Archive for 5月, 2014

ココリコ遠藤章造という人間の境地?

日曜日, 5月 25th, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。
 
ココリコの遠藤章造が、5/25の阪神vsロッテ戦の始球式に登場したそうです。
遠藤は子どもの頃から野球をやっている熱狂的な阪神ファンです。
始球式では見事ストライクを取り、会場を沸かせたそうです。
 
僕は昔からココリコの遠藤がすごく好きです。
彼のイメージは一般的には、ちょっとおバカなところはあるけれど、しっかりとトークも出来て、相方の田中直樹が独特な芸風の芸術家肌に対し、遠藤はどちらかというと器用なタレント的な雰囲気が強い、”まとも”な芸人といった感じだと思います。
僕も昔はそう思っていました。
 
しかし、彼の本性は決してそうではないのです。
最初にその狂気の片鱗に触れたのは僕が中学生の頃、『ごっつええ感じ』が2001年に復活した『ものごっつええ感じ』のあるコーナーでした。
それはアドリブ歌謡ショーという、その場でタイトルを言われ、アドリブでその歌を歌うというドッキリコーナーで、遠藤が長渕剛風に歌った「たまごかけご飯」でした。
僕は詳しくはないですが、お笑いというのは本当に頭の良さが試される表現だと思います。
遠藤にはそういった知性だったりセンスだったり切れ味は全く感じられないのですが、
まるで何かに取り憑かれたかのようで、恥を捨て、すべてを振り切った自信満々のそのパフォーマンスに爆笑したことを覚えています。
 

 
それから、僕は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』通称『ガキ使』を見て更に彼のファンになりました。
特にハイテンション・ザ・ベストテンというコーナーの遠藤のパフォーマンスがすごく好きです。
このコーナーはザ・ベストテンのような進行で、とにかくハイテンションでパフォーマンスをするというものなのですが、これに出演した多くの芸人は途中で心が折れる瞬間が見えるのですが(そこを含めて面白い)、遠藤には全くその瞬間がないのです。
かといってネタをしっかり作り込んできているわけでもない様子なのです。
確かに途中で頭の中に何もないような状態になったりはするのですが、決して焦ってパニくったり、素に戻ることはなく、それを物ともせず自信満々で大声でバッキバキにパフォーマンスするメンタルの強さに驚かされます。
そして、それに爆笑してしまうのです。
 

 
よくコメディというものは、ふざけてやるものではなく、真面目にやるものと云われたりします。
遠藤はふざけているように見えますが、本人は真面目なのです。
そして、その間は無敵なのです。
それを考えると、何だかそこに到達出来る人間は、ただバカだからということでは済まされず、何か一つの人間の到達点のようにさえ感じます。

恐ろしいまでの神秘体験『エル・トポ』

月曜日, 5月 19th, 2014 | Permalink


エーブックスタッフの水野です。

カンヌ映画祭を爆笑と感動の渦に巻き込んだドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』が6/14から全国で公開されます。

この映画は1975年に映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーによって企画されたSF映画なのですが、映画化不可能なその内容に結局頓挫してしまい未完に終わりました。
その企画は、莫大な予算を必要とし、12時間にも及ぶ上映時間を予定しており”映画史上最も有名な実現しなかった映画”と言われ、伝説となっています。

この企画には、サルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、オーソン・ウェルズ、メビウス、H.R.ギーガー、ピンクフロイド…などなどそうそうたる面々が参加予定でした。

また、スターウォーズ、エイリアン、ブレードランナー、マトリックスなど、今あるSF映画の金字塔たちは既にこのDUNEで使われたネタだと云われるほど影響力を持っていたそうです。

ちょっとややこしいですが、この『ホドロフスキーのDUNE』の監督はフランク・パヴィッチという監督なのですが、彼は「ホドロフスキーは映画を完成させたかったのか、世界を変えたかったのか。もし世界を変えたかったのなら、それは達成されたのだ」と語っています。

そんな影響力を持ったアレハンドロ・ホドロフスキー監督の映画を見ました。
彼の映画の中でも有名な『エル・トポ』という映画です。
この映画は1971年に公開されたのですが、あまりにもショッキングな内容に深夜に限定された上映になり、宣伝もあまりされませんでした。
しかし、公開初日には芸術家アンディー・ウォーホールとその一派、俳優のデニス・ホッパー、ピーター・フォンダ、ミュージシャンのミック・ジャガー、ジョン・レノン、オノ・ヨーコらが観客として見に来ており、なかでもジョン・レノンは4回も見に来るほど気に入り、それがきっかけで大々的に公開されたのですが、あくまでカルト映画はカルト映画、大不評で上映三日で打ち切られました。

僕はこの映画を友人からゲキ押しされ、なんとなく話を聞いていたのですが、レンタルビデオ屋にはなかなか置いておらず、結局見ていませんでした。
しかし、先日近所のレンタルビデオ屋に行ったら復刻名作コーナーみたいなところにこの『エル・トポ』が並んでいたのです。
1971年に公開されたのが何故準新作なのかは分かりませんが早速借りて見ました。

何というか、もう言葉にならない映画でした。
西部劇風の舞台なのですが、神秘的とも芸術的とも哲学的とも宗教的ともいえる内容で、なるほどあの有名人たちが初日からこぞって見に来る理由が分かる気がしました。
美術的にも素晴らしく、画としてものすごく美しいです。
前半の神秘的な雰囲気がずっと続くと思っていたので、後半の展開は意外でした。
所謂”俗世間”の醜さをここまで描けるのかと衝撃を受けました。

それにしても、エル・トポのファッションはかっこよすぎる。

日本の詩人であり作家であり芸術的であり映画監督である寺山修司がこの映画の大ファンだったそうで、確かに寺山修司の映画の前衛的な作風と共通するような雰囲気がありました。

見終わった後、何だかえらいもん見ちゃったな〜と唸ってしまうような映画でした。

イギリス発、暖かい日差しのようなメロディ・・・The Heartbreaks

月曜日, 5月 12th, 2014 | Permalink


イギリスの北部モアカム出身のバンド『The Heartbreaks』の新曲『Absolved』のミュージックビデオが公開されました。
この曲は日本では先月の4/2に発売されたアルバム『We may yet stand a chance』に収録されたシングル曲です。
僕は最近の音楽事情にはイマイチ疎いところがあるのですが、ハートブレイクス少し前からチェックしています。
 

 
多分二年位前でしょうか、バイト中流れているラジオで偶然聞いたのが最初です。
音量が小さかった為何となくとしか聞こえなかったのですが「何て良い曲なんだ・・・」と思いました。
メロディアスで優しくて、ちょうどこの五月の木漏れ日のような暖かい曲なのです。
90年代!って感じの雰囲気で、どこかノスタルジックでもあったのです。
 

 
最初は1980年代から活動していた日本のロックバンドZIGGYの曲か何かだと思いました。
しかし、ZIGGYとはボーカルが全然違うし、英語のようです。
曲が終わり、ラジオのパーソナリティがアーティスト名と曲名を言うのですが、いつも英語の発音が良すぎて聞き取れなかったりするのですが、単語が簡単すぎてスグに分かりました。
「The Heartbreaksで、Delay Delay」
家に帰ってYouTubeで検索すると早速出てきました。
しかし、まあイメージと違う・・・
僕はなんとなく女みたいな金髪のロングヘアのボーカルが歌っているイメージだったのですが、見てみると黒髪のマッシュルームヘアのいかにもイギリス人!って感じの人でした。
顔の雰囲気は、イギリスの90年代に爆発的にヒットを飛ばし、最近また再結成され先日日本でもライブを行ったスウェードのボーカルであるブレット・アンダーソンに似ている。
この瞬間、なるほどこれはその系譜なのかと思いました。
70年代にデヴィッド・ボウイというアーティストが退廃的で耽美的な世界観をロックに持ち込みました。80年代にはザ・スミスのモリッシーに受け継がれ、90年代にはスウェードが破滅的な雰囲気を加え表現してきました。
そして、この2010年代はハートブレイクスがそれを受け継いでいるのかなと思ったのです。
本人たちがどれほど意識しているのかは分かりませんが、とにかく僕はそう感じたのです。

最初に聞いたDelay Delayも良いし、今回ミュージックビデオが発表されたAbsolvedも良いのですが、僕としては『Hey,Hey Lover』が一番好きです。

最初は少し暗く妖しく始まりますが、サビに入ると、トンネルを抜けた時の眩しい太陽のようなポップが広がるのです。
僕はこの感じに弱いのです。
このバンドを好きな人は、線が細く、知的で、美しい、いかにもイギリス的な雰囲気に弱いんだと思います。
僕も勿論それには憧れましたし、先述した退廃的/耽美的なアーティストも好きなのですが、こういうメロディアスな曲調が僕の”歌謡曲好きの琴線”に触れたと思うと、僕は違った意味で好きなのかもしれません。
この曲は(サビなんか特に)アイドルが歌っていてもおかしくないメロディだと思います。
 
このバンドの曲は、アーティスト性だとか、ルックスや雰囲気だとか、背景だとか、時代の流れだとか、そういうものを一切無視して聞いても、シンプルに「良い曲」だと思えて感動します。
 
もしかしたら、リズムやノリよりも、メロディを重視する日本人にはこういう音楽は親しみやすいのかもしれません。

新しい緊張感を持ったゾンビ映画、『WORLD WAR Z』

月曜日, 5月 5th, 2014 | Permalink


ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのカップルが再び映画で共演する予定なのが判明しました。
二人が共演するのは、二人が交際をスタートさせるきっかけとなった映画『Mr.&Mrs.Smith』以来、実に九年ぶりのことで映画関係者やファンの間では注目されています。

先日ですが、そんなブラッド・ピットの映画『WORLD WAR Z』を見ました。
『WORLD WAR Z』は去年2013年に公開されたアメリカのパニック系のゾンビ映画です。
 
監督は2011年にゴールデングローブ賞にノミネートされた『Machine Gun Preacher』や『007 慰めの報酬』などのマーク・フォスター。
主演にブラッド・ピット。共演にミレイユ・イーノス、ファナ・モコエナ、デヴィッド・モース、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、など渋めのキャストで固めてあります。
 
原作であるマックス・ブルックスの小説『WORLD WAR Z』では複数の人物の視点から描いたドキュメンタリータッチの群像劇でしたが、この映画ではオリジナルの主人公ジェリーからの視点で描かれております。
また、走るゾンビというのもこの映画のオリジナル設定の様子。
 

 
新しいゾンビ系映画が公開する度によく話題に上がるのがこの「走るゾンビ」です。
もともとゾンビはノロノロとしか動けず、一人いたところで逃げることは簡単だし、頑張れば撃退も可能です。
しかし、ゾンビの怖さとは、固体の強さではなく、群集の怖さなのです。
人間はゾンビに噛まれるとゾンビ化してしまい、ねずみ算的にゾンビはどんどん数を増やしてゆく。
ノロノロと・・・ジワジワと・・・追い詰められてゆく・・・ゾンビ映画の魅力とはおそらくそういうものなのでしょう。
そういったゾンビ映画も次第にマンネリ化し始め、もっと恐ろしいものとして「走るゾンビ」が生まれ、その凶悪さに恐怖を感ぜずにはいられませんが、ゾンビファンからすると、それはゾンビ映画の魅力を損なわせている、という意見が多いです。
 
ゾンビとはもともと、黒魔術やら呪いやらで蘇った死体なので、体や脳が腐っているためノロノロとしか動けません。
しかし、近年はそういった伝承的であったりファンタジー的な理由によるゾンビではなく、映画によりリアリティを持たせる為に、ウイルスや疫病、または生物兵器の開発などからゾンビになるという現実的というかSF的な理由によるゾンビが登場しました。
感染力の高いウイルスや病気という設定が生まれたことにより、「ゾンビに噛まれた人間がゾンビになってしまう」ということに説得力を付けることも出来ました。
またそういった感染系ゾンビだと、蘇った死体というわけではないので、ゾンビの体は必ずしも腐っていなくてはいけないというわけではありません。
なので、ノロノロ動くばかりではなく、走ったりジャンプしたりするゾンビを描くことも可能になったのです。
 
 
 
この『WORLD WAR Z』のゾンビはそういった感染系ゾンビで、全力疾走します。
走るゾンビ映画ですと『28日後』や『I AM LEGEND』などが有名ですが、この『WORLD WAR Z』は今までの映画と比べても、その勢いが半端ないです。
まるでラグビー選手のように思いっきり体当たりしてくるのです。
それが怖くて仕方がありません。
 
また、このゾンビには、音に過敏に反応するという特性があります。
そのことにより、静かにしなくてはいけない、という別のスリルが生まれ、息を殺して進んでゆく緊張感があり、恐怖を演出することに一躍買っています。
ゾンビに対して銃を使うのは最終手段です。
銃は大きな音がなりますから一発でも撃てば、近くにいるゾンビをみんな呼び寄せてしまうのです。
それも今までにない緊張感で面白かったです。
 
ブラッド・ピットの演技は控えめで、特にブラッド・ピットらしい演技は無かったと思われます。
 
人間の顔にはいろいろな顔があり、こわもてで最初から怒っているような顔もあれば、柔らかい雰囲気でいつも笑顔に見える顔もあります。また「常にちょっと泣きそうな顔」というのもあります。
ニュアンスが伝わるかは分かりませんが、日本ですと萩原聖人とかがそうでしょうか。
外国ですと、ジョシュ・ハートネットとかがすごくそんな顔です。
ブラッド・ピットもそんな「ちょっと泣きそうな顔」をしています。
 
その泣きそうな顔のブラッド・ピットが、更に泣きそうになりながらゾンビから逃げる、というのがやはり良かったです。
俳優の雰囲気だったりもそうですが、そういった俳優の演技以外の無意識の部分が、シーンを盛り上げることもあるのだなぁ、と思いました。
 
 
開始10分でもうパニック。
そこからエンディングまでがほぼずっとパニックです。
シリアスな作風ですが、ところどころ無茶な展開があり、映画として賛否両論あるこの『WORLD WAR Z』ですが、僕はなかなか楽しめました。
 
とりあえず、ゾンビが現れたら、腕と脚に、雑誌を巻いて、ガムテープでグルグル巻きにしましょう。
これはかなり単純な策だけど、かなり効果的だと思いました。
 

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