現在、公開されている映画『REDリターンズ』(原題RED2)の
前の作品である『RED』を見ました。
『RED/レッド』(原題: RED)は、
2010年のアメリカ映画。本作はDCコミックのインプリントである
オマージュ・コミックから出版された同名のグラフィックノベルが原作である。
タイトルは「Retired Extremely Dangerous」(引退した超危険人物)の略である。
とにかくド派手でおバカ。何も考えずに見れる娯楽作品です。
ブルース・ウィリス演じる主人公のフランク・モーゼズは田舎に一人で年金生活を送っている初老の男。
彼のささやかな楽しみは、役所に勤めるサラというOLと電話で話すこと。
「年金の小切手がまだ届かないのだが・・・」
いつもこの台詞から始まり、世間話をするという仲。
サラも独身で大家から「お見合いをしろ」と言われるほど恋愛とは縁が無い女性。
劇中では明確な説明は無かったが、おそらくサラは30代中盤くらいでしょうか。
フランクは次第に彼女へ恋心を抱くようになっており、
彼は決心して、今まで電話でしか喋ったことのない彼女に初めて会いに行くことにする。
初老の男と、恋愛に縁のない三十路女性・・・ここまでのあらすじだけですと、
ラブストーリーのようですが、まるで違います。
実はフランク・モーゼズは、元CIAの凄腕エージェント。
歳を取り引退した彼は、そうやって余生を生きようとしていたのですが、
その裏では、とある陰謀による計画が進められていたのです。
そして、彼女と会う約束の日の前夜、
彼は緊張のせいか、なかなか寝付けないのか、ふと寝室を出て階段を下ります。
すると、暗闇の家の中に、何人も武装した兵士が隠れています。
まだ映画が始まっておそらく10分少々でしょうか、
この辺の見せ方がすごく上手いと感じました。
フランクは好きな女性に会うのに緊張しているような柔な男ではなく、
夜中に家に誰か侵入すれば本能で目が覚める、そういう男なのです。
フランクは音も無く、暗闇の中で一人ずつ始末していきます。
そして、死体から銃を奪うのですが、彼はなぜか銃弾だけ抜き取ります。
その次にはキッチンで、フライパンに油を引き、コンロの火にかけます。
そして銃弾を炒めだしたのです。
しばらくすると銃弾はポップコーンのように弾け、家中を飛び交います。
すると外で待ち伏せしていた兵たちが緊急事態だと思い、フランクの家に一斉にマシンガンをぶっ放します。
それは僕が今まで観た映画の中でおそらくトップ3に入るくらいの一斉射撃でした。
こんなただマシンガンをぶっ放し続けるだけのシーンはあまり見たことありません。
その頃フランクは、既に荷造りも終えており、寒そうな顔して外を歩いて行くのです。
気になる女性に会いに・・・
そして何者かが企む、引退した超危険人物たち、
通称RED(Retired Extremely Dangerous)の抹殺計画に立ち向かうことになるのです。
まだ映画の冒頭ですが、僕はもうこのプロフェッショナル感にやられました。
勿論、体力においては現役の兵士には勝てるわけはありません。
しかし、その年季の違いを思い知らしめる感じが最高にかっこいいのです。
この映画はコメディタッチですが、ちゃんとハードボイルドしており、
またサスペンス的な展開もあり、おまけにどこかロマンチックなところもあり、
それぞれが良いスパイスになっています。
最後までだらけたり疲れたりせずに見れました。
彼の元には、次第にかつての戦友たちが集まってきます。
その中で元MI6(007でも有名なイギリスの諜報機関)の凄腕スナイパーであった、
ヴィクトリアというキャラクターが面白かったです。
彼女はもう70近いおばあさんです。おばあさんといっても顔もスタイルもキレイなのですが、ババアと言われれば勿論ババア。
そのババアが真面目な顔してスナイパーライフルを覗いている姿や、
壁に隠れながらマシンガンをぶっ放し銃撃戦を繰り広げるという画がすごく面白いのです。
戦うジジイは見たことありますが、戦うババアはあまり見たことありません。
しかもこんなハードに。
他にも個性豊かなプロフェッショナルなジジイどもが暴れ、どれも良い味出しています。
そんなおバカ映画ですが、最後はちゃんと胸が熱くなる展開で、感動もアリです。
でもやっぱりバカだな~って思えたりして面白かったです。
実のところ、あまり期待せずに見ていたのですが、これだけ面白いと続編であるREDリターンズ(RED2)も気になってきました。
時間があれば見てこようと思います。