スタッフの水野です。
年を重ねるに連れ涙もろくなると言いますが、ここ最近は、映画を見て感動して・・・とかではなく、もっと何気ない日常のふとした瞬間で涙が出そうになります。
感動の沸点が下がったのは勿論なのですが、なんというかその情報を受けてから涙が込み上げるスピードも速くなった気がします。
ここ最近で、ふっと涙が込み上げた瞬間は、ラジオから流れてきたある曲を聞いた瞬間でした。
Salyuというアーティストの『アイニユケル』という曲なのですが、
僕は今まで彼女の曲を聞いたことがありませんでした。
名前を聞いたことがあるくらいで、彼女がどういうアーティストなのか知りませんでした。
調べてみると、彼女の歌声はいろいろなアーティストから絶賛されていて、
「天に向かい、地に響く声」「強く心の中に残る歌声」「唯一無二」「圧倒的」「例えるなら日本のビョーク」・・・などなど。
また、まるで絵画のようなその世界観も高く評価されており、玄人から絶大な支持を得て、みんな口をそろえてもっと評価されていいアーティストだと言われているそうです。
それで、今回たまたま耳にした『アイニユケル』という曲なのですが、
透明感がありどこか幻想的なその曲のイメージから、まず「ジブリみたいな曲だな」と思いました。
そして、サビになるとそのイメージは一変します。
いや、違う・・・なんだろう、これは・・・中島みゆきか・・・?
いや、違う・・・これは・・・クイーンじゃないか?
この夕日に向かって拳を天高く突き上げたくなる感じ。
ここまで到達したことが、僕らの完全なる勝利。
黄昏の中をスローモーションで走り抜けるような画。そして、鳩が飛んでゆくような。
一瞬、クイーンの『Save Me』や『We are the champions』を髣髴とさせました。
同じメロディのまま転調してゆく感じが、エモーショナルな感情を煽りに煽り、
何だか知らないが、涙が込み上げてくる。
それは、僕がクイーンが大好きで、
それと似た雰囲気があるからとかそういうものではないのです。
もっと根本的な、琴線というのか、そういう無意識なところに触れたのだと思います。
「勝利」だとか「達成」だとか「悲願」だとか「運命」みたいな、
いかにも泣けるキーワードが二文字が頭に浮かんでくるのです。
こういった、思考に訴えかけるんじゃなくて、
直接的に感情に訴えかけてくるモノを本物の感動というのでしょうか。
それに理由はなく、”それ自体”が理由なのです。
また、その感情に到達できたことに、何故だか更にもらい泣き。
このSalyuの『アイニユケル』は2014/2/26に、
彼女の17枚目のシングルとして発売される予定です。
自分の中での、2014年、上半期ベストソングランキング早くも一位の候補が来た気がします。
なんというか、一位にすべき説得力があるのです。
こういった理由が無く、直接感情に訴えかけてくるということは、
大人になるにつれて、少なくなっていったような気がします。
何もかもに理由があり、無ければこじ付けでもいいから理由を作る。
理解できないものへの恐怖感だったり不快感なのかは分かりませんが、
自分の中で、自分の知る範囲内の言葉で、すべてカテゴライズしている自分がいたりします。
そうすることにより、個々の良さに気付かなかったり、
それを見つけたはずなのに、いつの間にか見失っていたりするのでしょう。
そう考えたときに、もっと素直に生きることへ憧れたりします。
話が大きくなってしまいましたが、この曲にはそれほど感動させられました。
この曲に出会えたことにガッツポーズしたい気分です。