アメリカのバンド、VELVET UNDERGROUNDの創設メンバーの一人で、ロック界を代表するミュージシャンの一人でもあったルー・リードが10/27に死去しました。享年71。
本名ルイス・アレン・リード (Lewis Allen Reed) 。
ユダヤ系の血を引いており、父の代にラビノヴィッツ (Rabinowitz) から改姓。
シラキューズ大学在学中にデルモア・シュワルツ(en:Delmore Schwarz)に師事して詩作を学ぶ。
その挑戦的ながらポップさを兼ね備えた音楽性と、
陰翳と知性に富むヴォーカル・ポエトリーリーディング、
人間の暗部を深く鋭く見つめる独特の詩世界は、
後のパンク・ロック/ニュー・ウェイヴ、オルタナティヴ・ロックに大きな影響を与えた。
ボブ・ディラン、ドアーズのジム・モリソン、パティ・スミスなどと並び、
ロック界における芸術性、ひいては文学性のイノベーションと向上に多大な影響を与えた音楽家の一人である。
(wikipediaより)
2013年現在、ロックという音楽の中にはさまざまなジャンルがあります。
ブルース、ハードロック、サイケデリック、プログレッシブロック、グラムロック、パンク、ニューウェーブ、ヘヴィメタル、ハードコア、シューゲイザー、インディー、グランジ、ミクスチャーロック、インダストリアル、ロックンロールリバイバル・・・などなど。
その各ジャンルの中にもさらに枝分かれし、あらゆるロックバンドはいずれかに分類されます。
その全てのジャンル(音楽)の中でも、
ロックの商業的、産業的、芸能的なあり方をを否定し、
アートとしての進歩性を重視した音楽を、
もう一つのロック、異質なロックという意味を含んだ、オルタナティブロックというジャンル(というよりスタンス)があります。
日本のメジャー音楽シーンには必然的にありえない音楽なので、
馴染みは薄いかもしれませんが、所謂”売れ線”だったり”ヒット”とは対極の音楽であります(勿論アメリカ、イギリスではオルタナティブロックといわれるバンドが”結果的”にヒットすることはあります)。
ルー・リードの在籍していたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの活動はわずか4年ほどであり、商業的にヒットすることなく解散したのですが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドというバンドの存在は、ロックの歴史において、そのオルタナティヴ・ロックを産み出したビッグ・バンと位置付けられるといわれております。
こんなありふれた陳腐な言葉でくくるのは彼には似合わないですが、
彼は音楽界において、紛れもないレジェンドなのです。
そんな彼の死を惜しむ声は僕らファンだけではなく、
それ以上にミュージシャンたちからも寄せられています。
デヴィッド・ボウイ(ルー・リードと親交の深かったイギリスを代表するミュージシャン)
「R.I.P.ルー・リード」
『彼は師だった』
イギー・ポップ(パンクの元祖。ルー・リードと親交の深かったアメリカのロックシンガー)
「衝撃的な報せだ…」
ジョン・ケイル(現代音楽家、元Velvet Underground)
「世界は優れたソングライターにして詩人を失った。ぼくは学校時代の友達を失ったよ」
リー・ラナルド/Sonic Youth(アメリカの80~90年代を代表するオルタナティブバンド)
「R.I.P.ルー・リード。替わりなんていない、かけがえのない人だ」
サブ・ポップ・レコード(グランジ/オルタナ系のレコードレーベル)
「”日曜の朝”の嘆き。あまりにも惜しい。ルー・リード」
ベック(アメリカのミュージシャン。最も創造的なオルタナアーティストの一人)
「”日曜の朝”に・・・」
ピクシーズ(アメリカのオルタナティブバンド)
「R.I.P.ルー・リード……伝説の人」
ジュリアン・カサブランカス/The Strokes(ロックンロールリバイバル世代の代表格)
「僕のやっていることすべてについて何故やっているのか、その理由がルー・リードだ」
カール・バラー/Dirty Pretty Things/元The Libertines(ロックンロールリバイバルバンド)
「さようならルー。俺が弱っているときや困っているときにあなたは力をくれた。」
ザ・フー(イギリスのロックバンド)
「R.I.P.(ご冥福を)ルー・リード。これからはピースフル・サイドを歩け」
ニール・ヤング(カナダ出身のミュージシャン)
「俺たちはもっとルー・リードを求めていた」
アンソニー・キーディス(Red hot chili peppers)
「ニューヨークの街を歩いた最もクール男だった」
フリー/Red hot chili peppers(アメリカのロックバンド)
「僕はルー・リードをとても愛している。いつでも」
ニッキー・シックス/Motley Crue(アメリカのバッドボーイズ系ハードロックバンド)
「ルー・リードよ、安らかに眠れ。あなたの美しくてダークなリリックと音楽や、人生におけるスタンスに感謝します。僕は10代の頃から今日の今日まで、ずっとあなたにインスパイアされてきました」
ネイサン・フォロウィル/Kings of leon(アメリカのロックンロールバンド)
「R.I.P.ルー・リード」
ジェラルド・ウェイ/元My Chemical Romance(アメリカのロックバンド)
「R.I.P.ルー・リード」
ナイル・ロジャース(アメリカの音楽プロデューサー/ギタリスト)
「ルー・リードR.I.P.。去年、ジュールズ・ホランドのテレビ番組で共演して大笑いしたのに。病気だったとは知らなかったよ……」
ウィーザー(アメリカのパワーポップバンド)
「R.I.P.ルー・リード。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドはウィーザーが結成した頃、大きな影響となって、リック・オケイセックにはその稀有な友情について聞かされたもんだったよ」
パトリック・カーニー/The Black Keys(アメリカのガレージ系バンド)
「R.I.P.ルー・リード」
トム・モレロ/Rage Against the Machine(アメリカのミクスチャーバンド)
「ぼくをルー・リードとヴェルヴェット・アンダーグラウンドに紹介してくれたのは、”ロックン・ロール”のジェーンズ・アディクションのカヴァーだった。孤高の独特な才能だった。ルー・リードR.I.P.、そしてありがとう」
アーヴィン・ウェルシュ(スコットランド出身の小説家)
「ルー・リードの訃報が悲しい。あれほどのスターが。R.I.P.ルー、映画『トレインスポッティング』に”パーフェクト・デイ”を使わせてくれてありがとう」
僕とルーリードの出会いは、確か高校二、三年の頃だったと思います。
衝撃的な出会いだとかそういったものは一切なく、彼の歌声のようにさり気なく聞いていた。
その頃すでにデヴィッド・ボウイのファンになっていた僕がルー・リードに興味を持つということは極めて自然なことだったと思います。
デヴィッドボウイが写っている写真で、イギー・ポップとルー・リードとのスリーショットがあります。
僕はこの写真が大好きでした。
この写真を見れば彼らがどういう人間かというのが伝わってくる気がするからです。
派手で奇妙なデヴィッド・ボウイは本当は真面目で大人しそうな人間なんだな、と思うし、
危険で暴力的なイギーポップは本当にバキバキのジャンキーなんだな、と思う。
そして一番地味だけどこいつが一番ヤバそうだなと感じるのがルー・リードでした。
ショートヘア、全身黒、ティアドロップ型のサングラスをかけた彼は、静かに微笑んでいる。
何故だか一番やばく見えるのです。一番怖いんだろうな。そういった印象でした。
しかしハッキリ言って高校生の僕には彼の音楽の良さというのがまるで分かりませんでした。
曲も地味だし、イギーやボウイの方がギラギラしてて魅力的でした。
そんな彼の音楽の魅力に気付いたのは、映画トレインスポッティングでした。
映画の中で主人公がオーバードーズで死にかけるシーンで、彼のPerfect Dayが使われていました。
暗いどんより空のような曲なのですが、サビに入った瞬間、晴れ間が広がり太陽の光が降り注ぐようなこの曲に僕は感動しました。
その後にベルベッツも聞きなおしましたが、なかなかハマれませんでしたが、
時を経て、つい四、五年前、僕がバンドを始めた頃にその良さは分かったような気がします。
朝早く起きて、夜も早く寝る、高校の頃は分かりませんでした。
僕が夜に生きるようになってからです、彼の音楽が心に響いたのは。
夜の楽しさと恐ろしさ。
何かがなければ、何も見えない世界。月が形を変えるのは夜の顔が一つではないから。
少し自分が悪くなったような気がするけど、それと同時に今までの自分よりは良くなった気もする。
ルー・リードの音楽は、夜に鳴るのだと思います。
ベルベッツの曲のサンデーモーニングも夜。
十分寝た後の目覚めに聞くより、
徹夜後に太陽が昇る様を見て、何とも言えない気持ちで聞く方があっている。
シャイニー、シャイニーと来て次にブーツオブレザーと来る世界。
「僕はもう疲れた。うんざりなんだよ。千年だって眠ることができた。
しかし千の夢が僕の目を覚ます。涙から作られたさまざまな夢の色たちだ」
たしかに彼はかけがえのない存在でした。
それはこれからもずっとそうです。
R.I.P Lou Reed
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