復刻 荒野の少年イサム


エーブックスタッフの水野です。
1971年~1974年まで週刊少年ジャンプにて連載されていた、
山川惣治原作、川崎のぼる作画の漫画『荒野の少年イサム』が、
少年ジャンプ45周年記念として復刻版が発売されました。

荒野の少年イサムとは西部劇であり、日本人とアメリカインディアンの間に生まれた少年勇むが主人公の物語です。
「人種差別」だったり「武器は使う者によって神の道具にも悪魔の道具にもなる」といったような様々なテーマが根底にある正統派西部劇ロマンです。

作画の川崎のぼるは、娯楽の少ない戦後に少年時代を過ごしており娯楽といえば、映画館で西部劇を見ることだったそうです。
「西部劇の魅力は郷愁とロマンを感じさせる風景。これが僕の原点なんです」 と語る川崎のぼるですが、確かに彼の劇画的表現はそれを感じさせるような気がします。

荒野の少年イサムの連載前には編集部から西部劇は受けないと言われていたそうですが、
「筆が一番走っていた時期で、あえて挑戦した」 そうで、
最近の漫画よりコマ数が多いのは感情の動きを丁寧に描く為だそうで、そこからもただ西部劇アクションを描くのではなく、西部開拓時代における人々の葛藤を描くことに重点が置かれていることが分かります。
川崎のぼるのあとがきからの言葉で、
「私は西部劇が大好きです。かといって、馬に乗って荒野を駆け、目にも留まらぬ速技で拳銃を撃つといったカッコよさに魅かれるのではありません。荒々しくて、そのくせどこか寂し気な孤独の影を持つ西部の男たちにたまらない魅力を感じるのです」
と書いているのですが、僕が読みたかったのはこういう漫画でした。
 
kouyanoshounenisamu
 
今、漫画には色んなジャンルがあります。
西洋ファンタジーや時代劇、海賊、忍者、サイボーグ、超能力者、吸血鬼・・・
そういった”○○モノ”な漫画では、その外枠ばかりに則り、肝心の中身が描かれていないというのが多い気がします。
そういうのではなく、その内面だったり真理に迫った漫画はどんどんなくなってきているような気がします。
僕は、こういうロマンや、涙を噛み締めながら「うおおおおぉぉぉ!」 と叫ぶような漫画が好きです。

上記の理由から、僕は昔からこの漫画を読みたくて読みたくて仕方がなかったのです。
こうして復刻される前は絶版になっており、中古もほとんどなくプレミアがついていたほど。

復刻版コミックスは表紙なども新たデザインされ、全巻巻頭にミニ画集8ページが掲載されています。
9月26日に1、2巻が同時発売されるのを皮切りに、3巻が10月25日、4巻が11月26日、5巻が12月13日に発売されます。
価格は全巻とも1575円の予定です。
復刻版刊行に向け、計約300ページにも及ぶ同作から選ばれた五つの場面が試し読みできるサイトも公開されています。
http://www.s-manga.net/isamu/

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