40年の時を超え、伝説のパフォーマンスが今蘇る『QUEEN: LIVE AT THE RAINBOW ’74』

9月 29th, 2014 by admin | Permalink

写真集買取 名古屋

9/10に発売されたクイーンのライブアルバム、『LIVE AT THE RAINBOW ’74』をついに買いました。
僕が買ったのは通常盤CD。
他にもDVD、BD、それらを含めたボックスセットなど、様々なラインナップがあります。

発売前からYouTubeのトレイラーを見てすでに分かっていたことですが、素晴らしいです。
素晴らしい、それしか言葉が見つかりません。

クイーンの正式音源として発売されているライブ盤は、中期と、後期に1枚ずつのみで、初期のライブ盤はありませんでした。

それらのライブ盤を含め、クイーンのアルバムは全部聞いたことはありますが、クイーンはやはりスタジオ盤の方が断然良いと思っていました。
当時クイーン自身もライブ向けの曲が少なくてライブが苦手だったと懐古していましたし、クイーンの魅力といえばライブでは再現不可能なほど多重録音に多重録音を重ねた「作品」としてのその完成度です。

クイーンといえば、最近の人たちの中では『I was born to love you』のイメージが強くスタジアム級ロックバンドという認識で通っていると思います。
またこの当時でもクイーンは軟弱なインテリバンドみたいなイメージがあり、ファン層もロックファンというよりは女の子人気の高いアイドルバンド的な扱いをされていたそうです。
当時、少年だった父親はクイーンを初めて聞いた時「すごいバンドだ!」と驚いたが、レッドツェッペリンやディープパープルなど硬派なハードロックが人気だった周りには、クイーンが好きだなんてとても恥ずかしくて言えなかったと言っていました。
本国イギリスでもハードロック崩れのグラムロックムーブメントの残党の小便ロックとこき下ろされるようなバンドでした。
(僕がクイーンファンとしての主観ではなく、客観的な目でフラットに見ても、どうしてそこまで言われたのかはよく分からないが)
とにかくクイーンは中途半端でパワーの弱いロックバンドだと思われていたのです。

確かにクイーンはお世辞にもワイルドでクールなロックバンドだとは言えません。それとはまさに対極のインテリ集団です。
ボーカルのフレディマーキュリーは、美術学校でデザインを学んだアーティスト。
ギターのブライアンメイは、天文学を研究して後に天文物理学博士号を取得し天文学の著書を出版。
ドラムのロジャーテイラーは、大学で生物学を専攻し、最終的には学科の理学士号を取得。
ベースのジョンディーコンは、電子系の大学を卒業しており機械関係のスペシャリストでバンドの機材を自作するほどの知識と腕を持っています。

クイーンがこき下ろされていたのは、もしかしたらこういった輝かしい功績を持ったインテリたちがロックをやってみた的なニュアンスで評価されていたのかもしれません。
いや、でもデビュー当時はこんな情報はそんなに出回っていないはずだな…
それを抜きにしても彼らにはそういうインテリ集団的な雰囲気が強かったのでしょう。

確かにそうかもしれません。
ロックバンドとはやはりアウトローなイメージがあるので、軟弱に見えることでしょう。

しかし、今回のこのライブアットザレインボー’74を聞いてその意識は変わりました。

ライブよりスタジオ録音アルバムのが良い?
インテリ野郎にロックは出来ない?
全くそんなことはないじゃあないか!
むしろライブのがかっこいい!
ズバ抜けた演奏力、センス溢れるアレンジ、そして圧倒的なパワー。

そう、クイーンは、グラムロック崩れでも、軟弱なインテリ集団でもないのです。
列記としたハードロックバンドなのです。

この音源がリアルタイムの74年に発売されていたらクイーンの評価は違ったものになっていたことでしょう。
父親も胸を張って「クイーンはすごいバンドだ!」と言えたことでしょう。

クイーンといえばやはりフレディマーキュリーの圧倒的な歌唱力が印象的ですが、このアルバムでも勿論その歌はいかんなく発揮されています。
このアルバムを聞いてつくづく思ったのですが、フレディマーキュリーとは本当に不思議な人です。
繊細だけどパワーがあり、耽美系だけどゴリラ。
彼の歌声も、決して変わった声ではないのですが、珍しい声です。
女性歌手のように美声なのだけど圧倒的なパワーがあるのです。
圧倒的なパワーがある女性ボーカリストはいますが、女性っぽい歌声でパワーを出せる男性ボーカルはなかなかいません。
また彼がカリスマ的なロックスターであるもう一つの要因はその顔だと思います。
後期は有名な短髪に口髭ルックでその口髭のインパクトにより分かりづらいですが、彼の顔は独特なのです。
それは彼の生い立ちが特殊なことに由来します。
彼はイギリス人ですが、生まれはアフリカのザンジバル。そして育ちはインド。彼がイギリスに来たのは17歳の頃です。
彼はペルシャ系インドの家系なのです。
つり目の大きな目に、細く高い鼻、頬骨とエラが張った骨格…まさにベルサイユのばらの登場人物のような顔立ちなのです。
この辺も日本の女の子たちの間で爆発的な人気を誇った要因の一つだと思います。

そんなフレディの魅力もいっぱいですが、今回特に驚いたのは楽器隊の音です。

ブライアンメイのギターの凄まじさたるや、凄すぎて笑ってしまうほどです。
後のメタルやオルタナやグランジなんて彼がもうこの時点でやっているではないかと思ってしまうほどです。
まずテクニックがすごい。これほスタジオ盤でも勿論分かっていたことですが、スタジオ盤は多重録音でどうやって弾いているのかが分かりづらい部分がありました。
しかし、このライブ盤では当然音は重ねられないので一本で弾いているのですが、こうやって弾いていたのか!という驚きの連続でした。
そして、音がすごい。
これは現代のリマスター技術に感謝する部分が多いですが、音圧がすごいのです。ギター音がデカイデカイ。
津軽三味線に影響を受けたと言われている独特のじょんがらギターはまるで機関車のようです。

次に、ドラムもすごいのです。
僕はもともとロジャーテイラーのドラムプレイが好きでした。
あの8ビートでスネアを叩く時にハイハットを少し開く感じとか、ドコドコ言うタムロールとか、よく跳ねるスネアとか、聞いててすごい気持ち良いのです。
このドラムもリマスター技術により、よりクリアに聞こえ、それによってよりパワーを感じるのです。

最後に、コーラスが素晴らしい。
ブライアンメイもロジャーテイラーも歌が上手いとは思ってましたが、ここまで歌唱力があるとは…

特にロジャーテイラー。
彼は基本的にドラムにしておくには勿体無いと思っちゃうほどの逸材です。
歌が上手すぎるのです。ロッドスチュアートと形容されるほどです。
顔も一番かっこよく、バンドを初めて髪を伸ばしてからは女とよく間違われたそうです。

スタジオ盤でも聖歌隊で鍛えられたという彼のコーラスはいかんなく発揮されており、地声からして比較的高くて4オクターブを出せるというフレディがボーカルのバンドなのに、高音はロジャーテイラーの担当です。
またブライアンも高い美声なので、フレディが低音を担当することが多いです。

歌声は美声のフレディとは対照的なワイルドなハスキーボイス。
これがすごく映えるのです。
フレディは元々喉が強い方ではなく、ライブでも喉を潰さないために低く歌ったりします。
そこでロジャーが活躍するのです。
ロジャーは喉が強いのか、スタジオ盤通りの高いキーで、金属ボイスで叫びまくります。
コーラスがクイーンサウンドの特徴の一つでもあると同時に、ライブでは再現し切れない部分が多いと思っていましたが、ここまでやれていたとは驚きました。

長くなってきたのでそろそろまとめに入りますが、今回ほどリマスター技術に感謝したのは初めてです。
そして、40年という長い時間こんな完成度の高いライブ音源を隠してきたクイーンに驚きました。
なるほど、リマスター技術が追いつくのを待っていたのか。

個人的にはクイーンIIに収録されている『フェアリーフェラーの神技』や、シアーハートアタック収録の『フリックオブザリスト』など、後々ライブでやることは無かった隠れた名曲が聞けたのが嬉しかったです。

2014年古書の日イベントまとめ 古本屋開業講座各地で開催

9月 23rd, 2014 by admin | Permalink

写真集買取 名古屋

全国古書籍商組合連合会(全古書連)が2003(平成15)年に制定。

「古」の字を分解して「十」「口」とし、これを組あわせた「田」を4冊の本に見立てて10月4日を記念日としました。

 

古本業界にいる私としても、かなり強引と思わざるを得ない日にち設定ではありますが、読書の秋でもあり、10月は各地で古書の日、古書月間にあわせた楽しい催し物が開催され、楽しみです。

今年2014年の古書の日、古書月間のイベントをまとめました。

 

 

【東京】 古本屋になるには講座 古本屋になろう!2014

●2014年10月5日 (日曜日)

●東京古書会館

●8月に「古本屋になろう!」という本を出した吉祥寺の古本屋よみた屋さんをメイン講師にした講演。

●事前申し込み必要 基本無料

東京古書組合ホームページ案内

 

【大阪】新古本屋大学講座実践編 古本屋になりまへんか?!講座

●2014年10月19日(日曜日)

●大阪古書会館

●昨年に続いて更に突っ込んだ古本屋になる為の講座

●事前申込み必要 無料

大阪古書組合ホームページ案内

 

【石川県】本供養

●2014年10月28日29日

●金沢神社境内

●ご家庭で長年愛されてきた本を供養したあと、専門業者によりセリを開催。売上金はユネスコに寄託。

石川県古書組合ホームページ案内

 

 

福山雅治シチズン×ガリレオコラボレーション腕時計高価買取

9月 22nd, 2014 by admin | Permalink

写真集買取 名古屋

エーブックスタッフの水野です。

福山雅治が出演していた大ヒットドラマ『ガリレオ』とCITIZENがコラボレーションした腕時計があるのはご存知ですか?
こちらは2007年11月8日に、5000本限定で発売された大変レアな腕時計です。
2007年の秋から始まったシチズンと福山雅治とのコラボレーション企画の一つとして開発されたもので、この腕時計には様々なこだわりがあるようです。
以下、シチズン公式サイトより抜粋。

1.品のあるゴールドケースは、物理学科准教授のかもし出す品格とジャストフィット。
2.知性を感じさせるフェイスは、レッド・ブラック・ゴールドでデザインされたコンビネーションが秀逸。
3.ストラップは、レッドカーフを使用し、品と知性を感じさせながらも遊び心を忘れない抜群のバランス。
4.エコ・ドライブ電波時計なので、いつでも時間は正確。
5.裏ぶたには、オリジナルのガリレオ・ロゴが刻印。
 
 

エーブックでは、この福山雅治の腕時計『シチズン ガリレオ・エディション』を高価買取しています。
お持ちで、整理、処分を考えていらっしゃる方は、お気楽にお問い合わせください。
電話 0120-54-7584

 
 
福山雅治といえば僕が最初に知ったのはドラマ『ひとつ屋根の下』でした。
といってもこのドラマが放送されていたのは僕がまだ4歳の頃、2でも小学二年でしたので、ドラマ自体の記憶は全然なく、福山雅治といえば『ひとつ屋根の下』に出演していた”俳優”と認識していただけです。
そう、僕は福山雅治のことを俳優だと思っていたのです。
勿論、彼は俳優であることには変わりないのですが、福山雅治の本業は俳優で、音楽活動は俳優活動のかたわらでやっているのだと思っていたのです。

福山雅治がミュージシャンだと知ったのは、僕が中学生の頃に見ていたドラマ『ウォーターボーイズ』で彼がエンディングテーマを歌っていたからです。
僕が「福山雅治は俳優だけど歌上手いな~」と言ったら、母親から「福山雅治は元々歌手だよ・・・」とツッコまれたのがきっかけです。
 

 
それにしてもこのウォーターボーイズのエンディング曲だった『虹』は本当に名曲です。
中学生ながら「今僕は行くのさ、イメージの向こう側へ」という歌詞にすごく惹かれた記憶があります。
そして、Cメロの美しさ。特にCメロ二回目のファルセット(裏声)のコーラスで歌われるところが最高に美しいです。
何ともロマンチックで美しく、そして力強いエネルギーに満ち溢れた曲だと思います。
 
そしてやはり福山雅治は曲が良い、顔がカッコいいのは勿論、何といっても声が良いですね。
太く低い声で、セクシーな歌い方、女性ファンが多いはずです。
 
僕はボーカリストで一番重要なのは演技力だと思います。
いかに正確な音程で歌えるか、いかに幅広い音域が出せるか、いかに大きな声が出せるのか、それは確かにボーカリストには大事なことでしょう。
しかし、僕はそれよりも演技力が大切だと思うのです。
僕はバンドをやっていて、いろいろなアマチュアボーカリストを見ますが、よく通る声で音程を外さずに歌える人はけっこういます。歌うまいな~と思いますし、そうとしか良いようがないのです。
勿論それは大変良いことだとは思いますが、果たしてそれがボーカリストとして魅力的かどうかはまた別の話でしょう。
歌を歌うということは演技だと思います。
演技と言う言葉が果たして的確かどうかは分かりませんが、いかにその歌に入り込めるか、が重要なのです。
よく何かのモノマネから始めると歌が上手くなると言います。
その好きな、憧れているボーカリストの真似から始めるのです。そうすると、上手くなるそうです。
それはただ単にその人の真似だけしていれば良い、というわけではないんだと思います。
僕が勝手にこう解釈しているだけかもしれませんが、そうやって人になりきって歌っているうちに演技力が身につくのだと思います。
そうすると、どうやって歌に入り込んで、どうやって感情を表現したら良いのかが分かるようになるのでしょう。
 

 
優れたボーカリストとは優れた俳優なのだと思います。
勿論、福山雅治もその一人です。
僕が彼を俳優だと思っていたのは、それほど彼が優れたボーカリストだったからです。
(・・・というのはちょっとこじ付けかな)

BUMP OF CHICKEN ホームスター 200台限定 家庭用プラネタリウム高価買取

9月 15th, 2014 by admin | Permalink

写真集買取 名古屋

エーブックスタッフの水野です。

ネットショップで本やCD、DVD、ゲームソフトなどを見ていると、今まで店頭で見ることが出来なかったようなレアなものを発見したりします。
そういうものには大抵プレミア価格がついていたりします。

その中でも驚いたのがBUMP OF CHICKENのグッズであるHOMESTAR。
ホームスターとは、出来る限り本物に近い満天の星空を、家庭で楽しめることを目指したものです。

2005年7月20日に、200台限定で作られたBUMP OF CHICKENホームスター家庭用プラネタリウム。
懸賞だったり、プレゼント企画などで80台、販売されたのは完全予約制で120台です。
シングル『プラネタリウム』の発売に合わせてタワーレコード渋谷店で発売されました。
価格は税込20790円。
決して安いとは言えない、むしろむちゃくちゃ高い(そもそもホームスターの価格の相場自体が一万円前後なので相当な価格なのだが)、しかし、あのバンプオブチキンのグッズですし、限定120台というその貴重さと話題性で、スグに予約が埋まり完売したようです。
オークションでも滅多に出品されることはなく、大変貴重な商品です。

エーブックでは、このバンプ・オブ・チキンの特製ホームスターを高価買取しています。
お持ちで、整理、処分を考えていらっしゃる方は、お気楽にお問い合わせください。

電話 0120-54-7584

 

BUMP OF CHICKENといえば『天体観測』が同名のドラマの主題歌として起用され、それによりブレイクしたイメージがあります。
この天体観測は現時点でもバンプオブチキンの中では最大のヒット曲のようです。
僕はその当時中学生で、周りで聞いている人は少なかったと思います。
その頃に僕が組んでいたバンドのボーカルがそのバンプオブチキンの大ファンでしたが、なんかマニアックなもの聞いているな~といった印象でした。
しかし、高校に上がる頃には、バンプオブチキンを嫌いな人がいないというほど人気で、軽音楽部がやる曲の定番でした。
70年代のロックが大好きだった僕は、その良さを理解することが出来ませんでした。
天邪鬼だった僕は、むしろその人気っぷりに嫌悪感を抱いたくらいでした。

それから約10年経った僕のバンプオブチキンの印象はハッキリと変わりました。
どうしてこれがヒットし、どうしてこんなに凄まじい影響力を持っているのか、何となく理由が分かったのです。
とりあえず、バンプオブチキンは、2000年代以降の日本のロック史を代表するバンドだと思います。
それはただ人気があるからだという単純な理由ではありません。

ミステリアスだけどお茶目なキャラクターのボーカル藤原基央はカリスマ性を持っており、アイドル的な要素があります。
近頃、塩顔ブームというすごく薄い顔が人気があり、その例としてたびたび挙げられたりすることから凄まじい女性人気があります。
また彼の中には一つの世界があり、なんというのでしょうか、バンプオブチキンの曲はその断片のように感じられるのです。
決して薄っぺらではなく、言葉には意志があり、曲に深みがあり、凄まじいパワーがあるのです。

バンド名「Bump of chicken」は「弱者の反撃」という意味が込められています。
すごく繊細なのにパワーがあるサウンドにピッタリな名前だと思います。

元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎は「今と昔とではバンドをやる人間のタイプが違う」というようなことを言いました。
昔はクラスで一番ヤンチャで一番ヤバいヤツがやるのがロックバンドでした。
しかし現代では、クラスで一番普通だったり、地味だったり、暗いヤツがやるのがロックバンドです。
僕はこれにはすごく共感しています。たしかにそうなのです。
クラスで一番ヤンチャなヤツはロックバンドなんてやりません、ロックバンドをやらなくとも自分を表現する術があるのです。
一番大人しい人間がロックバンドをやるのは、それでしか自分を表現することが出来ないからなのでしょう。
このバンプオブチキンはそういう少年たちにとっては、まさに夜空に輝く星のように希望となったのです。
バンプオブチキンの曲には希望で満ち溢れています。正しい道を進もうとする前向きな意志が感じられるのです。

そして何より、カッコいいのです。
僕は18,9の頃からオルタナティブロックを聴き始めました。
Nirvanaから始まり、Sonic YouthやPlaceboやRadiohead、最近ですとBlonde Redheadが好きです。
それから色んな音楽を聞き、ある日ふと妹が聞いていたBUMP OF CHICKENの曲が耳に入り、あることに気付いたのです。
この音作りはオルタナティブロックだ、と。
彼らはJPOPではなく、オルタナティブロックなんだと気付いたのです。
天体観測のイントロなんて特にオルタナティブロックだと思います。
不思議なハーモニーがあり、ギター音の洪水になっています。

またストーリー性のある独特な歌詞を作る彼が「オウイェーー!アアー!」と叫ぶのが最高です。
そういう世界観を構築し歌詞に起こす能力に長けている彼にしても、言葉に出来ないような感情があって、それが制御できずに爆発するというエモーショナルな部分がすごく良いのです。

バンプオブチキンのヒット以降、星の数ほど似たようなバンドが生まれました。
またそのビッグバンが大きければ大きいほど当然根強いファンも多く、バンプオブチキンしか聞かない、バンプオブチキンしか知らない、バンプオブチキンからしか影響を受けていない、そんな人で溢れました。
それはよくオリジナルが生み出す功罪の大きさだとか言われたりしますが、それほど影響力が強く、偉大なのだと思います。

巧みな構成と切ない話、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の三作

9月 8th, 2014 by admin | Permalink

写真集買取 名古屋

近所のGEOが旧作レンタル50円セールをやっており、近頃を見ていない日々が続いていたので、この機会にと思い、ドンっと借りてきました。
 
まず見たのが、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の映画です。
イニャリトゥ監督の初監督作品であり、ガエル・ガルシア・ベルナル主演(ちなみに彼も初主演)の映画『Amores Perros』。
長編二作目でショーン・ペン主演の『21Grams』。
そして、2006年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した『Babel』。
今回見たのはこの三本です。というよりこの三本しかGEOに置いてませんでした。

三本とも群像劇であり、一つの映画につき、主に三人の主人公がいます。
最初は全く関係ない三つの話がやがて交差していきます。
 
 

最初に見たのが『アモーレス・ペロス』。
アモーレス・ペロスとはスペイン語で「犬のような愛」という意味だそうです。
アモーレス・ペロスは盲目的な愛を抱いている三人が主役です。
メキシコが舞台で、それぞれ三人が貧困層の若者オクタビオ、富裕層の大人バレリア、貧困層の老人エル・チーボと、それぞれの生活観が垣間見れるのも興味深かったです。
おそらく監督がこの映画のテーマとしたのが「思いやりの欠如」だと思います。
始まりは相手を想っての行動だったり気持ちだったのが、行き過ぎると最終的に自分の為でしかなくなってゆき、相手を傷つけてしまいます。
僕はこの映画で一番好きなストーリーはオクタビオの話です。
オクタビオは真っ直ぐで正義感が強い青年なのですが、この真っ直ぐな純粋さ、言い換えれば子どもっぽさが不幸なことにマイナスの効果をもたらしている。
なんというか彼は真っ直ぐすぎて、自分が間違っているとも思っていないのです。
それがガエル・ガルシア・ベルナルにすごくよくハマっていて、良かったです。
若い青年オクタビオは最後まで「相手のために尽くしている」というエゴを掲げ、それこそ何故自分がフラれたのか分かっていないままなのです。
またそれぞれのストーリーに犬が登場し、それぞれ間違った愛情表現をする主人公たちでも、犬だけは大切に思っており、愛しているのが何だか切ないです。
 
 

次に見たのが『バベル』。
当時新人であった菊地凛子と、日本を代表する俳優の一人である役所広司が出ており、日本でも話題になりました。
モロッコ、メキシコ、日本の三つの舞台で三人の主人公がいます。
モロッコ編は、モロッコに旅行へ来たリチャード・ジョーンズ(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)の中年夫婦が巻き込まれる銃撃事件。
メキシコ編は、そのジョーンズ夫婦の子どものベビーシッターとして雇われているメキシコ人の家政婦アメリア(アドリアナ・バラッザ)が夫婦の留守番中に彼らの子どもたちを巻き込んでしまった最悪の事態。
東京編は、ろう者の女子高生、綿谷チエコ(菊地凛子)が感じる孤独感と疎外感、それに不器用ながらも支えようとする父、綿谷ヤスジロウ(役所広司)。
この映画のタイトル『バベル』は旧約聖書に出てくる「バベルの搭」から取られたといわれています。
バベルの塔とは、人間が天まで届くバベルの搭を建てようとしたが、それを快く思わなかった神が、人々の話す言葉を別々の言語に変え、その結果人々は統制がとれず、人間は世界中にバラバラに散っていった、という話。
この映画『バベル』は言葉や心が通じないという世界で起こった事件がテーマとなっているようです。
僕はこの映画もアモーレス・ロペスと同じように「思いやりの欠如」がテーマなのかと思いましたが、自分の中では「思いやりの欠如」から生まれた「愚かな選択」が感じられました。
少しの不安は残しながらも「大丈夫だろう」という気持ちで選択したものが、最悪の事態になってしまうのです。
ただ、そういうテーマとして見ると東京編だけはちょっと独立したもののように感じられました。
この映画は見る人が何人かによっても見方が変わるのかもしれません。
 
 

そして、最後に見たのが『21グラム』。
実はこの三本の中で一番期待していなかったのですが、一番面白いと思いました。
一つの心臓を巡る、複雑な人間模様。
21グラムとは、魂の重量といわれています。
ベニチオ・デル・トロが最高です。
ベニチオ・デル・トロの役どころは、昔は刑務所を頻繁に出入りする輩だったが、現在は更生し敬虔なキリスト教信者となった中年です。
映画の冒頭で、彼が不良の青年にジェンガをやりながら説教するシーンがあるのですが、そこで言う「よく考えて選択しろ」という言葉がすごく印象的でした。
しかし、不良青年は誤った選択をし、ジェンガを崩してしまいます。
このシーンのデルトロがすごい怖く、いきなり印象的でした。
この映画にはデルトロが怖いシーンが多いです。
また、この映画では、結末が一つの三つのストーリーを、時系列がバラバラになって構成されています。
この構成が本当に上手いのです。
「このシーンさっきからちょいちょい挟んでくるけど何なんだ?」
「ん?さっきまでモジャモジャだったヒゲが無いからこのシーンは多分違う時期の話だ」
など、見ている最中は意味が分からないのですが、だんだんと一つずつ理解が出来ていき、それも物語が進めば進むほどその理解するスピードが加速してゆく。
それもおそらく狙ってそう構成されていて、見ている側としては最高に興奮するのです。
何というのでしょうか、例えばぐちゃぐちゃに絡まった三本の糸があって、最初は全然絡まってどこをどう引っ張ればほどけてゆくのかも分からない状態で、とにかく夢中になっていると、だんだんとほどけてゆき、最後の方はどんどんどんどん手に従ってスルスルとほどけてゆくのです。

『アモーレス・ペロス』『21グラム』『バベル』、三本とも面白かったです。
それぞれの話を単体で見たとしても十分に切ないストーリーなのですが、それが複雑に絡み合っており、それを巧みな構成によって展開されます。
単なる視覚的な刺激ではなく、話作り、構成力としての「見せ方」というものをすごく感じました。
 
イニャリトゥ監督の他の映画も見てみたいのですが、レンタルしているのかな・・・

最近の投稿

出張買取エリア