エーブックスタッフの水野です。
今年も残すところあと2日。
振り返ると今年はあっという間だったのですが、
何をしたのか思い出そうと思っても、いまいち思い出せないような年だったと思います。
ただ良くも悪くも自分の中で心身ともにゆっくりと変化していった気がします。
そのことに混乱した年だったのかもしれません。
さて、そういった変化の中で僕の中で一番驚きだったのが、
世界の中でも先進国ではない、発展途上の国であったり、ド田舎だったり、エキゾチックだったり、そういう地方の持つ文化(主に音楽)に興味を持ったことです。
それはブラックミュージック、ラテンミュージックは勿論、世界の民謡、インド音楽だったりします。
今まで白人のロックばかり聞いていた僕にとってそれは大きな変化だったと思います。
僕が今年とくによく聞いたのが、Robert SokoというDJのCDです。
彼はバルカン半島に伝わる音楽をミックスしたバルカン・ビートなる音楽を作っている人なのですが、とにかく僕はこれにやられました。
以前、このブログに紹介したWhatcha Clanというバンドもこのバルカン・ビートです。
ヨーロッパの雰囲気もあるし、中東の雰囲気もあるし、アジアの雰囲気もあるこの音楽に衝撃を受けました。
まず、そのメロディにやられました。
僕は自分のバンドでは歌のほかにサックスも吹いており、元々はサックスがメインでやっていました。
そのサックスをやっているせいか、僕は流れるようなメロディというものが染み付いているのだと思います。しかもその流れるというのがタ~ララタ~ララタ~ララという僕の手癖なのかも知れないですがその感じが、ジプシー音楽やバルカン音楽が持つメロディにハマったのかもしれません。
そして、ここまで自然と体が動いてしまう音楽があったことに驚きました。
横に揺れているような曲もあれば、コサックダンスのように激しい曲もあります。
それとFanfare Ciocarliaというバンドにもハマりました。
ファンファーレ・チョカルリアはルーマニアのブラスバンドで、
欧米ではジプシー・ブラスと呼ばれており、
チョチェクという爽快感のある最速ブラスとも云われているジプシー音楽です。
マイナー長の少し切ないメロディは昭和歌謡っぽく聞こえたりもします。
また、ドイツ出身のアトム・ハートの名でも知られる天才エレクトロ職人ウーヴェ・シュミットによるプロジェクト、セニョール・ココナッツも最高です。
僕はこのセニョール・ココナッツについて何も知らずにセニョール・ココナッツFMという音源だけ聞いていたのですが、僕はてっきり南アメリカかどっかのFMラジオのミックスCDなのかと思っていました。
暑い日に聞いていると、その暑さがこの音楽を更に盛り上げてくれるような気がします。
M.I.A.
他にもいろいろあるのですが、最近聞いたもので一番良かったのが、M.I.A.というアーティスト。
M.I.A.(エム・アイ・エー、本名Mathangi “Maya” Arulpragasam(タミル語表記:மாதங்கி ‘மாயா’ அருள்பிரகாசம்;マータンギ・”マヤ”・アルルピラガーサム)、1975年7月18日 – )はイギリス出身のタミル系スリランカ人のミュージシャン、美術家、デザイナー。芸名は「Missing In Action(戦闘中行方不明)」の略で、連絡の取れないLTTEのメンバーとして活動中の父に対するメッセージである。
(wikipediaより)
彼女は変わって経歴の持ち主であり(“変わった”というレベルではないが)、彼女の父親はLiberation Tiger of Tamil Eelam(通称LTTE)、タミル・イーラム解放のトラという意味を持つスリランカの武装テロ組織のオリジナルメンバー。
政府に負われる父は家族と生き別れ、マヤたち一家は多くの親戚や友人をなくし、マヤが11歳になる頃には母はマヤたち三人の子供を連れ難民としてイギリスに移住し、彼女はそこでヒップホップやダンスホールレゲエなどの音楽と出会ったといわれています。
民族音楽的なリズム、エキゾチックなメロディ、ニューウェーブ的な前衛性、そしてクラブミュージックのミックス・・・と一言ではくくり切れない魅力があります。
曲にサンプリングする音を録音しに、世界中飛び回り、部族の音楽や子どもたちの歌から銃声まで全て”現地”で録音してそれを曲に組み込むという、そのこだわりには驚かされます。
彼女は音楽性をLADY GAGAと比較されることがあるそうですが、彼女はLADY GAGAに対しては否定的な態度を取っています。
こんな言葉で片付けられるのかは分からないですが、彼女らの音楽を簡単に比較するとしたら、LADY GAGAの音楽は希望であったり夢であることに対し、M.I.A.の音楽はその裏の悲惨な現実なんだと思います。
別にどちらが良いとか悪いとかではないですが、とても対照的な二人だと思いました。
今まで自分がこんな音楽聞くだなんて思ってもいませんでした。
今年は自分の中で何かが変化していった年でしたので、
来年はどう変化したのか伝えられる年にしたいです。