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火曜日, 3月 5th, 2013 | Permalink
エーブックスタッフの水野です。
先日、以前ブログで紹介したクエンティン・タランティーノ監督のジャンゴ 繋がれざる者を見てきました。
率直な感想ですが、最高に面白かったです。

過激でバイオレンスなイメージが強いタランティーノですが、僕の思うタランティーノの良さには、ロマンがある、ということです。
男のロマン、というのでしょうか、男とはこうあるべき、カッコよさとはこういうこと、というようなロマンがあるのです。
それは時に、ギャングだったり、ボクサーだったり、軍人だったり、そして、荒野のガンマンだったりするのです。
言葉以上の説得力を持つその立ち姿、目は口ほどにものを言うその眼差し、です。
今回は西部劇ということもあり、そのロマンが特に際立っていたのです。
ジェイミー・フォックスが立ち上がったその姿が、何とも強く美しく渋くてかっこいいのです。
まあ、今から見るという人もいるかもしれないので、あまり内容については触れないでおこうと思います。
珍しく(おそらく初?)悪役を演じたレオナルド・ディカプリオがかなり良かった。彼は甘いルックスで日本ではアイドル的なイメージが強いのですが、最近は、マーティン・スコセッシとよくタッグを組んでいたり、色んな役柄に挑戦していたり、僕は、彼はいわゆる演技派俳優だと思っています。
また今回でそれを思い知らされました。ディカプリオがあんな顔するとは。
本当にディカプリオじゃないようでした。見事でした。
それとサミュエル・L・ジャクソンが良かった。彼はクールな役柄が多い気がしますが、今回は意外な感じで面白かったです。
クリストフ・ヴァルツはイングロリアス・バスターズであんな嫌な役を演じていたのに、今回は、本当にいい人でした。主人公ジャンゴの良き相棒で、尊敬すべき師匠でした。
この映画、黒人奴隷をテーマとした西部劇(正しくは南部劇か)という異例の映画なのですが、やはり批判も大きいようです。
Spill.comの批評家は本作で「ニガー」という単語を多く使っていることを非難しており(一方でいくらかのレビュアーはアメリカの奴隷制度の歴史的文脈を示し、単語の使用を擁護している)、また、一部の批評では映画が非常に暴力的であることが批判されています。
映画監督のスパイク・リーは『Vibe』のインタビューで本作を見ないと述べ、
「私が言おうとしているのは、この映画が私の先祖に対して失礼だということだ。これは私の意見で、誰かを代表しているわけではない」
と説明しています。
リーはまたツイッターで、
「アメリカの奴隷制はセルジオ・レオーネのマカロニ・ウエスタンではない。ホロコーストだ。私の先祖は奴隷だ。アフリカから盗まれた。彼らに敬意を払う」
と呟いています。
また、アメリカ合衆国におけるアフリカ系アメリカ人のイスラム運動組織『ネーション・オブ・イスラム』のルイス・ファラカーンは、映画を「人種戦争のための準備」だと思ったと述べています。
確かに、この題材を扱うのは、白人であるタランティーノにとって、いやアメリカ映画界にとって大変危険な賭けだったと思います。
歴史の当事者である黒人にしてみれば、その悲しい現実をエンターテイメントにされてしまったのだから、侮辱だと思う人もいるでしょう。
この映画を見て僕が思ったことは、おそらく彼はこの映画を通して何か思想的なメッセージを込めようという意志は特に無いのだろうということです。
ただ、南北戦争の前夜に、白人に対し復讐を誓った黒人の男の物語なのだなぁ、と思ったのです。
それは僕が日本人で、アメリカの歴史について馴染みが無いからかも知れません。
ただ、弱い立場の者が、強い立場の者に勝つという話が、僕は本当に好きなのです。
また西部劇のような渋いロマンが好きなのです。
このジャンゴという映画は、僕のフェイバリットの一つとなりました。
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月曜日, 1月 28th, 2013 | Permalink
エーブックスタッフの水野です。
以前、クエンティン・タランティーノの映画について触れましたが、その相棒的なイメージがあるロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー』、『マチェーテ』を見ました。
ロバート・ロドリゲスは、ファミリー向けSFアドベンチャー映画『スパイ・キッズ』シリーズや、B級サスペンスホラー『パラサイト』や、アントニオ・バンデラス主演のアクション映画『レジェンド・オブ・メキシコ(デスペラード)』シリーズが有名なのではないでしょうか。

プラネット・テラーは、クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが、古いB級映画ばかりを上映していたグラインド・ハウスという映画館に敬意を込めて、そういう映画を現代に作ろう!という企画の2本立て映画『グラインドハウス』(Grindhouse)の一編です。
ジャンルはアクションゾンビモノです。
でもホラーな要素はあまりなく、どちらかというとコメディな感じ。
ただ、頭が吹っ飛んだり、体が滅裂に引き裂かれたり、グロテスクな描写が終始続きます。
おバカなアイデアを真面目にやっている感じが面白かったです。
あらすじ(wikipediaから引用)
テキサスの田舎町のある夜、J.T.(ジェフ・フェイヒー)のバーベキュー・レストランにやって来たゴーゴーダンサーのチェリー・ダーリン(ローズ・マッゴーワン)は、元恋人の解体屋レイ(フレディ・ロドリゲス)と再会した。その頃、軍の部隊長マルドゥーン(ブルース・ウィリス)と生物化学の科学者アビー(ナヴィーン・アンドリュース)の取り引き中に、生物兵器DC2(コードネーム「プロジェクト・テラー」)のガスが噴き出してしまう。町中にDC2が拡がり、感染者がゾンビと化して人々を襲い始めるのだった。
・・・何というか、このあらすじだけでは何のことか全く分からないほどバカバカしいです。勿論、良い意味で。
アクションシーンは流石で、テンポよく、アナログ派のタランティーノに対する、デジタル派のロドリゲスらしく、見ていて気持ち良いです。
ただ、グラインドハウスのもう一編、『デス・プルーフ』が良すぎただけに、どうしても見劣りしてしまいそうですが、デス・プルーフがシリアスでハラハラドキドキのパニック系アクションだったので、それに相対する、おバカでくだらないホラーアクションのプラネット・テラーだと思えば、ちゃんと役割をこなしていて良いのかもしれません。
マチェーテは、メキシコとテキサスを舞台としたバイオレンスアクション。
この映画はもともと上記のグラインドハウスの公開時に作られた偽物の予告編(映画の雰囲気を出す為に作られた架空の映画の予告編)だったのですが、実際に作ったというもの。
元々、ロドリゲスの中で温められていたアイデアだったらしく、これぞロバート・ロドリゲスって感じな映画に仕上がっています。
あらすじ(wikipediaから引用)
メキシコの連邦捜査官のマチェーテは、マチェーテを愛用して犯罪者を狩る凄腕の男だった。だが、その強い正義感ゆえに麻薬王トーレスと衝突し、妻娘を惨殺される。
それから3年後、マチェーテはアメリカのテキサスで不法移民の日雇い労働者をしていた。ある日、マチェーテはブースという男から不法移民嫌いで知られるマクラフリン議員の暗殺を依頼される。
メキシコ系アメリカ人のロバート・ロドリゲスらしい、ラテン感溢れる空気と、デンジャラスなアクションが爽快な映画でした。
何といっても役者が良かったです。
主役のマチェーテを演じるダニー・トレホは本当にこの役の為にいるんではないのかというような印象。不器用で過激だが実は優しい正義漢がピッタリでした。
それに、悪役の一人、メキシコからの移民を弾圧する上院議員マクフラリン役は、何とロバート・デ・ニーロ。
ヒロインの一人、マチェーテを捜査するI.C.E捜査官サルタナを演じるのは、ジェシカ・アルバ。
もう一人のヒロインである、普段はただのタコス売りだがその正体は移民のために戦う女革命戦士ルースを演じるのは、ミシェル・ロドリゲス。
更にもう一人のヒロインをリンジー・ローハン。
悪役の一人、メキシコからの移民を狩る男をドン・ジョンソン。
そして、悪の大玉、麻薬王トーレスを演じるのは、何とあのスティーブン・セガール。
何を隠そうセガールが悪役を演じるのはこの映画が初めてだそうですが、その割りにはすごいハマっていました。
あの見るからに強くて恐そうな顔、銃弾も跳ね返しそうな屈強な体格、そして溢れ出ている胡散くさい雰囲気・・・よくよく考えてみれば、悪役の方が合っている気がします。
役者はみんな最高で、ストーリーも良かったのですが、何よりテキサス/メキシコの殺伐とした雰囲気を分かり易いイメージで描いていて良かったです。
このマチェーテは、続編となる『マチェーテ・キルズ(邦題/殺しのマチェーテ)』が今年公開される予定(日本では来年か?)でとても楽しみです。
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月曜日, 1月 7th, 2013 | Permalink
あけましておめでとうございます。エーブックスタッフ水野です。
2013年になりまして、今年も気になる映画が目白押しです。
去年はあまり映画を見に行かなかったので、今年はたくさん見たいです。
その中でも一番楽しみなのが、
クエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ ~繋がれざる者~』。
2013/3/1(金)より公開されます。
僕はこのクエンティンタランティーノ監督が大好きです。
大胆な暴力描写、延々と続く全く意味のない会話、間抜けでシュールな空気、漂う哀愁、この上なくスカッとするエンディング・・・笑ってしまうし、かっこよさで感動する。
脳味噌で考えることを忘れ、無心で見てしまう。
スナック菓子やファストフードをつまみながら片手にコーラ、
ゲップの合いの手を入れながら見るのが、おそらくタランティーノ映画のスタンダードな見方でしょう。
タランティーノ監督の映画は、彼の映画趣味が随所に散りばめられていて、パロディやオマージュで成り立っているような映画だったのだが、前々作のデス・プルーフ(in グラインドハウス)から少し変わった印象を受けた。
ちょっと偉そうな感想ですが、少し映画監督として成長したというか、やっと映画らしい映画を作ったなといった印象でした。
デス・プルーフは、一応ホラーになるのでしょうか。
殺人鬼も、カースタント用の車で人を殺すという新しいタイプ。
お得意の暴力描写はスタイリッシュで爽快なものから、グロテスクで残虐なものに。
それでいて彼の作品独特の意味のない会話も延々と続く。
後半の、改造車vs改造車、スタントマンvsスタントマンのカーチェイスはすごかった。
ラストは最高。THE ENDの文字が出てきた瞬間、爽快感で爆笑。痛快すぎます。
話もコンパクトにまとまっていて良かった。
その次のイングロリアス・バスターズも良かった。
ナチスに復讐するユダヤ人の話なのだが、主役はあのブラッド・ピット。
ブラッドピットの胡散臭さが良かった。そして、ナチスSSのハンス・ランダ大佐が最高。
もうすぐ公開されるジャンゴにも出演している、クリストフ・ヴァルツが演じているのだが、本当に冷酷で残虐で抜け目なくて、顎の出た独特の顔も相成ってかすごくいいキャラをしていた。
第二次世界大戦のナチスもので、史実というものがある故にストーリーは大体見えてしまいそうだが、最後は最高だった。こうなるとは予想しなかったです。
さすがタランティーノって感じでした。
この二作品はタランティーノの映画としてではなくても、映画として純粋に面白いと思えるのではないでしょうか。いや、作風が作風なだけに賛否両論ありそうか。
そして、今回は西部劇です。
ディープサウス。解放奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)がドイツ系賞金稼ぎのドクター・キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)と共に、サディスティックでフランスかぶれの農場主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)に立ち向かい、奪われた妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を救おうとする。(wikipediaより)
悪役にはなんとあのディカプリオ。
ディカプリオはロミオ+ジュリエットやタイタニックなどの大ヒットにより、日本ではアイドル的なイメージが強いですが、実際は色んな役に挑戦しているいい役者だと思います。
色んな監督が欲しがる理由も分かる気がします。
近年はマーティン・スコセッシとタッグを組んだり、渋い映画が多いです。
それに、イングロリアスバスターズで最高の悪役を演じたクリストフ・ヴァルツは今回主人公をサポートする良い役の様子。
主役のジャンゴを演じるジェイミー・フォックスはどちらかというと真面目な映画に出ている印象の方が強いですが、今回はどんな演技をしてくれるのか見物です。
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