Posts Tagged ファンタジー

ダーク・シャドウ

月曜日, 7月 1st, 2013 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
 
ティム・バートン監督とジョニー・デップの映画『ダーク・シャドウ』を見ました。
ティム・バートンとジョニー・デップのコンビの作品は『シザー・ハンズ』『エド・ウッド』『スリーピー・ホロウ』『チャーリーとチョコレート工場』『コープス・ブライド』『スウィーニー・トッド』『アリス・イン・ワンダーランド』と本当に名作揃いです。
ファンタジー色の強い世界観に、独特の悪趣味なホラーテイストが混ざり合い、見れば一目でバートン×デップだと分かる画が特徴です。
 
darkshadows
 
一応、僕は一通り見ているのですが、正直このコンビの映画はもういいかな~って若干飽きていたこともあり、期待はあまりしていなかったのです。
ですが、ある日偶然テレビのチャンネルをザッピングしていたらwowowの放送映画コマーシャルが流れており、何気なく見ていたらこの『ダーク・シャドウ』が宣伝され、そこでT.REXのGET IT ONが掛かり、まさにT.REXのようなポップで軽快なロックを久しぶりに聞きたいな~というような気持ちで、この映画を近所のレンタルビデオ屋さんで借りてきました。
 
あらすじ
1752年、イングランドはリヴァプールのコリンズ一家が北アメリカに渡った。
息子のバーナバスは裕福なプレイボーイに育ち、
メイン州コリンズポートの町でコリンウッド荘園の所有者となった。
だが彼は魔女を失恋させてしまったことでヴァンパイアにされ、生き埋めにされてしまう。
それから2世紀後の1972年、バーナバスは偶然棺から脱出するが、
かつての自分の土地は荒れ果て、子孫たちも落ちぶれていた。

 

 
今までありそうでなかった”吸血鬼“がテーマとなっているのですが、
これこそ、This is Tim Burton!!!といった感じで、
この二人の映画以外ありえない、といった感想を抱きました。
 
主役の吸血鬼バーナバス・コリンズ演じるジョニー・デップは”かっこいいけどどこか間抜け”といったような役柄が多いのですが、今回はそういったジョニー感はなく、ただひたすら吸血鬼バーナバスになりきっていたように感じられました。
近年、アメリカではイケメンの吸血鬼が流行しているようですが、何というか正統派のイケメンではない(と僕は思っている)ジョニー・デップが、まさにオーソドックスな、昔の漫画のような、美しいというより不気味な吸血鬼を演じており、吸血鬼映画好きな僕は嬉しかったです。
 
 
そして、見終わった後に印象に残ったのが、出演していた女優陣の美しさです。
 
ヒロインのヴィクトリア・ウィンターズジョゼットの二役を演じる、ベラ・ヒースコートはおそらく初見だったのですが、むちゃくちゃ可愛い。特典映像でティム・バートンが「ベラはどこか不気味さを持っている」と言っていたのですが確かに若干、白目に対し黒目の割合が大きく、黙っていると少し怖い印象を受けそうですが、何だかそこがまた可愛いのです。
 
悪役(?)の魔女アンジェリーク・ブシャール演じるエヴァ・グリーンも文句なしの美人。
ダニエル・クレイグ主演の『007 カジノ・ロワイヤル』でボンド・ガールを演じており、その時はどちらかというと大人しく落ち着いた感じのイメージだったのですが、今回は180度違い狡猾で大胆な、セクシーな魔女を演じています。
 
主人公バーナバスの子孫にあたるエリザベス・コリンズ・ストッダードを演じるのはベテラン、ミシェル・ファイファー
彼女はティム・バートンの映画では昔、『バットマン・リターンズ』にてセクシーなキャットウーマンを演じていたのが有名ですが、今回彼女は、強く美しいが少しヒステリックなお母さん役を演じております。老けましたが、あの美しさは健在でした。
 
その娘キャロリン・ストッダードを演じるのは、クロエ・グレース・モレッツ
彼女は『キック・アス』という映画で、ちびっ子ながら放送禁止用語を連発しながら銃を連射するというムチャクチャなスーパーヒーローを演じていたことがすごく印象的でした。
その時はまだほんの小さな少女だったのですが、今回はしっかりとロック好きでビッチな不良ティーンを演じており、『キック・アス』から約二年しか経っていないというのに、この子こんなに大きかったっけ?と驚きました。
そして、何よりむちゃくちゃ美人になっていて、すっかり成長してセクシーになっていたのが驚きました。
 
酒びたりの精神科医ジュリア・ホフマン博士を演じるのは、ティム・バートンの実質的な妻であり、彼の映画の常連であるヘレナ・ボナム=カーターは安定のブサカワ。
役柄のせいか、というより彼女も老けたことが大きいですが、ロック顔でどちらかというとカッコいいイメージの彼女もすっかりオバサンキャラが板についてきました。
ジョニー・デップは、ティム・バートンの映画の中で、彼女を色んな方法で幾度となく殺しているのですが、特典映像のインタビューで、ジョニーが「何故ティムは自分の妻を僕に殺させたがるのだろう」と冗談交じりに話していたのですが、確かに何故だろう。
 
・・・とつい長くなってしまい、あまり書くと僕の女性の好みの話になってきそうなので、この辺にしておきます。
 
ストーリーも分かりやすく、ツッコミどころは多いですが、一応、家族愛がテーマとなっており、僕としてはこれはコメディ映画ではなくラブ・ストーリーだと思いました。
単に男女の恋愛ではなく、もっと大きな意味での愛の話です。
愛と呪いは表裏一体だと改めて、そして分かりやすく感じさせられました。
 

萩尾望都

月曜日, 4月 1st, 2013 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。

漫画家の萩尾望都の最新作となる『AWAY―アウェイ―』が、4月27日に発売される月刊flowers6月号(小学館)から2号連続で掲載されるそうです。
 

 
萩尾望都(はぎわらもと)という漫画家は、僕が好きな唯一の少女漫画家です。
 
やはりどうしても淡いラブロマンスや、トーマの心臓のような同性愛モノのようないかにも少女漫画!というのはどうも苦手なのですが、彼女はそれだけではなく、SFやファンタジーやサスペンスの作品も多く描いているのです。
 
僕が特に好きなのは『ポーの一族』という吸血鬼の話です。
“永遠に子どもである子ども”を描きたいという気持ちで描いたそうなのですが、まさに子どもの無邪気さで、人の命を食って生きてゆくというのがすごく衝撃的でした。
主人公である吸血鬼の少年エドガーが妹のメリーベルを必死で守ろうとし、そのためだったら手段を選ばないという姿が何とも切ないのです。
永遠の時を生きて行けるという条件であれば、逆に命の重みが増すというか、永遠の時を生きてゆけるが故に、パートナーが死んでしまったら永遠に一人で生きていかなければならないのです。
そのためにエドガーも必死で理解しあえる友人を探すのです。
やはり長い時を生きていれば、姿は少年でも考えることは大人でして、すること、考えることが残忍なのです。
子どもが、手馴れた動作で猟銃を構える姿は、不思議と絵になるものです。
出てくる登場人物も個性豊かで、エドガーは悪い行いばかりし、当然吸血鬼であるから、人間の血を吸い、命を奪うのですが、そんなエドガーを許すまいと誰もが思うのだが、誰もがその美しさだったり、危ない雰囲気に魅了されてしまうという、少女漫画ならではのオチも良い意味で期待通りで良いです。
読後感が、小説を一冊読んだような感覚で読み応えがかなりあります。
 

 
それと面白かったのが『11人いる!』という漫画です。
まず世界設定が少女漫画の枠を遥に超えているのです。
wikipediaから引用します。
 
ワープ航法と反重力推進の発明により、地球人類は宇宙へと進出を果たしている。200年の間に51の惑星を開拓したが、異星人の遺跡の発見、および異星人とのファーストコンタクトを経て団結する必要に迫られ、総合政府・テラを樹立する。
その後、サバ系、ロタ系、セグル系の3大国で構成される星間連盟に、地球および周辺惑星もテラ系として加盟。400年の時を経てロタ、セグル、サバに次ぐ国力を獲得した。異なる種族間同士の遺伝交配はロタ系を除き可能。

 
まずこの説明だけでは何のことか全く分からないのですが、気になる人は是非チェックしてみてください。
あらすじはタイトルの通り。wikipediaから引用します。
 
宇宙大学の受験生の1人、タダトス・レーン(主人公・タダ)は、最終科目の実技“各自のテスト場において集団で協調し、53日間を過ごす”を、10人構成のチームで外部との接触を断たれた宇宙船・白(はく)号において受験することを言い渡される。だが白号に集合した受験チームは1人多い11人だった。この不測の事態にあっても非常信号の発信ボタンを押せばチーム全員が不合格になるため、11人は互いに疑惑を抱きながら規定の53日間を過ごすことになった。
 
この設定だけでもう面白そうなのですが、実際に面白かったです。
映画のような漫画でした。
 
『11人いる!』もそうですが、萩尾望都の作品はどれもタイトルがすごくカッコいいのです。

少女漫画を描く人は、なかなか『漫画家』という肩書きで呼ばれることは少ないと感じます。
おそらくほとんどが『少女漫画家』と呼ばれているのではないでしょうか。
しかし、萩尾望都はおそらく『少女漫画家』より『漫画家』という肩書きの方が合っているでしょう。

ベルセルク

月曜日, 2月 4th, 2013 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
毎週月曜日の午前に投稿しているのですが、一日遅れてしまい申し訳ございません。
 
ベルセルク』というダークファンタジー漫画の三部作の第三作目、映画『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』が劇場公開されました。
 
ベルセルクは昔読んだことがありまして、その中世ファンタジーのダークな部分をこれでもかってくらいに詰め込んだ作品です。
1989年から、休載を挟みながらも実に24年間連載されている長編漫画です。
作者も「死ぬまでに頭の中を全て出せるのか」と不安を募らせるほどに壮大なストーリーなのです。

劇場版三部作は物語の中の黄金時代篇というわけで、屈強な肉体に黒い短髪の主人公ガッツが、銀色の長髪をなびかせた、女と見間違うほどの美貌を持つ天才剣士グリフィスと出会うという回想の章です。

ガッツの幼少時代から始まり、ガッツとグリフィス、そしてその仲間たちの青春と、その終わりが描かれていて、落差が凄まじいです。絶望そのものが待ち構えているのです。
 
二人が出会った頃は誰もこんなことになるなんて思わなかっただろう。
最初はお金の為に傭兵をしていたのだが、グリフィスはそうじゃなかった。
しかし、グリフィスに黒い野望は全く見えない。おそらく本人も抱いていなかったのです。ただ、高い場所で暮らしたい、あの高い城に住みたいという気持ちだけがあったのです。
その無邪気な心と、天才的頭脳と、ずば抜けた剣の腕前により、彼とその仲間たち、そしてガッツは次第に力をつけてゆくのだが・・・
といったストーリーです。
 
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので、割愛させていただきます。
今回2/1に公開された第三作目は、青春の終わり、絶望の始まりが描かれているようです。
 

 
グロテスクな描写が売りの漫画だと、世界観やイメージが先行していてストーリーはその次、といった印象が強いのですが、ベルセルクはグロテスクなダークファンタジーなのに何よりもストーリーが先行しているというのがすごいです。
読んでいて、「うおおおお!」と唸るようなエモーショナルな展開もあれば、目を背けたくなるような悲しい話もあります。
 
“剣と魔法の中世ファンタジー”というその特性を活かし切って、これだけ暗い部分を引き出している漫画も少ないのではないでしょうか。
モンスターは本当に恐ろしいですし、逆に天晴れと言ってしまうような地獄そのものの光景はまさに悪夢です。
ストーリーが、ファンタジーと大河ロマンの絶妙なラインを通っているので、それがとてつもなくリアルに恐ろしく感じられるのです。
 

David Bowie

月曜日, 1月 21st, 2013 | Permalink


僕は以前ブログでも触れたことがありますが、バンドをやっていてボーカルをやっているのですが、僕の中で俗によく言う神!(そんなチープな表現使いたくないですが・・・)というのがDavid Bowieです。
先日亡くなられた大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』や、Let’s Danceの大ヒットにより知っている人も多いと思います。
 
僕がデヴィッド・ボウイに出会ったのは、おそらく高校の頃。
小学5年の頃にクイーンにハマって、”ブリティッシュロックの歴史!”みたいな本を読んで、そこから名前を知り、写真は見たのですが、なんと言うかゲテモノ過ぎて、正直怖い印象でした。

額に稲妻があったり何か丸いのがあるし、眉毛も無い。髪型も昔のヤンキーみたいだし、服装も変・・・
まさに宇宙人のようでした。
それから時は過ぎ、高校に。その時僕はちょっと髪を伸ばしていて、体も華奢ですから、クラスの強そうな人たちから「女だ、女だ」言われていて、だったらそれでいいよ、性別なんて何でもいいよ、俺はロックだよ。なんていうワケの分からない意識が芽生え始めたのです。
昔から、ゲームとかのファンタジーな世界観が好きだし、クイーンからロックに目覚めたクチですから、何と言うかエレガンスな世界観には惹かれる性質だったのですが、
ふと目に入ったデヴィッドボウイのハンキードリーというアルバムのジャケに僕は頭をガーンとスコップで殴られたような衝撃を受けたのです。
絵画のようで、僕はゲイではないですが何て美しいんだ!と思いました。

David Bowie – Life on mars?
 
そしてまずデヴィッドボウイの代表作と言われているジギースターダストというアルバムを買って聞きました。
なんと言うのでしょうか、その時点で「ああ、これは僕の人生に一生残るだろうな」と思いました。
それからアルバムを集めだし、古本屋にある彼の載っている音楽雑誌を読み漁りました。
上の動画の曲は前述したハンキードリーというアルバムに入っているのですが、これは彼の中でも最も僕に衝撃を与えた曲です。なんとも切なく美しいのだが、破壊力があるのです。
そして、グラムロックというロックの中のジャンルは「コレだ!僕にはコレがある!」と僕に思わせました。
なんと言うかデヴィッドボウイは僕のコンプレックスを全て武器にしていたのです。
それが僕とデヴィッドボウイとの出会いです。
 
デヴィッドボウイの初期の曲でChangesというのがあるのですが、その中で彼は変化し続けるという運命を自ら歌っています。
最初はヨーロッパ的なポップシンガーだったのですが売れず、次はサイケなフォーク路線、次にハードロック、そして華やかで妖しいグラムロック、シアトリカルなアート路線、行き過ぎてアバンギャルド、新しいニューウェイブ、プラスティックなファンク、ダンスミュージック、無機質なインダストリアル・・・
そんなジャンルは後で分けられたものですが、彼は常に先駆者であり、変化してきました。
普遍的な中にも、何か変なものがある感じです。
「メジャーなカルト」とよく言われる彼ですが、正に言い得て妙だと思います。

 
 
そんなデヴィッドボウイがなんと今年2013年にニューアルバムを発売するのです。
僕は嬉しいです。
確かブライアン・イーノが前に「デヴィッドボウイは事実上引退した」言っていたので、僕は寂しかったのですが、
2013年1月8日、デヴィッドボウイの66歳の誕生日の日に、27枚目のアルバム『The Next Day』を発売されることが発表されたのです。
このソーシャルネットワークワールド、情報化社会の現代、人々は指先一つで得られる情報に依存し、支配されています。
それを逆手に取ったというか、一切の情報を公開せず、新曲を世界119ヶ国に一斉配信。
去 年、ロンドンオリンピックの開会式の時、David Bowieをモチーフにしたパレードがあったり、イギリスの選手団がHeroesの入場曲で入場したりと、既に伝説のような扱いを受けていて、引退説が囁かれていた世界的アーティストの10年ぶりの新曲が一切の情報無しに急遽発売…まさに策士って感じ。
ジャケも、ヒーローズのジャケの顔を白い四角でくりぬき、The Next Dayと書かれた物で前衛的。
右上に書かれた、「Heroes David Bowie」のHeroesのところを黒く塗りつぶしています。
 

誕生日の日に発表された新曲『Where Are We Now?』がまた素晴らしい。

 
そんなデヴィッドボウイのニューアルバム『The Next Day』は2013年3月12日に発売です。

2003年の『Reality』発表後は、病気療養のため音楽活動を休止していたイギリスのミュージシャン、デビッド・ボウイの27作目のオリジナル・ア ルバム。アートワークにも使用されている1977年の名作『Heroes』を手がけているトニー・ヴィスコンティがプロデュース。
01. The Next Day
02. Dirty Boys
03. The Stars (Are Out Tonight)
04. Love Is Lost
05. Where Are We Now?
06. Valentine’s Day
07. If You Can See Me
08. I’d Rather Be High
09. Boss of Me
10. Dancing Out In Space
11. How Does the Grass Grow?
12. (You Will) Set the World On Fire
13. You Feel So Lonely You Could Die
14. Heat

Pan’s Labyrinth

月曜日, 12月 17th, 2012 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。

先日、テレビでパンズラビリンスという映画を見たんですけど、これがすごい面白かった。
監督はギレルモ・デル・トロ。現在公開中の映画『ホビット・思いがけない冒険』の脚本を担当している人なので、おそらくそのプロモーションで放送されたのでしょう。
 
以下はあらすじです。

スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリア。
彼女は妊娠中の母親と共に、母親の再婚相手であり独裁政権軍で大尉を務めるヴィダルに引き取られ、森の中にある軍の砦に移り住む。
レジスタンス掃討を指揮する冷酷なヴィダルは、生まれくる自分の子だけを気にかけ、母親も大尉の意向ばかりをうかがうため、オフェリアは顧みられない。
オフェリアの相手をするのは砦の家政婦であるメルセデスだが、彼女の弟はレジスタンス運動に身を投じており、メルセデスは大尉の目を盗んでこれに協力していた。
砦での暮らしはオフェリアにとって重苦しいものとなっていき、彼女の心は現実から妖精やおとぎ話の世界へ引き込まれていく。

まず最初に思ったのが主人公のオフェリアが可愛いです。
髪形も相成ってか、最近よくテレビで見かける水原希子にちょっと似ているような気がします。
 
次にモンスターが怖いのです。俗にいうファンタジー映画なのですが、まず子どもにはオススメできません。下手なホラー映画より全然怖い気がします。トラウマを与えてしまうことでしょう。PG-12指定ですし。
その怖さがまた絶妙なのです。ホラー映画のモンスターとは全く異質なのです。
顔がグロテスクに溶けていたり、血まみれの衣装を着ていたり、見るからに痛々しかったり・・・そういうワザとらしい表現ではなく、なんというか不気味でして、あれ以上デザインを弄ったら安っぽくなったり、怖くなくなったりするような気がしてくるのです。
絶妙に不気味、絶妙に奇妙、絶妙に怖いのです。

そして、ストーリーが良い。
思春期の少女オフェリアは孤独です。この映画では、彼女にとって居心地の良い場所なんてないのです。安心という言葉はないのです。
ネタバレになってしまうので、詳しい内容は控えますが、ラストがとても印象的でした。
煽り煽られドラマチックに心を打つ、という映画はよくありますが、
これだけサクッと心に入り込んで、何か考えさせられる映画もあまりない気がします。
 
オフェリアの台詞一つ一つが切ないです。その台詞はそのまま現代社会への疑問にも向けられることが可能なのがまた巧みでした。
 

この予告編ではなんだか暗そうなファンタジー映画といった印象しか分かりませんが、とても良い映画でした。
怖い怖い書きましたが、見終わった後は怖かったという印象は消え、美しかったとか、切ないという気持ちでいっぱいでした。
素直に見た二時間に満足を覚え、僕のフェイバリット映画の一つとなりました。
 

最近の投稿

出張買取エリア