですが、ポップ。親しみやすいのですがどこか得体の知れないところがある。
そんなアルバムです。

 
求めているサウンドの更に上を行きました。

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