Archive for 8月, 2014

祝20周年!『美少女戦士セーラームーン』のカラフルで不気味な世界観。

月曜日, 8月 25th, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
 
今年、2014年はセーラームーン20周年の年です。
『美少女戦士セーラームーン』は武内直子によるアクション系少女漫画です。
セーラームーンは少女漫画の一つの金字塔であると同時に、日本のアニメのあり方を決定付けた一つのパイオニアだとも思います。
ごく普通の学生が特殊な力で変身して悪と戦う・・・というのは、特に珍しくないありきたりな設定だと思います。
しかし、そこに美少女という設定を持ち込んだのは珍しいと思います。
そういった意味で、美少女戦士モノ、魔法少女モノの先駆け的な作品でもあります。
 
 
僕は世代的には丁度ドンピシャで、二歳年下の妹がいましたから、セーラームーンのアニメは見たことがありました。
僕が幼稚園から小学校に上がる頃は、男子はドラゴンボール、女子はセーラームーン、でした。
男子は他にも幽遊白書やジャングルの王者ターちゃんや忍空などが、少数派ですが人気でした。
その点、女子にはセーラームーンしか無かったのかと思うとその人気は絶大です。
男子がセーラームーンを見るというのは、男ではあるまじき行為でした。
それほどの恥はない、というくらいに恥ずかしかった記憶があります。
しかし、僕はセーラームーンを見ることが出来ました。
その頃の男子は子どもですからセーラームーンを見もせずに女の漫画だと批判していたことでしょうけど、いざ見てみると、当時ドラゴンボールや幽遊白書が好きだった少年たちが批判するような内容では決してありません。
むしろ大好きだと思います。
 
セーラームーンは少女漫画ですけど、少年漫画的な要素が多いと思われます。
まずストーリーの軸が恋愛ではなく、バトルという時点で少年漫画的です。
また、セーラームーンには、それぞれのキャラクターを暗示するシンボルがあります。
例えばセーラームーンは月、セーラーマーズは火星・・・など、それぞれの力のイメージになっているのです。
キャラクターや世界観の相関図からキャラクターを作るのではなく、そういったパワーや能力的にキャラクターを色付けしているのも非常に少年漫画的だと思います。
敵を倒したら、また強い敵がどんどん出てくる、そういう展開もいかにも少年漫画。
こういうの男の子は好きです。強い主人公たちがいて、強い敵がいる。
それだけで男の子は好きなのです。
 
 
また、僕はセーラームーンを見たとき、少し怖いイメージがありました。
雰囲気が暗いのです。
ドラゴンボールのあの明るい世界観ではないのです。
何だかそこには見たこともないような新鮮な世界観があったのです。
今、見てみてもそれは思います。
色がカラフルで視覚的に面白いのです。
この世界観は後にヴィジュアル系に引き継がれたと思います。
ロマンチックで退廃的で、不気味でトランプのような奇妙な世界観。
GACKTがいたマリスミゼルはまるでセーラームーンの悪役です。
 

 
そしてこのセーラームーンのアニメを大ヒットさせた必殺技とも言うべきものがあります。
それは『ムーンライト伝説』と名付けられた主題歌です。
僕はこの曲はベスト・オブ・アニメソングだと思います。
まずタイトルからしてカッコいい。『ムーンライト伝説』。
LEGEND OF MOONLIGHT.いや、LORD OF MOONLIGHT でも良いな。
この世に二つとないオリジナルの言葉が僕は好きです。
ムーンライト伝説というのも既存の言葉ではなく、この曲のために作られた言葉です。
そこがまずカッコいい。
 
タイトルもカッコいいのですから曲も最高にカッコいいです。
まず暗い。ゴーン・・・ゴーン・・・という鐘の音から入り、マイナー調のイントロが入り、次に歌が入るのですが、もうド頭から謝ります。
1番のAメロどのフレーズをとっても語呂が非常に良く、歌いたくなるフレーズです。
特にAメロ二回目の「泣きたくなるようなmoonlight」からBメロまでは、全て韻を踏んでいて最高に心地よいです。
「だって純情、どうしよう、ハートは万華鏡」、すべて「~ow」の韻です。
また演奏もいかにもバブル時代名残りのディスコ風16ビートサウンド。
セーラームーンのオモチャと同じように軽いプラスティックなサウンドが最高です。
重厚なストリングスが重ねられていますが、全くと言っていいほど深みがないのです。
これは悪い意味ではありません。このプラスティック感が最高なのです。
また歌がお世辞にも上手いとは言えないのですが、それ少女感(なんじゃそりゃ)だったり、不安定な情緒だったり、不気味さだったり奇妙さを演出していて最高です。
 
またBメロは泣きのメロディで最高に切ないです。
ベースラインがグルーヴィーで完全にノリが変わります。

また間奏を挟んだ後の二番は、リズムを弾くシンセが強調されていてそのクサさは最高潮です。
 
そして、今この記事を書きながら聞いていて気付きました。
僕が何故この曲が好きなのか。
この曲にはドラムのフィルが多すぎるのです。特にAメロなんて二小節ごとに「ドコドン!」とフィルが入ります。せめて四小節ごとでいいだろ!と思います。
むしろ、Aメロはほぼなしで、Bメロの「何度も/巡り合う」の間のブレイク部分だけにすればもっとドラマティックなブレイクになる気がします。
しかし、そういうことではないのです。
この曲にはそのクサくて過剰なフィルが色付けているのです。
 
 
少々、曲について長々と書きましたが、セーラームーンにはヒットするいろいろな要因があったのです。 
 
それにしても、準主役的な立ち位置を占めることとなる『ちびうさ』に固有の名前を付けなかったのはどうしてだろう?

老若男女、みんなが想像しうるロックとは? Led Zeppelin の Robert Plant

月曜日, 8月 18th, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
8/16,8/17と夏フェスのサマーソニック2014が開催されておりました。
僕の友人も何人か行っていたみたいです。
 
今年の目玉は一体誰だったのでしょうか。
Arctic Monkeys、Robert Plant、Megadeth、Queen+Adam Lambert、Avril Lavigne、Richie Sambora、Kasavian、Pixies、KRAFTWERK・・・などでしょうか。
 
僕が驚いたのはロバート・プラントが来日すること。
ロバート・プラントは、レッド・ツェッペリンのボーカリストです。
レッド・ツェッペリンは、ハードロックのみならずロックを代表するバンドの一つです。
言ってみれば伝説的なシンガーなのです。
彼はレッド・ツェッペリンでデビューした頃、そのあまりにも特徴的なボーカルスタイルに、誰もが驚かされたといわれています。
シャウトです。
シャウトとはそれまでもあったことでしょう。
それは盛り上がった時などに部分的に(効果的に)使う一つのテクニックです。
しかし、彼の場合は違いました。
彼は素のボーカルが既にシャウトなのです。
というよりシャウトしているような声質なのかもしれません。
のっけからシャウト、ずっとシャウトで、終わりもシャウト。
シャウト自体が彼のボーカルスタイルなのです。
そのハイトーンボイスはハードロック、ヘヴィメタルの先駆けです。
勿論、シャウトだけが彼の魅力ではありません。
シャウト以外の部分は、セクシーな感じで女性と聞き間違うような美声です。
 

 
そして何より、ルックスが最強にカッコいい。
ハードロックシンガーを想像してください。そう、それがロバート・プラントです。
では、次にロックミュージシャンを想像してください。
そう!今、頭に浮かんだのがロバート・プラントなのです。
今でこそ激太りしてしまいましたが、当時の彼はロック界でも五本の指に入るほどの男前でしょう。
50年近くあるロックの歴史の中の、数え切れないロックミュージシャンの中での、五本の指です。
肩まで伸びたブロンドのパーマ。
男らしい高く大きな鼻に、唇の薄い今で言うアヒル口。
凛々しい眉毛に、大きくいやらしく垂れた目。
そして岩のように突き抜けた顎。
筋肉質な体格に、胸毛をアピールするかのようにボタンを開け放った柄シャツ。
人間というよりライオン。最高にロック。
ロバート・プラントこそがロック・ミュージシャンの鏡だと言えるでしょう。
 
 
イギリスのロック雑誌(何の雑誌かは忘れました)で、理想のボーカリスト、理想のギタリスト、理想のベーシスト、理想のドラマーを投票してランキングを作るという企画がありました。
様々なミュージシャンの名前が出てくる中、どの部門も上位は全員レッド・ツェッペリンのメンバーだったそうです。
そう、みんなが妄想する理想のバンドは既にこの世に存在しており、それは、レッド・ツェッペリンだったのです。
 
リーダーであり世界三大ギタリストの一人と言われているジミー・ペイジは、決して卓越したテクニックの持ち主ではありません。
彼の良さは、その独創的なギターリフです。
ジミー・ペイジ的としか言いようがなく、他の言葉では形容することの出来ない、ヘンテコでヘヴィで奇妙で美しく、そしてカッコいいギターです。
 
ジョンジーことジョン・ポール・ジョーンズのベースは僕はあまり詳しくは無いですが、まさに影の功労者。
真似できないテクニックに抜群のリズム感の持ち主。そのイメージもクールです。
彼はもともと人前で何かをするということは苦手でステージでもあえてスポットライトの外で演奏していたそうです。
 
そして、ボンゾことジョン・ボーナムのドラムは最高です。
何と言うか独特なのです。最強のパワー。ドコドコ言ってるバスドラ。
彼のドラムはまるでゴジラです。押し寄せてくる圧倒的なパワーが半端ないのです。
そして何より抜群のタイム感、リズム感で入ってくるフィルイン。
僕はドラムのフィルインが大好きです。
ドラムのフィルインこそが曲を盛り上げるといっても過言ではない、そう思ったりします。
中でも彼のフィルインは最高なのです。
 

 
ツェッペリンの面白いところは、ツェッペリン好きな人の中でも、ツェッペリンのベストアルバムを聞くとみんな意見がバラバラになるところです。
僕はフィジカル・グラフィティです。フィジカル・グラフィティは二枚組みアルバムです。
ディスク1は、ハードロック全開のいかにもジミー・ペイジ!って感じのフレーズで溢れておりヘヴィな印象。
ディスク2は、カントリー調の曲やバラードが多く、明るくて聞きやすいです。
僕は特に、ディスク1が最高に好きです。捨て曲が無いのは勿論全部が全部名曲。
しかし、このアルバムのベストソングはディスク2のThe Wanton Songです。
 
そして、ツェッペリンのベストソングは・・・なんでしょう・・・
ジミー・ペイジのギターで言うとBlack Dogか、ジョンジーのベースで言うとImmigrant Songか、ボンゾのドラムで言うとKashmirか、そしてロバート・プラントのボーカルで言うとMisty Mountain Hopか。
 

 
選べません・・・Led Zeppelinはそれほど名曲ぞろいであり、いろいろな魅力があるのです。

その死すらも謎、ロック界一スキャンダラスな男。ドアーズのジム・モリソン

月曜日, 8月 11th, 2014 | Permalink


今年は佐村河内守、小保方晴子、野々村議員、などなど何かとメディアを騒がせるスキャンダラスな人物が多い気がします。
 
ロックミュージックが好きな僕が”スキャンダラス”というワードでまず思い浮かぶのが、ジム・モリソンという人物です。
ジム・モリソンは1965年から1970年代初期まで活動していたロックバンド『The Doors』のボーカリストであり、詩人です。
 
僕はこのジム・モリソンという人物が非常に好きです。
甘いマスクに、危険な佇まい、神秘的な作風に、野生的なボーカル、そしてワケが分からない呪術的なパフォーマンス・・・などなどその一筋縄ではいかない彼の魅力は人々の心を掴んで放しませんでした。(多分)
また、数々のスキャンダラスな事件により、メディアからは狂人、奇人、だと総叩きを喰らいます。
そういうところも含め、彼は、ロック史上、一番の男性セックスシンボルと言われています。
また、『27クラブ』という「ロックスターは27歳で死ぬ」都市伝説の中の一人にもなっており、それは彼を伝説的なスターとする理由の一つでもあります。
 
彼はドアーズ結成前は、映画の専門学校に通っていました。
その時の同級生に『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』などで知られる映画界の巨匠フランシス・フォード・コッポラがいたそうです。
しかし、その学校で自作の映画を発表する機会で、周りから彼の映画は「意味が分からない」とボロカスに叩かれますが、一人の生徒が彼の独特な世界観に興味を持ちます。
それがドアーズでオルガンを担当することになるレイ・マンザレクです。
そして彼の友人であるブルース・ギタリストのロビー・クリーガー、ジャズ・ドラマーのジョン・デンスモアと共にバンドを結成します。
ジム・モリソンはバンド名にオルダス・ハックレーがウィリアム・ブレイクの詩の一節から取った書のタイトル『知覚の扉』を元にドアーズと名づけます。
 
「もし、知覚の扉が浄化されるならば、全てのものは人間にとってありのままに現れ、無限に見える」
If the doors of perception were cleansed, everything would appear to man as it truly is, infinite.
 
この時点で、彼が少し変だなというのが分かります。
 
彼はバンド結成前から様々なドラッグをやっており、また酒豪でありました。
また、彼は哲学や詩にのめり込んでおり、独特な世界観を持っていました。
彼が最初に人の死を見たのは、子どもの頃、家族でニューメキシコ州へ旅行へ行っているとき、ハイウェイで起きた交通事故でした。
そこには血まみれで倒れている今にも死にそうなネイティブ・アメリカンがいた。
彼が生まれて初めて体験した恐怖であり、そのネイティブ・アメリカンの魂が自分の中に入るのが分かったそうです。
ライブ中によくネイティブ・アメリカンのゴーストダンスのようなものを踊っていました。
彼はテレビのインタビューでも、シャーマンについて語りだしたり、とにかく変な人だったと思います。
 

 
エド・サリバン・ショーに出演した際は、歌詞の一部「Girl we couldn’t get much Higher.」がドラッグを連想させる為、放送的に相応しくないので「~get much better.」に変更を余儀なくされます。
あの不良で有名なストーンズもそこはちゃんと変更した歌詞ですが、ジムにとって歌詞は何よりも大事なものです。
「歌詞を変えるといっても、たった一言だろ?いいじゃないか」と言ったレイに、ジムは「じゃあ、お前は今日から自分の名前を変えたらどうだ?たった一言だろ?」と皮肉を言ったそうです。
そして、本番生放送。あろうことか彼はそのままの歌詞で歌い、それ以降、ドアーズは出演禁止をくらいました。
  
また、1969年3月のマイアミでのライブ中、彼はステージ上で自慰行為を見せたとしてわいせつ容疑で逮捕され、有罪判決を受けます。
一説によると、彼はそれをするような仕草はしたが、実際にはしていなかったともいわれています。
それからというものの、ドアーズのライブ活動は縮小してゆき、二年後の1971年7月3日にジム・モリソンは急死します。
 

 
パリのアパートのバスタブ内にて死んでいたところを恋人のパメラが発見し、彼女の証言から死因はドラッグのオーバードーズによる心臓発作とされています。
しかし、パメラ以外に彼の死体はごく限られた人しか見られておらず、メンバーですらそれを見ていません。
また、彼の墓を訪れたドアーズのドラマー、ジョン・デンスモアは彼の眠る墓を見て「彼が入っているにしては小さすぎないか?」と疑問に思ったそうです。
また、彼はバンド活動が縮小していった頃、メンバーや友人らにアフリカへ逃亡したいと冗談交じりにも話していたそうです。
そして、彼の恋人でありジムの遺体の第一発見者であるパメラ・カーソンも、ジムの死んだ三年後に27歳の若さで亡くなっています。死因はヘロインのオーバードーズです。
そうなると彼の死について疑問に思い出す人も出てきます。
彼はメディアから逃れるために、死を偽装し、恋人のパメラと共にどこかへ逃げたのではないか、と囁かれています。
彼をそういうスキャンダラスな存在に仕立て上げているのは、そういった逸話やパフォーマンスもありますが、何より彼の顔がそうさせている気がします。
ジム・モリソンの顔を見て、何を思うか。
初期はちょっと癖のある男前って感じですが、問題は後期です。
ちょっと太ってからの彼は紛れもない悪人の顔をしています。犯罪者みたいな顔なのです。(一応、犯罪者ですが)
この顔があってこそのこのイメージです。ジムとレイ・マンザレクのルックスが逆だったらもしかしたらここまでの存在感はなかったと思います。勿論レイ・マンザレクもハンサムです。
僕が映画監督なら彼を殺人鬼役に使います。
 

 
少々ジム・モリソンのスキャンダラスな方面に話が傾きすぎましたが、ジム・モリソンの良いところはそういったイメージや話題性だけでなく、ちゃんとカッコいいというところです。
彼の歌声はよく「親父がシャワー中に歌うような鼻歌」だとか言われたりする所謂ヘタウマ(下手だけど上手い風に聞こえる歌)なボーカルかも知れませんが、僕は渋くてセクシーでカッコいいと思います。
また彼のパフォーマンスも素晴らしく、これだけ数いるロックミュージシャンの中でも唯一無二だと思います。
ドラッグや酒のせいかもしれませんが彼が何を見ているのか分からないが、じっと一点を見つめるミステリアスな感じ。そして歌が盛り上がると信じられないような奇声を発する獣のような感じ。彼は静と動の熱気を併せ持つ珍しいパフォーマーだと思います。
またドアーズの魅力はジム・モリソンだけではありません。
彼の存在感により影に隠れがちですが、他のメンバーも全員が素晴らしいです。
バンドサウンドの肝であるサイケデリックなオルガン、スパニッシュに影響されたブルースギター、フリーキーかつテクニカルなジャズドラム。どれをとっても最高です。
 
彼らの代表曲の一つである『Light My Fire』にはオルガンによる印象的イントロがあります。
僕はこれを初めて聞いたとき、(今聞き比べると全然似てないが)ディズニーランドのエレクトリカル・パレードを思い出しました。
ディズニーランドは夢の国です。
都市伝説ですが、ディズニーランドの目指した夢の国は、ドラッグ体験によるサイケデリック世界の具現化だといわれたりするそうです。
そこのメインパレードの曲が、サイケデリックの名曲『Light My Fire』を彷彿とさせるのにはやはりそういうことなのか?
 
少々話が脱線しましたが、ドアーズはジム・モリソンのイメージだけではなく、音楽もとにかく素晴らしいのです。
 

ニコ生全101話一挙放送!『スラムダンク』

月曜日, 8月 4th, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
8/9~8/16まで、ニコニコ生放送(通称ニコ生)にてTVアニメ『スラムダンク』の全101話が一挙放送されます。
 

 
僕がスラムダンクと出会ったのは、たしか中学の頃。
その頃は既に漫画は完結しており、僕が見たのはテレビアニメ。
 
もちろんその前から存在は知っており、幼稚園くらいの頃、テレビアニメでやっていた記憶はあります。
たしかその頃、(そんなに好きでもないのに)スラムダンクのガチャガチャをやって、流川が欲しかったのに晴子さんが出て、親にせびってもう一回やったらまた晴子さんが出た記憶があります。
 
それはどうでもいいんですが、僕は中学の夏休みに、朝10時くらいからやっていたアニメの再放送をたまたま見て、不覚にも泣いてしまった記憶があります。
三井らヤンキー軍団がバスケ部を襲撃する話です。
三井に平手打ちされた木暮(メガネ君)が静かに言い放った「大人になれよ、三井」で込み上げてきて、さらにあの有名な台詞「安西先生、バスケがしたいです」泣いてしまいました。
スラムダンクって有名だし人気がある漫画だけど、やっぱり有名なだけあって面白いんだな~と思いました。
 
 
それから少し経ち、たしか大学の頃に漫画を読破しました。
僕は学生時代からスポーツをしてこなかったので、バスケ漫画のスラムダンクには特に興味を持ちませんでした。
今でもそうですが、バトル漫画やバイオレンス系の漫画が好きで、そんな健康的なスポーツ漫画には見向きもしなかったのです。
しかし、バガボンドが好きだった僕は、井上雄彦が魅力的なキャラクターを生み出すことが出来、胸が熱くなるストーリーを練ることが出来る天才的な漫画家だということは分かっていました。
それで、彼の代表作であるスラムダンクを読んでみようと思い、読んでみたのです。
 
読み始めてからはもうほんとに速かったです。
どんどん続きが読みたくなる。一気に読んでしまい、何回も読みました。
話もキャラクターもシンプルで読みやすい。
スラムダンクは中盤から終盤になるにつれ、キャラクターの心理描写が細かくなっていき、その分魅力が存分に引き出されています。
この漫画を読んだ人にはそれぞれ、好きなキャラクターが一人いるはずです。
しかも、その意見はけっこう割れるでしょう。
女性はやはり三井と流川、あとは仙道、藤真あたりに人気が集中するでしょうけど。
 
 
僕は南が一番好きです。
南は大阪代表の豊玉高校のキャプテンです。
彼はもともと冷静だが粗いプレーが多く、ディフェンスを突破する際に、威嚇として肘を振り回したり危険なプレーが多かった。
(物語の)前年、翔陽高校との戦いの際、キャプテン藤真に対して威嚇として振り回した肘が、何と彼に直撃してしまい、それ以来『エースキラー』という異名を付けられます。
そのお陰か、チームは逆転勝ちを収めます。
しかし、相手をビビらす為にやった威嚇にビビらず正々堂々とディフェンスをした藤真に対し抱く罪悪感と、そのお陰で逆転勝ちできたという自己の正当化の間に、彼の心は揺れ動きます。
それから一年後、湘北戦。
流川へ放った威嚇に、流川は藤真と同様にそれを避けませんでした。
南の肘は流川の目に直撃し、流川は試合続行不可能とされ退場します。
豊玉チームとしてはエースの流川を戦力外に追いやったことにより有利になります。
しかし、南は動揺を隠せません。
そうこうしていると何と、ケガの応急手当をした流川が早々とコートに戻ってきます。
片目の視界が遮られた状態では遠近感がつかめません。そんな状態でシュートを入れることは困難です。
しかし、流川はフリースローで、何と、目を瞑って打ったのです。
「何百本も打ってきたシュートだ。体が覚えてらっ」
「いつものフリースローの感覚を体が覚えているはずだ・・・体の感覚を信じろ」
そして、キレイなシュートを決めるのです。
その後も活躍する流川を見て、南は完全に罪悪感に押し潰され、全く調子が出なくなります。エースの不調に伴い、チームも失速。
南のメンタルは完全に潰れてしまいます。
完全にブチギレてしまった南は、流川に飛び掛ります。
自分が負傷を負い倒れます。
この流川への突撃シーンから回想シーンへの流れが最高で、彼がバスケを思う純粋な気持ちを持っているが故に、「どうしてこうなってしまったんだ?」という彼の後悔というか罪悪感が感じられ、涙が出てくるのです。
恩師に手当てされ目を覚ました彼は、自分たちがバスケにかける強い想いを思い出すのです。
その後は正々堂々とプレーし、チームの失速を取り戻そうと奮闘するのです。
 
 
僕は南が好きですが、豊玉高校のチーム自体が好きです。
彼らは大阪のチンピラのように柄が悪いです。
試合前、新幹線の中で、初戦で戦う湘北と出くわした際も、ケンカを売ります。
試合中もラフプレーの連続。背の低い宮城に「小さすぎて見えんかったわ~」と挑発し、シュートを決めると「ボンッ!」とラッパーばりに威嚇します。
 
そんな柄の悪い彼らには憧れているバスケがあります。
それは『ラン&ガン』、とにかく走って打つ!攻めて攻めて攻めまくるというスタイルです。
南とその幼馴染である岸本実理(こいつも性格最悪だけど本当にカッコいいヤツなんだ)は、かつて自分たちが子どもの頃にバスケを見て憧れたように、子どもたちから憧れるようなバスケをしたいと強く思います。
それには、カッコいいプレーをしなくてはいけない。
子どもが見て憧れるカッコいいバスケ、それが『ラン&ガン』なのです。
本当に本当にバスケが好きで、バスケに感謝していて、それを次の世代にも伝えたい・・・というその強い想いが最高に熱くて泣けるのです。
おそらく、スラムダンクの中で、一番バスケへの憧れと愛が強く表現されていたチームだと思います。
 
僕はこの漫画を読んで、何かスポーツ・・・いや、バスケをやっていれば良かった・・・と思わず思ってしまいました。
 
 
少々長くなってしまいました。
久しぶりにアニメも見たいので、ニコ生見てみようかな。
しかし、アニメ版には僕が好きな南は出てこない・・・
それにしてもエンディング曲の『世界が終わるまでは・・・』は名曲です。
 

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