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ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル

月曜日, 9月 2nd, 2013 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。

先日、8/29に発売されたプレイステーション3用ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』を買ってきました。
 
僕がジョジョを読み始めたのはおそらく小学校中学年から高学年の頃でしょうか。
当時は当然周りで読んでいる人はいなかったです。
漫画といえば連載終了してしばらく経つのにドラゴンボールは不動の人気を誇っており、世間的にはワンピースの人気が出てきて、僕の周りではHUNTER×HUNTERとNARUTOがすごく人気でした。
やはり自分の好きなものは友達と共有したく、友達に薦めるのですが独特の”濃い”絵のタッチからまず受け付けてもらえませんでした。
実際、その当時はすでに一部のマニア人気を確立していたようですが、僕の中では誰も知らない漫画でした。
そんな誰も知らない漫画が、こうして個展が開かれたり、アニメ化だったり、今回のゲーム化だったりされて嬉しい限りです。
しかも発売前の受注本数が50万本を突破していたらしく驚きです。
 
ジョジョは過去にもゲーム化はされてきておりますが、これほど話題になることもなく、あくまでジョジョファンのためのゲームでした。
今回はどうかといわれると、今回こそがまさにジョジョファンのための”ジョジョゲー”だと思いました。
そしてオールスターバトルということで、歴代の主人公やボスらの主要キャラクターたちが登場します。
 
ジョジョの特徴の一つとして個性的な台詞回しがあります。
なんといいますか、日常会話では到底使われないような言い回しなのです。
漫画的といえば漫画的なのですが、それよりは映画の翻訳調といいますかなんとも芝居がかっている感じがするのです。
その特徴的な台詞を声で聞けるというのがまず嬉しいです。
 
良かったと思った声をざっと上げますと、
第二部からジョセフワムウカーズ
喋っただけでそいつがどんなヤツか分かるという点でジョセフの声はピッタリだと思いました。ただ軽いだけじゃなくちゃんと重みもあるジョセフにピッタリ。
ワムウを演じるのはあのスティーブンセガールや平成版ブラックジャック、ムーミンパパ、メタルギアソリッドのスネークを演じる大塚明夫。ワムウは常に戦いに飢えており強者を求め、自分が認めたものなら例えてきでも敬意を表するという敵ながら天晴れというキャラクターなのですが、この上ないハマリ具合。文句なしの演技でした。
カーズはそのワムウの仲間であり敵のリーダーなのですが、彼はワムウとは正反対で「最終的に勝てば良かろうなのだァッ!」という台詞から読み取れるように例え卑怯でも勝つ為なら手段を選ばないという誰から見ても悪いヤツ。冷酷非道なカーズにピッタリでした。

第三部からはポルナレフホルホースDIO
ポルナレフはおチャラけた三枚目キャラだけどどこか哀愁と渋さを持っている感じがよく現れていて良かった。
ホルホースはふらふら生きている女たらしの伊達男。本当はあまり強くない永遠の二番手。自分のボスをあわよくば殺そうとも思ったがビビッてやめるという敵だけどどこか憎めないキャラクターに良くあっていた。
DIOはジョジョの主人公ジョースターファミリー因縁の敵。傲慢で卑怯で冷酷で非道。
悪魔的な美貌の持ち主で悪のカリスマ。悪の化身とも言うべきDIOにピッタリだった。
 
第四部から仗助吉良
仗助は優しさと根性を兼ね備えた不良なのだがすごく合っていた。まさにこんな声を想像しながら読んでいた。仗助は個人的に一番好きな主人公でもあるのですごく嬉しかったです。
吉良は、女性の手を常に持ち歩いていたいという変態的な性癖を持つ殺人鬼。
ねちっこい声が上手く変態的な殺人鬼に非常にあっていてよかった。

第六部から徐倫
おそらくこのゲームで一番良かったのは徐倫。ジョリーンがやば過ぎでした。
とてつもなくタフな女。勢いもパワーもありセクシーもあるし、ちゃんと刑務所で食べるパンにゴキブリ這っていても生きる為と、かぶりつくようなガッツもありました。
「オラオラ」などの拳をラッシュする際の掛け声の中ではまずずば抜けて素晴らしかったと思います。

第七部からジョニィジャイロ
ジョニィは、意志は弱いけど何かを欲した時、その目は人を殺す目になる・・・という何とも悪役のような主人公なのだけど、それがよく現れていた。
ジョニィはジョジョの主人公の中で初めて、”心の弱い人間”であり、他のジョジョはピンチになってもきっと何か閃いたりして状況を打破してくれるだろうという希望があるのですが、ジョニィはまるでそれが無い。ピンチになると本当に絶望感があるのです。
そういった意味でもパンチのラッシュ時に声が裏返ってしまいそうなあの声は非常に良かった。
ジャイロはジョニィの師匠でありたった一人の親友。ジョニィは自分の兄を自分のせいで亡くしておりおそらくジャイロに兄の姿を重ね合わせていたのだろうが、そんな兄貴感が出ていて良かった。
この声優については詳しく知らないのですが、何というか笑いそうになりながら喋る感じが、ジャイロってこういう風に喋りそうだな~って思わせてくれて良かった。

・・・と、上げだしたらどんどん名前が出てきたので基本的に配役は良かったんだと思います。
 
 
DLC(ダウンロードコンテンツ)が配信され、キャラクターは増えてゆく様子なのでこれからも楽しみです。

ゲーム的には格闘ゲームファンからは酷評されているのは否めませんが、ジョジョファンにとっては満足のゆく内容なのではないでしょうか。
攻撃のモーションは勿論、動き一つ一つ漫画の中から全て引用されており、その再現度には頭が下がるほどだと思います。
独特な画風により、アニメでもアレンジが加えられ簡略化されていますが、このゲームでは漫画そのままの画風(?)で、そこにも満足です。
 
またそれぞれのキャラクターに好みの台詞やポーズを設定できるのもファンにとっては嬉しいのではないでしょうか。
 

 
デヴィッドボウイは『レッツダンス』や『戦場のメリークリスマス』で日本でも大ブレイクする以前は、“メジャーなカルト”アーティストといわれていたらしいですが、漫画界の“メジャーなカルト”はまさにジョジョなのではないでしょうか。

マット・デイモン 『ボーン』シリーズ

月曜日, 5月 27th, 2013 | Permalink


こんばんは、エーブックスタッフの水野です。
 
先日、マット・デイモン主演のアクションサスペンス映画、ボーンシリーズを一気に見ました。
といっても、外伝(新シリーズ?)的な4を除く、マット・デイモンが出ている1~3までです。
第一作目の『ボーン・アイデンティティ』は昔見たことあったのですが、ほとんど内容を覚えていなかったため、また1から見直しました。
 
以下、ボーンシリーズの概略です。(wikipediaより)
 
『ボーン』シリーズは、作家のロバート・ラドラムが創造した、心因性健忘に苦しむ架空の元CIA暗殺者、ジェイソン・ボーンを主役としたスパイ映画である。
脚本はそれぞれ、ラドラムの3冊の小説を原作としており、ジェイソン・ボーンを演じるのはマット・デイモンである。
第1作『ボーン・アイデンティティー』(2002年)はダグ・リーマン、
第2作『ボーン・スプレマシー』(2004年)と第3作『ボーン・アルティメイタム』(2007年)はポール・グリーングラスが監督し、
第4作『ボーン・レガシー』はトニー・ギルロイが監督し、
4作品すべての脚本にギルロイが参加している。
本シリーズはCGIを用いたものが増えた近年のアクション映画とは対象的にリアリズムを重視していることで有名である。

 
以下は、あらすじです。
嵐の夜、地中海上にてある漁船が海上で男性が浮かんでいるのを発見し、これを救助する。
男は背中に2つの弾痕を負い、さらに記憶を失っており、唯一の手掛かりは皮膚の下に埋め込んであったマイクロカプセルが示すスイス銀行の口座番号であった。
さっそく男は銀行へ向かい、番号が示す貸金庫を開けると、そこで自分の顔写真が貼られたパリ在住の「ジェイソン・ボーン」名義を始めとした、それぞれ名前の違う6個の偽造パスポート、大量の札束、そして一丁の銃を見つけた。
こうして記憶喪失のジェイソン・ボーンは自分が何者かを知るために動き出すのであった。

 

 
この映画の見所はやはり、CGに頼らないアクションでしょう。スピーディで、パワフルで、見ていて気持ち良いのです。
このすっごく爽快なアクションシーンというのは、演出も勿論良いのですが、役者のアクションそのものもすごいのです。
本当に強そうですし、本当に痛そうです。
こんな人間に襲われたら、こっちがいくら拳銃持っていようが、一溜まりもないなぁと思わせてくれるのです。
三作目(ボーン・アルティメイタム)の暗殺者と戦うアクションシーンが本当にすごくて、僕はこのシーンが一番好きでした。
普通の映画にしたら、一つ(ワンシーン)の戦いでこんなに尺使うか?というくらい長いのですが、本当に強い二人のバトルなので、どちらもタフですし、拳銃を使わずに殴り合いなので、そうあっさり決まらないのです。
そこに一人守らなければいけない女もいるものですから終始ハラハラさせられるのです。
 
そしてストーリーも良かったです。
本当に謎が謎を呼ぶストーリーですので、一つバラすと次もバラさなくてはいけなくなるので、伏せておきますが、良かったです。
張りに張った伏線も、ちゃんと全て回収しており、サスペンスとしても良く出来ていました。
真正面からすごいアクションサスペンス映画を見れた気がして良かったです。
 
主演のマット・デイモンにとって、このボーンシリーズは今のところ彼にとっての代表作でしょうし、おそらく彼の役者人生を代表するシリーズになることでしょう。

ベルセルク

月曜日, 2月 4th, 2013 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
毎週月曜日の午前に投稿しているのですが、一日遅れてしまい申し訳ございません。
 
ベルセルク』というダークファンタジー漫画の三部作の第三作目、映画『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』が劇場公開されました。
 
ベルセルクは昔読んだことがありまして、その中世ファンタジーのダークな部分をこれでもかってくらいに詰め込んだ作品です。
1989年から、休載を挟みながらも実に24年間連載されている長編漫画です。
作者も「死ぬまでに頭の中を全て出せるのか」と不安を募らせるほどに壮大なストーリーなのです。

劇場版三部作は物語の中の黄金時代篇というわけで、屈強な肉体に黒い短髪の主人公ガッツが、銀色の長髪をなびかせた、女と見間違うほどの美貌を持つ天才剣士グリフィスと出会うという回想の章です。

ガッツの幼少時代から始まり、ガッツとグリフィス、そしてその仲間たちの青春と、その終わりが描かれていて、落差が凄まじいです。絶望そのものが待ち構えているのです。
 
二人が出会った頃は誰もこんなことになるなんて思わなかっただろう。
最初はお金の為に傭兵をしていたのだが、グリフィスはそうじゃなかった。
しかし、グリフィスに黒い野望は全く見えない。おそらく本人も抱いていなかったのです。ただ、高い場所で暮らしたい、あの高い城に住みたいという気持ちだけがあったのです。
その無邪気な心と、天才的頭脳と、ずば抜けた剣の腕前により、彼とその仲間たち、そしてガッツは次第に力をつけてゆくのだが・・・
といったストーリーです。
 
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので、割愛させていただきます。
今回2/1に公開された第三作目は、青春の終わり、絶望の始まりが描かれているようです。
 

 
グロテスクな描写が売りの漫画だと、世界観やイメージが先行していてストーリーはその次、といった印象が強いのですが、ベルセルクはグロテスクなダークファンタジーなのに何よりもストーリーが先行しているというのがすごいです。
読んでいて、「うおおおお!」と唸るようなエモーショナルな展開もあれば、目を背けたくなるような悲しい話もあります。
 
“剣と魔法の中世ファンタジー”というその特性を活かし切って、これだけ暗い部分を引き出している漫画も少ないのではないでしょうか。
モンスターは本当に恐ろしいですし、逆に天晴れと言ってしまうような地獄そのものの光景はまさに悪夢です。
ストーリーが、ファンタジーと大河ロマンの絶妙なラインを通っているので、それがとてつもなくリアルに恐ろしく感じられるのです。
 

ロバート・ロドリゲス

月曜日, 1月 28th, 2013 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
 
以前、クエンティン・タランティーノの映画について触れましたが、その相棒的なイメージがあるロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー』、『マチェーテ』を見ました。
ロバート・ロドリゲスは、ファミリー向けSFアドベンチャー映画『スパイ・キッズ』シリーズや、B級サスペンスホラー『パラサイト』や、アントニオ・バンデラス主演のアクション映画『レジェンド・オブ・メキシコ(デスペラード)』シリーズが有名なのではないでしょうか。
 

 
プラネット・テラーは、クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが、古いB級映画ばかりを上映していたグラインド・ハウスという映画館に敬意を込めて、そういう映画を現代に作ろう!という企画の2本立て映画『グラインドハウス』(Grindhouse)の一編です。
ジャンルはアクションゾンビモノです。
でもホラーな要素はあまりなく、どちらかというとコメディな感じ。
ただ、頭が吹っ飛んだり、体が滅裂に引き裂かれたり、グロテスクな描写が終始続きます。
おバカなアイデアを真面目にやっている感じが面白かったです。
あらすじ(wikipediaから引用)
テキサスの田舎町のある夜、J.T.(ジェフ・フェイヒー)のバーベキュー・レストランにやって来たゴーゴーダンサーのチェリー・ダーリン(ローズ・マッゴーワン)は、元恋人の解体屋レイ(フレディ・ロドリゲス)と再会した。その頃、軍の部隊長マルドゥーン(ブルース・ウィリス)と生物化学の科学者アビー(ナヴィーン・アンドリュース)の取り引き中に、生物兵器DC2(コードネーム「プロジェクト・テラー」)のガスが噴き出してしまう。町中にDC2が拡がり、感染者がゾンビと化して人々を襲い始めるのだった。
・・・何というか、このあらすじだけでは何のことか全く分からないほどバカバカしいです。勿論、良い意味で。
 
アクションシーンは流石で、テンポよく、アナログ派のタランティーノに対する、デジタル派のロドリゲスらしく、見ていて気持ち良いです。
ただ、グラインドハウスのもう一編、『デス・プルーフ』が良すぎただけに、どうしても見劣りしてしまいそうですが、デス・プルーフがシリアスでハラハラドキドキのパニック系アクションだったので、それに相対する、おバカでくだらないホラーアクションのプラネット・テラーだと思えば、ちゃんと役割をこなしていて良いのかもしれません。
 
 

 
マチェーテは、メキシコとテキサスを舞台としたバイオレンスアクション。
この映画はもともと上記のグラインドハウスの公開時に作られた偽物の予告編(映画の雰囲気を出す為に作られた架空の映画の予告編)だったのですが、実際に作ったというもの。
元々、ロドリゲスの中で温められていたアイデアだったらしく、これぞロバート・ロドリゲスって感じな映画に仕上がっています。
 
あらすじ(wikipediaから引用)
メキシコの連邦捜査官のマチェーテは、マチェーテを愛用して犯罪者を狩る凄腕の男だった。だが、その強い正義感ゆえに麻薬王トーレスと衝突し、妻娘を惨殺される。
それから3年後、マチェーテはアメリカのテキサスで不法移民の日雇い労働者をしていた。ある日、マチェーテはブースという男から不法移民嫌いで知られるマクラフリン議員の暗殺を依頼される。

 
メキシコ系アメリカ人のロバート・ロドリゲスらしい、ラテン感溢れる空気と、デンジャラスなアクションが爽快な映画でした。
何といっても役者が良かったです。
主役のマチェーテを演じるダニー・トレホは本当にこの役の為にいるんではないのかというような印象。不器用で過激だが実は優しい正義漢がピッタリでした。
それに、悪役の一人、メキシコからの移民を弾圧する上院議員マクフラリン役は、何とロバート・デ・ニーロ
ヒロインの一人、マチェーテを捜査するI.C.E捜査官サルタナを演じるのは、ジェシカ・アルバ
もう一人のヒロインである、普段はただのタコス売りだがその正体は移民のために戦う女革命戦士ルースを演じるのは、ミシェル・ロドリゲス
更にもう一人のヒロインをリンジー・ローハン
悪役の一人、メキシコからの移民を狩る男をドン・ジョンソン
そして、悪の大玉、麻薬王トーレスを演じるのは、何とあのスティーブン・セガール
何を隠そうセガールが悪役を演じるのはこの映画が初めてだそうですが、その割りにはすごいハマっていました。
あの見るからに強くて恐そうな顔、銃弾も跳ね返しそうな屈強な体格、そして溢れ出ている胡散くさい雰囲気・・・よくよく考えてみれば、悪役の方が合っている気がします。
 
役者はみんな最高で、ストーリーも良かったのですが、何よりテキサス/メキシコの殺伐とした雰囲気を分かり易いイメージで描いていて良かったです。
 
このマチェーテは、続編となる『マチェーテ・キルズ(邦題/殺しのマチェーテ)』が今年公開される予定(日本では来年か?)でとても楽しみです。
 

『ジョジョの奇妙な冒険』 25周年ッ!!

月曜日, 12月 24th, 2012 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
気のせいかもしれませんが、今年2012は何かと○○周年が多い気がします。
ストーンズ50周年、ファイナルファンタジー25周年・・・
単に僕が好きなものが多いだけなのかもしれませんが。
 
そして今回は、僕がおそらくこの世で一番好きな漫画、人生のバイブル『ジョジョの奇妙な冒険』を取り上げたいと思います。
今年2012年は、ジョジョの奇妙な冒険(以下、ジョジョ)連載25周年、その作者である荒木飛呂彦氏は画業30周年の年です。
ジョジョは人間讃歌をテーマとした大河ロマン漫画。
受け継がれるジョースター家の血統と、巨大な悪との戦いを描いたバトル漫画でもあります。
総計100巻を越える長編ですが、大体平均して20巻前後で一括りとされていて(一部と二部は五巻前後と短いです)、それぞれ主人公が違います。
まず部を追って説明しましょう。(ネタバレ注意)
 
 

始まりとなる、第一部のタイトルは『ファントムブラッド』、
主人公はジョナサン・ジョースター
舞台は19世紀イギリス、名門ジョースター家の跡継ぎであるジョナサン・ジョースター(通称ジョジョ)と、養子であるディオ・ブランドーの2人を主人公に繰り広げられるサスペンス活劇。
吸血鬼ホラーサスペンスです。真っ直ぐで優しくそして熱い男ジョナサンと、ずる賢くケチでいて冷酷なディオとの対決です。
ディオは不老不死を手に入れるため、呪いの『石仮面』をかぶり吸血鬼となる。
ジョナサンは、生のエネルギーをパワーに変える『波紋』と呼ばれる特殊能力を、ウィル・A・ツェペリから教わり、吸血鬼のディオと戦います。
最後、新婚旅行で乗る船の中でジョナサンは、生きていたディオと戦い、相打ちで死んでしまいます。悲しいです。
好きなシーンは、最後ディオの生首を抱きかかえて燃える船の中で死んでいくシーンです。好きな台詞は「ぼくの青春は、ディオとの青春!これからその青春に決着をつけてやるッ!」です。
これから始まるジョースター家と吸血鬼ディオとの戦いのプロローグ的な意味合いも強く感じられます。
 
 

第二部は『戦闘潮流』、主人公はジョナサンの孫、ジョセフ・ジョースター
舞台は前半がアメリカのニューヨーク、後半はイタリアのローマです。第二次世界大戦前の話で、ナチスが研究する究極生物から話は始まります。
動物を食い物とするのが人間(ジョジョ達)、人間を食い物とするのが吸血鬼(第一部の敵ディオはコレ)、その吸血鬼を食い物とするのが通称『柱の男』。
その柱の男に、二代目ジョジョが波紋を駆使して戦う物語です。
ジョセフは、おぼっちゃんのジョナサンとは打って変わってヤンチャで生意気な三枚目。
話も第一部がホラーサスペンスなら、第二部はアクション。コミカルな表現も増えてます。
二代目ツェペリであるシーザーは、見た目も性格も紳士な一代目とは違い、キザで生意気で女たらしな二枚目です。
柱の男は計四人いるのですが、中でもワムウという悪役は敵ながら天晴れな、とてつもなくかっこいい男です。個人的にジョセフは大好きなジョジョです。
好きなバトルは闘技場でのワムウvsジョセフ。
圧倒的不利なバトルだが運命を切り開くジョセフのガッツに痺れました。
好きな台詞というか言葉は、
「ワムウは風になった。JOJOが無意識のうちにとっていたのは『敬礼』の姿であった。涙は流さなかったが、無言の男の詩があった。奇妙な友情があった。」

 

第三部は『スターダスト・クルセイダース』、主人公はジョセフの孫、空条承太郎です。
第一部が優しい正義感で、第二部がヤンチャな三枚目なら、第三部はクールで渋いワル。
舞台は現代(連載当時の1989)の日本。不良高校生の承太郎はある日体の異変に気付く。悪霊が取り付いていると感じる。自分の体から自分の分身が出てきて、物を取れたり破壊できたりできる。承太郎は悪霊と呼んでいたが、実はこれはスタンドと呼ばれる超能力であり、”戦うというエネルギー”がビジョン(実像)となって現れる現象であった。
第三部では、一部~二部の波紋バトルから、このスタンドバトルに発展します。

作者の荒木飛呂彦曰く、グッと念じることにより、物が勝手に動いたりコップが割れたりする”現実には見えない超能力”を、漫画なら絵で表現できるはずだと思い、このスタンド像を思いついたらしいです。
それぞれのスタンドにはそれぞれの特殊能力があり、原則として一人につきスタンドは一体(一能力)。この能力バトルにより、今までパワーの”高さ”だけで成り立っていたバトル漫画に、特性や弱点を作ったことにより”幅”を作ったといわれています。

少し、話が脱線しましたが、第三部に話を戻します。
承太郎がそのスタンド能力に目覚めたのはある出来事が関係していた。
ある船から棺桶が引き上げられた。それは第一部で死んだはずのディオであった。生首だけになって死んだはずのディオは、死んだジョナサンの肉体を奪い取り、吸血鬼として生き続けていたのであった。そしてディオは遂に復活し、邪悪なパワーを以て、現代に舞い降りるのであった。
それを機に承太郎を始め、第二部の主人公ジョセフ、そして世界各地の人間にスタンドが現れた。
ジョセフの娘であり、承太郎の母である、ホリィにもスタンド症状が現れたがスタンドとは戦うパワーの為、戦う肉体を持たないホリィと相性が合わず、害として現れた。一ヶ月以内に元凶であるディオを倒さなければ死んでしまう・・・こうして承太郎のジョセフの旅は始まった。
シリーズの中でも一番人気が高い冒険バトルもの。日本からエジプトへの過酷な旅。
様々な能力を持つスタンド使いと戦い、仲間を増やしてディオを倒します。
最後のディオとのバトルは圧巻です。ディオのスタンド『ザ・ワールド』の能力は「時を止める」。この最強の能力にどうやって承太郎は勝ったのか!?そしたら何と急に承太郎も時を止めだしたのです。
スタンド能力は遺伝する。ジョセフ~ホリィ~承太郎と。そしてディオの肉体はジョセフの祖父ジョナサン。恐らく、ザ・ワールドはジョナサンの能力で、それが承太郎に遺伝したのではないかと云われているそうです。
時を止める時、白黒反転するエフェクトが使われるのですが、第一部ジョナサンがトドメを刺される瞬間に何と白黒反転し、攻撃するのです。ま、そんな豆知識は置いといて。
ジョースター家vsディオの因縁の戦いが幕を閉じます。
好きなバトルはやはり最後のディオ戦。ディオの館に入ってからのバトルはどれも面白いです。中でも花京院の死と、イギーの死は泣けます。
どんな強いスタンド能力を目の前にしても、最後に勝つのは勇気や覚悟だというのが熱いです。
 

次の第四部は『ダイアモンドは砕けない』。主人公は承太郎の”叔父”、つまりジョセフの息子、それも隠し子である東方仗助。温厚で優しいがキレると誰も止められない不良高校生。
舞台は1999年の日本。杜王町で起こる奇妙なスタンド事件の謎に迫る話。
眠ったスタンド能力を引き出すと云われている呪いの弓矢により、杜王町にはスタンド使いが急増していた。
今までの”血で血を洗うような戦い”とは打って変わって”日常に潜む狂気”を描いており、ファンの中では人気が高いです。キャラクターも個性的。杜王町に潜む殺人鬼、吉良吉影がヤバい。
仗助はジョセフの息子だからか結構ヤンチャです。リーゼントの不良だけど、歴代ジョジョの中ではジョナサンに次ぐ優しさの持ち主だと思います。
 

そして、第五部黄金の風』。主人公は(ジョナサンの体を持った)ディオの息子、ジョルノ・ジョバァーナ
舞台は2001年のイタリア。ギャングの抗争を描いた章。シリーズの中でもあまり話は繋がっておらず、番外編っぽい感じ。だが、一番ジョジョ感が強く、濃い感じがします。
ディオの息子のせいか、主人公ジョルノは冷酷で計算高いです。
この第五部はおそらく映画からの影響なのか、台詞が全部字幕っぽいのです。
そのオペラみたいなワザとらしい台詞がすごくかっこいいのです。
好きなバトルはミスタvsギアッチョ。自分の撃った弾丸が全て跳ね返されて自分に返って来てボロボロになりながらも、打ち続けるミスタの姿がかっこいいです。
好きな台詞は「『覚悟』とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く事だッ!」です。
ギャングの内部抗争らしくほとんどのキャラクターが死にます。
この第五部でなんだか作者が成長したように感じました。
今までは、彼なりの美学を物語の中に刷り込んでいたのですが、この第五部はこの物語がもう美学になっている感じがしました。描写の仕方も洗練された気がします。
シリーズ通して変化していった絵のタッチもここで一回完成されたような気がします。
一番好きなシリーズかもしれません。
 

次の第六部は『ストーンオーシャン』主人公は承太郎の”娘”、空条徐倫(ジョリーン)。
ジョジョ初の女性主人公です。無実の罪で投獄された女ジョリーン、それにはディオの忠実な下部、プッチ神父の複雑な陰謀が関係していた。
今までのジョジョの中でも一番話が複雑です。そして、スタンドの能力もより複雑な能力になり、理解するのに時間がかかりました。
今まで物語に深く関わっていたスタンド能力を引き出す道具『弓と矢』はあまり出てこず、新たに『DISC』というものが出てきます。
一応ジョジョの完結編として描かれています。もう最終的には世界が終わります。
世界が終わって、別の世界(パラレルワールド)が始まります。これは次の第七部への複線でもあります。
今までジョジョのキャラクター達は洋楽バンドやアーティストにまつわる名前がよく使われていましたが、今回はファッションデザイナーの名前がモチーフになっています。
 

第七部は『STEEL BALL RUN』。パラレルワールドに突入です。
舞台は19世紀末のアメリカ、所謂ウェスタン、西部劇です。前代未聞のアメリカ大陸横断レース(スティールボールランレース)にて、アメリカ大統領(架空)の陰謀と主人公の成長を描いた章。
主人公はジョニィ(ジョナサン)・ジョースター。第一部の主人公と同姓同名で、貴族の生まれですが、別人です。
馬の一流騎手として名を馳せるが、そのせいで高慢な性格となり、そのことが禍し、トラブルを起こし、下半身不随の体になる。そして自暴自棄な生活を送っていたジョニィだが、スティールボールランレースのスタート会場で、偶然ジャイロ・ツェペリという男と出くわす。そのツェペリが持つ鉄球回転エネルギーにより、偶然わずかに足が動く。それに生きる力を見出し、レースに参加する。
スティールボールランの世界では同じ名前の人物や同じような設定が出てきます。
過去六部までの世界とは、似て非なる世界観を持っています。
あのディオも出てきます。
波紋エネルギーは回転エネルギーとして登場し、スタンドも登場します。
黄金比』など新たなキーワードも。
第六部までのスタンドはStand by me(そばにいる者)という意味から来ているのですが、
この第七部のスタンドはStand up to(立ち向かう者)という意味とされています。
この章から連載が、週刊少年ジャンプから月刊ウルトラジャンプに移動しました。
そして、この章で、作者がまた成長したように感じます。
絵のタッチもデッサン調の渋いものに。
個人的に、この章は第五部よりも好きってぐらい好きです。
 

そして現在連載されている第八部ジョジョリオン』は杜王町のパラレルワールド。
まだ始まったばかりで話が読めないが、期待してしまいます。
今までの作品で一番コミカルな要素が多い気がします。あと女の子が可愛いです。
東日本大震災の夜に、まるで海から来る何かを守る様に突如地面が隆起して出現した壁、通称『壁の目』付近に全裸で倒れていた記憶喪失の青年が主人公です。
 
 
かなり長く書いてしまいましたが、
ジョジョの25周年記念で、ジョジョ展が開かれました。僕はスケジュールが組めなくて行けませんでした・・・
あと、アニメが放送されています。
来年にはPS3で歴代のキャラクターたちが集うオールスターバトルなるゲームも発売される予定です。


ジョジョは僕に、夢と希望とそして勇気を与えてくれる漫画です。
そうなんです、ジョジョは王道少年漫画なのです。

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