エーブックスタッフの水野です。
夏フェスのサマーソニック2014にて、あの伝説的ロックバンド、QUEENが『QUEEN+Adam Lambert』として来日します。
クイーンは先月からアダム・ランバートをボーカルに迎え、北米ツアーを回っています。
僕はロック、ハードロック、パンク、ポップス、昭和歌謡、ワールドミュージックなどなど、いろいろな音楽を聞きますが、一番最初に僕を音楽の世界に誘ったのがクイーンです。
小学五年生の頃、家にMDプレイヤーがやってきました。今は絶滅したいっても過言ではないMDです。
僕はその時点で音楽に関しては全くといっていいほど興味がありませんでした。
MDプレイヤーを買ったは良いがMDがまだない。
父親が職場の後輩から貰ったMDの中に「QUEEN」と書かれたMDがありました。
他のMDはJPOPがほとんどで、ロック好きの父は、特にクイーンが好きというワケではなかったのですが、とりあえずそのクイーンのMDを流します。
なんだか幻想的なイントロから始まり、バラードが始まります。僕は特に聞き流していました。
しかし、再生時間が3:02を指した瞬間、景色が一変します。
後で知ったのですが、そのMDはクイーンのグレイテストヒッツ1、そして、その曲はボヘミアン・ラプソディという曲でした。
分かりやすく言うと僕は衝撃を受けたのです。何なんだこの世界観は・・・
そのオペラパートと呼ばれる部分は、単純に今まで聞いたことのない音楽だったのです。
その感想は色んな音楽を聞く今でも同じです。
前半のバラード部分、後半のハードロック部分は特に・・・でしたが、そのオペラパートがとにかく衝撃的で、その部分だけを巻戻して繰り返し聞いていました。
そしてそのMDの3曲目にも心を奪われます。その名(彼女)はキラークイーン。
そのキザで洗練された曲調もそうですが、何より僕はその歌声に惹かれました。
なんて美しい歌声なのだろう!
しかし、その頃はインターネットというものがまだまだ普及されておらず、クイーンのことを調べる術はありませんでした。
図書館でロックの歴史のような本を読んでも、文字だけでイマイチ、クイーンの全体像が見えてきません。
そうした悶々とした日々を過ごしていると、父親から「夜中にテレビでクイーンのライブがやるよ」と言われ、これは見るしかない!クイーンの映像を見るんだ!と心躍らせ、ビデオに予約録画します。
そして翌日、そのビデオを見て再び衝撃を受けました。
そこに映っているのはヒゲのオッサン・・・嘘だろ・・・?そんなバカな・・・あんな美しい声の持ち主がこんなヒゲのオッサンのワケがない・・・ッ!
もっと長髪で細身の美しい美青年だと思っていたのに!
確かにボーカルのフレディ・マーキュリーは若い頃は、長髪で煌びやかな衣装を着ていました。しかし、それを知るのはもう少し後のことでした。
クイーンはデビュー当時、母国イギリスでは「グラムロックの売れ残り」「ハードロック崩れ」などイマイチ形容しきれないその音楽性が故にヒットしませんでした。
しかし、そんなバンドをどこよりも早く注目した国があります。
それはこの日本です。
日本ではその頃、ベルサイユのバラなど耽美的な少女漫画が大流行しており、クイーンのそのルックス、その華麗なる世界観などは、まさに実写版耽美的少女漫画。
母国イギリスでは泣かず飛ばずのクイーンは、日本ではいきなりビートルズに次ぐスターバンドとなったのです。
初来日時のクイーン本人たちは、空港で出迎える女性ファンの群集を見て、何かの間違いだと思ったそうです。
耽美的で幻想的な音楽性は次第に、ポップなロックに変わっていきます。
それに伴いメンバーのルックス(特にフレディ・マーキュリー)も変わっていきます。
「クイーンは初期こそが素晴らしい!」という意見はやはり多いですが、僕は音楽性は勿論それ以上にフレディ・マーキュリーの歌声のファンだったので後期の曲も違和感なく聞いていました。
色んな音楽を聞く今でも、クイーンを髣髴とさせるバンドを見たことがありません。
完全にオリジナル。真似したくても誰も真似できない奇跡のバンド。
そろそろ現代のフレディ・マーキュリーと呼ばれる人が出てきても良い気はしますが出てきません。
僕としては一番フレディ・マーキュリー感を感じるボーカリストはLady Gagaだと思います。
と思ったらやはりLady Gagaは新ボーカリストの候補に挙がっていたそうです。
今回のアダム・ランバートは妥当だと言えば妥当だと思います。
どんなエンターテイメントを魅せてくれるのか楽しみです。