Archive for the おも本紹介 Category

【おも本紹介】魔犬五郎は時速300キロで走りました。

木曜日, 8月 22nd, 2013 | Permalink


1963年、警視庁は世にも素晴らしい魔犬を開発していた。

というのは漫画のお話。

魔犬五郎 扉絵

少年キングに連載されていた笹川ひろし作「魔犬五郎」のことです。
こちらが魔犬五郎のメカの秘密。

魔犬五郎 メカの仕組み

速度は時速300キロ。夢の超特急より早く、
チカラは大型戦車にも劣らず、
ジャンプは50メートルは軽く、
目はサーチライトのごとく光り、
鋼鉄をもとかす二千度のむらさき色の火をふきだし、
耳はレーダーのごとく遠方のかすかな音もききわけ、
鼻はどんなにおいもでもかきわける、
そして魔犬のキバは銃やナイフなど軽くかみくだく、
足の爪は岩でもくだいてしまうのだ
もちろんマシンガンの弾丸などびくともしない

魔犬五郎のワザ

そうです。

体内にはトランジスタテレビ送受信機、うそ発見器なども。
でも、音を録音するのはテープレコーダーというところが、昭和30年代という感じですね。

少年キング1963年4号

【おも本紹介】オバケのQ太郎第一話!頭に毛が8本?!少年サンデー1964年6号

水曜日, 8月 21st, 2013 | Permalink


オバケのQ太郎はご存知と思いますが、飼い主?である正ちゃんこと大原正太との出会いはご存知でしょうか?

オバケのQ太郎の第一回の連載は週刊少年サンデー1964年2月2日号。

少年サンデー1964年6号

友達と竹やぶで忍者遊びをしていた正ちゃんが大きな卵を発見。
割ってみたところ、中から出てきたのがオバケのQ太郎だったというのです。

オバケのQ太郎第一回

まだ生まれたてのQ太郎はキャラが定まっておらず、頭に毛が8本。
コマによっては10本以上もある時もあり、そこから薄くなって3本になったようです。

忍者遊びで、Q太郎は大活躍。
正ちゃんの消える術などを使って正ちゃんを手伝います。
ハチャメチャな活躍に正ちゃんは困り顔でしたが、これで打ち解け、家に住み込むことになったのでしょうか。
第一回ではそこまで描かれていません。

しかし、驚いたのはこの時のオバケのQ太郎は藤子不二雄とスタジオゼロが作者となっており、当時のスタジオゼロには赤塚不二夫や石森章太郎がいて、彼らも作品作りに参加していたこと。

背景は赤塚不二夫、キャラを石森章太郎が描いていたという話もあります。

オバQことオバケのQ太郎という少し不思議な名前は、たまたま藤子不二雄がスタジオゼロの事務所に通うのに小田急を利用していたからだそうで、オダキュー、オバキューになったとか。
ただし、安部公房の小説にQが出てきて、かわいいから採用したという話もあり、どれが真実かはわかりません。

藤子不二雄は実は別々の作品作りをしていて、合作となったのはこのオバケのQ太郎が最後だとのこと。

ちなみに私も1964年生まれ。
オバケのQ太郎は2月、私は5月なので、同じ年だけど学年はひとつ上ってことになるようです(笑)

週刊少年サンデー1964年3/15号 6話目となるオバQはこちら。

オバQ髪の毛4本

オバケのQ太郎はこの当時人気がなく、しばらくして打ち切りになったとか。
そんな苦労もあったのか、オバケのQ太郎の頭は髪の毛4本に減毛しています。

初期の飛行スタイルはこちら。
足がなく、オバケっぽい飛び方になっていますね。

オバケのQ太郎初期の飛び方

1965年になると現在と同じ、飛ぶ時も足が出ていて、正ちゃんを乗せています。
あっ、髪の毛も3本になっていますね。

オバケのQ太郎1965年飛行スタイル

【おも本紹介】昭和3年アサヒグラフ 時計にはオメガを選べ

火曜日, 10月 9th, 2012 | Permalink


先日入荷した戦前のアサヒグラフを見ていたところ、裏表紙の広告が気になりました。
時計のオメガの広告です。

興味深いのでそのまま記しておきます。

砂漠の旅には水瓶を選べ 時計にはオメガを選べ

砂漠の旅行には一身の安全に関する支度に注意せねばなりません。
砂漠の旅にもまして多難な且つ一層長い人生の旅には正確な時計が重大の関係を有して居ります。
時計はオメガをお選びください。他の時計を持つよりずっと安心して波風の荒い人生の旅を進むことができます。
オメガ時計は美麗で精密です。その優秀な意匠、時間の確実、永く持ってるので従って経済的なことにおいてこの右に出づるものはありません。

中々、そそられる文章と図版です。
一生持てる時計こそが経済的とは恐れ入りました。

買取する古本屋エーブックは今日も元気に出張買取中です。

【おも本紹介】時局下婦人こそ最もよくラヂオを利用せねばならぬ

水曜日, 9月 5th, 2012 | Permalink


昭和16年に発行の冊子です。
発行人は日本放送協会、NHK。

市販されていたというよりも、家庭に配布されたものなのでしょうか。
切々と、家庭にラヂオを置き、聞くことを進めています。
国策として、ラヂオにより、国民の士気を高めようという意図があったのかもしれません。

1ページ目にはこんな文章からはじまります。
ラヂオは婦人生活の最良の師、最良の友です。
この一冊を読まれれば現在の日本のラヂオの世界のラヂオと婦人とラヂオの国家的な使命と、そして貴女の家庭と生活とラヂオとがどんなに深い関係を持っているか非常にはっきりと解ります。

途中にはこんなことも
ラヂオは家庭を明るくする婦人生活の唯一の友です。そしてまたと得難い偉大な指導者です。
なんか、北朝鮮のテレビで言ってそうなことに思えてきますね。

そして後半になると、
ラヂオは世界新秩序建設戦に火花を散らす国際宣伝戦の最新武器です。
婦人らラヂオの世界的大使命を深く銘記しなければなりません。

最後には、
我國のラヂオ聴取料は世界稀にみる低廉です。加入手続きは驚くほど簡単です。聴取許可料は全然いらないのです。
と、なり、
ラヂオの受信機をつける費用は大したことはありません。
で、ラヂオ本体の宣伝が書いてあります。

なんか、長々とセールスレターを読まされた気分にもなります。
改めて表紙の絵を見てみますと、母娘と思われる女性が二人、左側を見ています。
何が見えているのかと、考えると楽しくなってきます。

買取する古本屋エーブックは今日も元気に出張買取中です。

古書、戦前本、古文書出張買取します。横田順彌「古書狩り」読了。

日曜日, 7月 8th, 2012 | Permalink


古本の市場には様々なジャンルの本が出品されています。
アダルト、コミック、小説、実用書、写真集、雑誌、辞典、図録、全集などなど。
ジャンルごとにまとめてひとつの商品となっている方が買う方も買いやすいので、そうなっているのが普通です。
小説と一口にいってもミステリーもあれば児童文学もあります、時代も色々ですので、いかに細かく分類してくるかが出品者の仕事であり、腕の見せ所でもあります。
もろちん、お客様から買取させて頂いたまま出品すると自ずとジャンルはまとまっているものです。

さて、ジャンルといえるかどうかわかりませんが、古本の市場でよく出ていて人気があるのが、古本・古書の研究や古書店について書かれたものです。
考えたら、私達のお客さんは古書が好きな方たちですので、そういった本が人気なのは当たり前ですし、私達古本屋からしても勉強になるので人気です。

先日もそんな口を3つ落札し、読んでいます。
その内の一冊が、横田順彌著の「古書狩り」。
てっきり、横田順彌がどんな古書を集めてきたかというエッセイかと思っていたのですが、小説。それも横田順彌といえばSF作家です。
収録されている9つの短編の最初で、いきなり古書好きが乗じて殺人が起きます。
かと思えば、奥付の検印紙にまつわるドラマがあったり、古書店店頭で起きたミステリーがあったり。おっと今度はタイムスリップ、パラレルワールド、猟奇殺人事件・・・とやりたい放題でした。
いけませんね。これから読まれる方にネタバレしまくりです。
エンタテイメントとして純粋に楽しめるのですが、更に私のような古本屋からすると、古書店に通う方たちの情熱やドラマがわかるのが何より勉強になります。
神保町界隈にはそういうことを目的に通う方がいるのかぁという感じです。

あらゆるジャンルの本の買取をしています。
明治時代、大正時代、戦前の本も出張買取しています。
戦前のものに関しては、地図やチラシなどでも高い評価をさせて戴くことがありますので、是非、ご相談ください。

買取する古本屋エーブックは今日も元気に出張買取中です。

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