思い描いた冒険がここにある 『ドラゴンズドグマ』


エーブックスタッフの水野です。
先日、『ドラゴンズドグマ』というゲームを今更ですがクリアしました。
しかもダークアリズンではなく、初期の無印版です。
 
このゲームは、海外から輸入された人気ジャンル、オープンワールドRPGを、
日本のカプコンが作ったという和製オープンワールドRPGなのですが、
かなり良かったと思います。
といっても僕は、オープンワールドRPGはダークソウルを少しやってみてあまりの難易度の高さに投げ出してしまい、それ以降、スカイリムもやってないというライトゲーマーなのですが。
 

 
まずカプコン製作ということで、アクションが非常に良いです。
爽快感があるのは勿論ですが、適度に動きが重く、大きい武器はちゃんと重量感が伝わってくる。
巨大なモンスターにしがみ付いて戦うのも良かったです。
 
その巨大なモンスターと鉢合わせたときの何ともいえない緊張感をちゃんと煽るBGMによる演出も良かったです。
 
RPGの定番であるステータス異常をアクションにした時、
どういう演出になるのか気になりましたが、非常に良かったです。
攻撃が当たりにくくなる暗闇状態は、画面にモヤがかかったような感じで、時折うっすら見えたりする。
石化には感動しました。石化の攻撃を受けるとキャラクターは徐々に石になってゆくのですが、
かかった最初は少し動きが遅くなった程度なのですが、段々と体が石になっていき、攻撃がままならなくなる。
そして最終的に石になるのですが、この時、ちゃんと最後のポーズで固まるのです。
攻撃中のポーズだったり、ジャンプ中のポーズだったり、それが何とも悲惨な感じで良かったです。

このゲームはオンラインなのですが、協力プレイなどはなく、
あるのは『ポーン』と呼ばれる”従者”を貸し借り出来るというだけ。
僕はゲームをやるのは好きな時間に好きなだけマイペースにやりたいのでこれは非常にありがたかったです。
変に気を使う必要がないというのが、オンラインゲームをやる敷居を下げてくれて良かったです。
自分のポーン(従者)が人に借りられて戻って来たときは、
親のような気持ちで「お前、よく頑張ったな~」なんて思ったりしてしまいました。
 
このゲームは主人公とポーンの容姿をエディットでき、それに装備品によってキャラクターの容姿が変わり、また、その装備品もジョブによって違い、そのジョブごとにパラメーターの成長率も違うので、自分好みのキャラクターを作ることが出来ます。
そのことによって自然にキャラクターへの愛着が沸いてくるのです。
 
特にポーンが可愛くてしかたないのです。
自分が「HELP!」と叫べば突進して助けてくれたりするのですが、
逆に「うわぁ!助けてください!」と叫ばれたりするものだから、
もう助けないわけにはいかないですよ。
というのも、ちょっと気持ち悪い話ですが、主人公の顔や体系を僕で作って、
そのポーンの顔や体系を、その(ゲームを始めた)当時付き合っていた彼女にしたものですから、愛着は倍増でした。
しかも設定できる声の中でも弱冠似ているのがあり、
別れてしまった今となってはかなり切ない部分がありましたが。
 
 
ストーリーも良かったです。(以下ネタバレをしてしまう気がするので注意)
初見は、昔の王道RPGにあるような凶悪なドラゴンを倒すために旅に出る、といった単純なものだと思っており、
それを現代のクオリティで、現代の感覚で作ってみた、というようなことなんだと思っていました。
しかし、物語を進めるうちにこれはちょっと違うぞと思えました。
弱冠、宗教的というか、仏教的というか、キリスト教なのか?
ちょっと勉強不足で上手く説明は出来ないのですが、
エンディングを迎えた時は、こういうことだったのか・・・!とちょっと鳥肌が立ちました。
もう言ってしまいますけど、主人公は最終的に神となり、永遠の時を生きねばならず、
最後には自らの手で死ななければいけません。
自分で持ち物の中から聖剣(リディル)を選択すると、主人公が自分の胸に剣を突き立てます。
そして、□(攻撃)ボタンを押すと、自分の心臓に突き立てるのですが、
これをイベントムービーで済まさず、そういう手順を踏んで”自分でやる”ということに意義を持たせたのが非常に良かったです。
主人公が自ら心臓に聖剣を突き刺すと、雲のようなその床にぽっかり穴が開き、主人公は天から落ちてゆきます。
それをポーン(従者)が追いかけて一緒に落ちるのです。
いつも一緒に旅をし、共に倒れ、共に立ち上がったポーン(従者・・・というか僕の場合元カノですね)が、
「マスターァァァァ!」と叫びながら一緒に落ちてゆく様には泣けました。
 
 
そのシーンが非常に印象的でしたが、
一番良かった場面はやはり、因縁のドラゴンとの決戦です。
物語の冒頭、ドラゴンと対峙した主人公はそのあまりに凶悪で強大なドラゴンを前に手も足も出ませんでした。
それから、困難な旅を続け、数々の戦いを経て、主人公は強くなり、再びドラゴンと対峙します。
しかしまあ如何せんサイズがデカすぎるのです。
体長20mくらいはあるでしょうか、もっとかもしれません。
とりあえず自分がドラゴンの手のひらに乗るくらいのサイズなので相当なものです。
 
決戦の場であるその搭の中で主人公は戦おうとしますが、その圧倒的な大きさに搭が崩れそうです。
主人公たちは無我夢中で逃げ、屋上に上っていきます。
屋上に設置してあったバリスタ(弓の砲台)で、飛んでいるドラゴンを撃つとドラゴンは怯みます。
そして、主人公は一人で屋上から思いっきり飛び降りて、ドラゴンにしがみ付きます。
当たり前ですが、落ちたら死にます。
尻尾からゆっくりと頭の方へ上っていき、急所である首の後ろ辺りに剣を突き立てます。
ドラゴンはもだえ落ちてゆきます。
そして、最終決戦である荒野へ。
バリスタもないし、しがみ付いて急所を狙える状態ではない、正真正銘の決闘です。
その時、自分の横にふとポーンが降り立つのです。「運命はマスターと共にします」といわんばかりに。
なんというか、特にそういう演出は無かったのですが、この瞬間がたまらなく泣けたのです。
心細くないというか、この戦いは一人で背負っているわけなんじゃないんだと思える感じが最高なのです。
 
 
現在、クリアして二週目が始まりました。
レベルやアイテムなどを継承してもう一周できるのですが、
この二週目があるということも物語においては重要なことになっているのです。
 
 
このゲーム、現在では中古ならかなり安く手に入るのではないでしょうか。
僕も一年前くらいに買いましたが、かなり安く買った記憶があります。
アマゾンのレビューなどを見ると、高評価のコメントも多いのですが、
「オープンワールドなのに世界が狭い」「かゆいところに手が届かない」
など低評価も多いです。
 
僕はかなり満足しました。
そんないろいろなゲームをやっているわけではないのですが、これは名作だと思いました。
ドアーズのジム・モリソンが好きな僕です。
こういうちょっと神秘主義的な展開に僕は弱いのかも知れません。
 
僕は特に宗教に興味があるわけでは無いのですが、
仏陀やイエス・キリストなど、”ある境地に行き着いた一人の人間の考え”としては興味があります。
少しずつですが、そういうことも勉強していきたいと思います。
このドラゴンズドグマの物語はそういう物語だったのです。

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