Archive for 7月, 2014

鮮やかで残酷で、何より面白い・・・『野蛮なやつら/SAVAGES』

月曜日, 7月 28th, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
 
オリバー・ストーン監督のスリラー映画『SAVAGES ~野蛮なやつら~』を見ました。
主演はアーロン・ジョンソン(アーロン・テイラー=ジョンソン)。
彼は現在公開されているアメリカで二度目のリメイクとなった映画GODZILLA(ゴジラ)でも主演を務めており、またキックアス・シリーズでも主演を務めているという若手注目株のイケメン俳優です。
 
他にも、一筋縄でいかない切れ者で曲者のギャングにベニチオ・デル・トロ、主人公の相棒でありタフな元傭兵にテイラー・キッチュ、主人公”たち”の恋人にブレイク・ライヴリー、メキシコの麻薬カルテルのボスにサルマ・ハエック、汚職警察官役にジョン・トラボルタ・・・などなど主役級の俳優たちが脇を固めています。
 
 
あらすじ
親友同士のベンとチョンはカリフォルニアのラグナ・ビーチを拠点に、
大麻栽培のベンチャーで成功を納め、優雅に暮らしていた。
しかしある日、2人の共通の恋人オフィーリアが、
メキシコの麻薬密売組織に拉致されてしまう。
ベンとチョンはオフィーリアを取り戻すべく、組織に戦いを挑む。(Wikipediaより)

 
 

 
 
僕はベニチオ・デル・トロのファンで、彼が出ている映画ということで見ました。
彼は今や色んな映画に出ているベテラン俳優ですが、僕の中で、彼が脇役で出演する映画では彼はすぐに死ぬ・・・というイメージがありました。
しかし今回はそんなことはなく、ゲスだけど切れ者という曲者を、イヤらしく演じており、最高でした。
しかし、口ひげをボーボーに生やしており、サングラスをかけており、また髪型もそういう感じで、終始日本人サックス奏者のMALTAにしか見えませんでした。
 
こういう麻薬が絡んだクライムドラマは大抵、物語が進めば進むほど絶望的な気分になって行ったりするもんですが(特に華やかなシーンから始まるものは特に)、この映画はそれ以上に情熱や愛があり、それを感じさせません。
何というか有り余る若さと、ほんの少しの希望があるのです。
恐怖し、戸惑いながらも覚悟を決め、最終的には誰にも止められなくなっている感じがとても良かったです。
映像的にもかっこよかったですし、演出も派手でクールでした。
脚本もベストセラーで、演出も最高にクール、しかし僕は出ている俳優たちが何より魅力的に思えました。
これだけ色んな個性的な俳優を使っておりながら、誰一人としてその個性を余らせておらず、ちゃんと全員が全員、魅力的なキャラクターになっているのには驚きました。
 
僕はこの映画を見終わった後、一人でニヤニヤしてしまい「いや~、なんか面白い映画見たな~、この映画好きだな~」と思えました。
 

後にも先にも無い完全なるオリジナル、QUEEN!

月曜日, 7月 21st, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
夏フェスのサマーソニック2014にて、あの伝説的ロックバンド、QUEENが『QUEEN+Adam Lambert』として来日します。
クイーンは先月からアダム・ランバートをボーカルに迎え、北米ツアーを回っています。
 
僕はロック、ハードロック、パンク、ポップス、昭和歌謡、ワールドミュージックなどなど、いろいろな音楽を聞きますが、一番最初に僕を音楽の世界に誘ったのがクイーンです。
小学五年生の頃、家にMDプレイヤーがやってきました。今は絶滅したいっても過言ではないMDです。
僕はその時点で音楽に関しては全くといっていいほど興味がありませんでした。
MDプレイヤーを買ったは良いがMDがまだない。
父親が職場の後輩から貰ったMDの中に「QUEEN」と書かれたMDがありました。
他のMDはJPOPがほとんどで、ロック好きの父は、特にクイーンが好きというワケではなかったのですが、とりあえずそのクイーンのMDを流します。
 

 
なんだか幻想的なイントロから始まり、バラードが始まります。僕は特に聞き流していました。
しかし、再生時間が3:02を指した瞬間、景色が一変します。
後で知ったのですが、そのMDはクイーンのグレイテストヒッツ1、そして、その曲はボヘミアン・ラプソディという曲でした。
分かりやすく言うと僕は衝撃を受けたのです。何なんだこの世界観は・・・
そのオペラパートと呼ばれる部分は、単純に今まで聞いたことのない音楽だったのです。
その感想は色んな音楽を聞く今でも同じです。
前半のバラード部分、後半のハードロック部分は特に・・・でしたが、そのオペラパートがとにかく衝撃的で、その部分だけを巻戻して繰り返し聞いていました。
 

 
そしてそのMDの3曲目にも心を奪われます。その名(彼女)はキラークイーン。
そのキザで洗練された曲調もそうですが、何より僕はその歌声に惹かれました。
なんて美しい歌声なのだろう!
しかし、その頃はインターネットというものがまだまだ普及されておらず、クイーンのことを調べる術はありませんでした。
図書館でロックの歴史のような本を読んでも、文字だけでイマイチ、クイーンの全体像が見えてきません。
そうした悶々とした日々を過ごしていると、父親から「夜中にテレビでクイーンのライブがやるよ」と言われ、これは見るしかない!クイーンの映像を見るんだ!と心躍らせ、ビデオに予約録画します。
 

 
そして翌日、そのビデオを見て再び衝撃を受けました。
そこに映っているのはヒゲのオッサン・・・嘘だろ・・・?そんなバカな・・・あんな美しい声の持ち主がこんなヒゲのオッサンのワケがない・・・ッ!
もっと長髪で細身の美しい美青年だと思っていたのに!
 
確かにボーカルのフレディ・マーキュリーは若い頃は、長髪で煌びやかな衣装を着ていました。しかし、それを知るのはもう少し後のことでした。
クイーンはデビュー当時、母国イギリスでは「グラムロックの売れ残り」「ハードロック崩れ」などイマイチ形容しきれないその音楽性が故にヒットしませんでした。
しかし、そんなバンドをどこよりも早く注目した国があります。
それはこの日本です。
日本ではその頃、ベルサイユのバラなど耽美的な少女漫画が大流行しており、クイーンのそのルックス、その華麗なる世界観などは、まさに実写版耽美的少女漫画。
母国イギリスでは泣かず飛ばずのクイーンは、日本ではいきなりビートルズに次ぐスターバンドとなったのです。
初来日時のクイーン本人たちは、空港で出迎える女性ファンの群集を見て、何かの間違いだと思ったそうです。
 

 
耽美的で幻想的な音楽性は次第に、ポップなロックに変わっていきます。
それに伴いメンバーのルックス(特にフレディ・マーキュリー)も変わっていきます。
「クイーンは初期こそが素晴らしい!」という意見はやはり多いですが、僕は音楽性は勿論それ以上にフレディ・マーキュリーの歌声のファンだったので後期の曲も違和感なく聞いていました。
 
色んな音楽を聞く今でも、クイーンを髣髴とさせるバンドを見たことがありません。
完全にオリジナル。真似したくても誰も真似できない奇跡のバンド。
そろそろ現代のフレディ・マーキュリーと呼ばれる人が出てきても良い気はしますが出てきません。
僕としては一番フレディ・マーキュリー感を感じるボーカリストはLady Gagaだと思います。
と思ったらやはりLady Gagaは新ボーカリストの候補に挙がっていたそうです。
今回のアダム・ランバートは妥当だと言えば妥当だと思います。
 
どんなエンターテイメントを魅せてくれるのか楽しみです。
 

ワールドミュージック・アルゼンチン代表、フェデリーコ・アウベレ

月曜日, 7月 14th, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
 
明日7/14の4:00から、ワールドカップ2014の決勝であるドイツvsアルゼンチンの試合が行われます。
僕はサッカーに関してほとんど無知で、サッカー好きの父親と住んでいた時は一緒に見たこともありましたが、今は全くです。
今回のワールドカップも日本vsコロンビアの試合だけテレビ(しかも再放送)で見たくらいです。
しかし、なぜか試合結果だけは一応追って確認しており、決勝がヨーロッパ対決(オランダvsドイツ)になるのか、南米対決(ブラジルvsアルゼンチン)になるのか、それともヨーロッパvs南米になるのか、気になっておりました。
それで決勝がドイツvsアルゼンチンに決まり、僕の中でサッカーと関係のないことで小さな盛り上がりがありました。
 
 
サッカーに関して無知な僕が、国の名前を聞いて思い起こすのはその国のミュージシャンのこと。
ドイツにはいろいろな有名なミュージシャンやバンドがいます。
今やドイツの文化人(らしい)ブリクサ・バーゲルト率いる鉄筋前衛ノイズ音楽バンド、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン。
日本人アーティストであるダモ鈴木が在籍したサイケ、プログレ、アヴァンギャルド系バンド、CAN。
奇声とオペラ風ファルセットを多用し、奇抜なメイクとエキセントリックなキャラクターで美人を台無しにすることで有名なニーナ・ハーゲン。
こう考えると何だかちょっとアヴァンギャルドな人が多いな。
ワールドミュージックを聞くようになってからは、僕の中でドイツといえば、シャンテルやロベルト・ショコらが作り上げたバルカン音楽、ジプシー音楽をダンスミックスした『バルカン・ビート』と呼ばれる音楽のイメージがあります。
 
 
一方、アルゼンチンといえばアルゼンチン・タンゴ。
そのアルゼンチン・タンゴというジャンルに括られるのかは分かりませんが、最近ハマっているのがフェデリーコ・アウベレというミュージシャン。
前置きが長くなりましたが、今回は書きたかったのはこのフェデリーコ・アウベレ(federico aubele)についてです。
フェデリーコ・アウベレはアルゼンチン出身のシンガーソングライターです。
今年で40歳ですが、27,8歳に見えます。ルックスもイケメン。
日本ではあまり知られていませんが、アルゼンチンでは有名のようです。
アウベレのCDを始めて聞いたとき、その良さに気付くまでに少し時間がかかりました。
というのも、今まで僕が聞いてきた音楽に比べ、彼の音楽はちょっと大人過ぎたのです。
なんというか、今まで聞いたワールドミュージックはノリが良かったりビートが効いていたり、またメロディがエキゾチックだったりと、比較的聞きやすいものが多く、またワールドミュージック以外でも(主に色々聞いたロックミュージックですが)どちらかというと分かりやすいものの方が好きな傾向がありました。
 

 
アウベレの音楽を友達から初めて聞かせてもらった僕の最初の感想は「何かエマニエル夫人みたいだな」というくらいでやはりその大人過ぎる音楽に一発でハマるということはありませんでした。
しかし、繰り返しCDを聞いていると一つ発見したことがありました。
「もしかしたらこれは昭和歌謡なんではないだろうか?」
僕はワールドミュージック、ロックの他に昭和歌謡も好んで聴いているのですが、その昭和歌謡と共通するような音楽性があると思ったのです。
森進一や五木ひろしや野口五郎などのムード歌謡に似ているのです。
日本の昭和歌謡は、ビートルズなどのロック、ポップスサウンドが輸入される前は、ラテンミュージックの影響があったといわれているみたいです。
コード進行などもラテンミュージック的なものが多いですし、そこに古くからの日本民謡のコブシのようなものを加えたのが演歌だったりするのでしょう。
といっても、僕が好きな昭和歌謡は、郷ひろみや沢田研二、山本リンダやピンクレディーやキャンディーズ・・・といった分かりやすいもので、ムーディな渋い大人の世界の歌謡曲は特に・・・って感じでしたので、この昭和歌謡との共通点がアウベレにハマるきっかけになったワケではありません。
  
僕がハマったのはおそらく大好きな映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』の影響が大きいでしょう。
あの映画の前半のアルゼンチンの乾いた風や広がる山々といった風景が何とも美しく感じられ、アウベレの音楽にはその美しさがあると感じたからです。
最近僕が南米に憧れるのはこのモーターサイクル・ダイアリーズとフェデリーコ・アウベレの音楽によるものが大きいです。
 

 
アウベレの最新作は去年の8月にiTunesStore(データ)で販売された『5』です。
僕はまだ聞いていないのですが、是非CDアルバムとして発売してほしいです。
1,2曲聴いてみると名盤臭が半端ないです。
 

 

おそらく初?本格的なゲームミュージックの歴史をまとめた本

月曜日, 7月 7th, 2014 | Permalink


ゲームミュージックに焦点を当て、その歴史を追ってゆく書籍『ゲーム音楽史 スーパーマリオとドラクエを始点とするゲーム・ミュージックの歴史』が7月25日に発売されるそうです。
そのタイトル通り、ゲーム・ミュージックの歴史について語られ、植松伸夫氏、古代祐三氏、崎元仁氏ら著名なゲーム音楽作家のインタビューも掲載されます。
こういうゲーム・ミュージックの歴史についてまとめた本というのは今までなかったのではないでしょうか?
 
僕はあまりゲームミュージックに詳しい方ではないのですが、音楽好きのゲーム好きではあります。
大人になってからは簡単にハマれるアクションゲームをやることが多いですが、子どもの頃はロールプレイングゲーム(RPG)をよくやっていました。
今考えてみると、好きなゲームミュージックはほとんどRPGのものが多い気がします。
 
ちょっと、パッと思いつく限りで、記憶に残っている僕が好きなゲーム音楽を挙げていこうと思います。
その前に以下に挙げられる曲たちには二つの意味合いが存在します。
一つは、単純に曲として好きなもの。
もう一つは、その曲から思い起こされるストーリーなどを加味したゲーム音楽として好きなもの。
 
 

 
まず、曲として最高にかっこいいのが、95年にスーファミで発売された『Romancing SaGa 3』の『Battle Theme』です。
僕は昭和歌謡も好きで、中でも都倉俊一作曲のものが大好きなのですが、この曲は都倉俊一が作ったピンクレディーの曲のようで最高にかっこいいです。
まず、メロディがクサい。
マイナー調で始まりBメロで弱冠泣きのメロディが入る感じが本当に昭和歌謡で、よく動くベースラインが強調されている感じが本当に都倉俊一。
 
 

 
完全に後者の意味合いで好きなのが、1997年にPSで発売された『Final Fantsy Tactics』の曲。
特に『Battle On Bridge』が好きです。
FFTは物理的な戦いであると同時に、思想的な闘いでもあると思います。
身分による差別や、戦争の裏に隠された秘密結社の陰謀、肉親の裏切りなど・・・
「Final Fantasy」という国民的RPGにしては少々ヘビーな内容の歴史モノでした。
この混沌とした戦いの世の中で、何が正しいのか、何をすべきなのか、戸惑いながらも前に進む主人公の、その覚悟を物語るような壮大な曲です。
この国の間違ったやり方が平然とまかり通る現実に対し、お前に一体何が出来て、何をするのか?という問いに「努力」としか答えられない主人公。
何ともいえない歯痒さを感じると同時に、報われなくとも真実へと突き進むその意志に感動しました。
 
 

 
記憶に残っている中で今聞いても「何て良い曲だ!」と思える曲で(つまり前者の意味合いで)パッと思いついたのが、1995年にスーパーファミコンから発売された『SUPER MARIO RPG』のボス戦の曲『Boss battle theme』(これで曲名あっているのか?)。
これをプレイしたのは丁度小学校一年か二年の頃だったと思います。
あのアクションゲームのマリオが今度はRPGになった意欲作で、ただのRPGではなく、ちゃんとマリオのアクションも活かされたシステムになっていて、すごくハマった記憶があります。
このボスバトルの曲は、当時からノリの良い曲でよく頭で流れていました。
そして、今、そうたった今、約18年以上ぶりにちゃんと聞いてみるとやはりむちゃくちゃ良い曲でした。
いつまででも聞いていられる曲です。
僕はワールドミュージックが好きなのですが、この曲には弱冠バルカンビート的なノリがあり、反応するポイントは小学生の頃から変わっていないんだな~っと思いました。
 
 

 
交互に書きます。
ゲームのストーリーや世界観を思い起こさせる名曲で忘れていけないのは、1997年にプレステで発売された『Final Fantasy 7』の『One Winged Angel』です。
この曲はおそらく日本のゲーム音楽の代表曲の一つなのではないでしょうか。
このゲームは、環境破壊や管理社会をテーマとしたSF的な内容なのですが、おそらく僕の人生史上一番ハマったゲームだと思います。
今改めてやってみると、この頃から原発問題などにも注目しており、この星の全てを支配しようとする人間の行き過ぎた発展に対するメッセージが込められています。
Final Fantsyはそれまでにも壮大な曲調のものは多かったですが、この曲はおそらくゲーム音楽では初めての本格的なコーラスが入っており、更にドラマティックになっております。
自らの隠された生い立ちがゆえに暗黒面に堕ちてしまった男、セフィロスの狂気が滲み出ています。
このセフィロスは主人公の宿敵であり、所謂ラスボスなのですが、実は彼自身が最新科学技術が招いた最大の被害者であるのがこの物語の憎いところ。
プログレ的な展開にドラマティックなコーラス、僕は思わずクイーンを思い出しました。
このゲームをやった3年後に僕はクイーンを聞いて衝撃を受けるのですが、僕はさっきも書きましたが、無意識のうちにゲーム音楽としてではなく、一つの曲として聞いていたのかもしれません。
 
 

 
さて、ゲームに関することを語ると長くなっているので最後の一曲は単純に曲として好きもの。
これは1994年にスーパーファミコンから発売された『MOTHER2』の曲です。海外では『earthbound』というタイトルで発売されています。
MOTHER2は、コピーライターの糸井重里によって作られたゲームで、音楽もゲーム音楽作家ではなく、ロックミュージシャンである鈴木慶一が担当しています。
どの曲を聞いても「天才!」と思わず唸ってしまうクオリティで、国内外問わず高い評価を得ています。
僕は中でも『Dusty Dunes Desert』というテキサスのハイウェイのようなステージで流れる曲が好きです。
乾いた空気、照り付ける日差しの熱気、ポツンとたたずむ店の窓は全部開け放ってあり、中のラジオの音が聞こえてくる、そんなイメージがよく表現されています。
 
 
さて、長々と好きなゲーム音楽について語ってしまいました。
『ゲーム音楽史 スーパーマリオとドラクエを始点とするゲーム・ミュージックの歴史』、読んでみたいです。

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