ガイ・リッチー監督『Lock, Stock and Two Smoking Barrels』『Snatch 』


エーブックスタッフの水野です。

先日、たまたま訪れた近所のブックオフで、
イギリス出身の映画監督ガイ・リッチーのDVDボックスが売っていたので買ってきました。

ガイ・リッチーの監督した映画の中で一番ヒットしたのは、
ロバート・ダウニーJrがシャーロック・ホームズを演じ、ジュード・ロウが助手のワトソンを演じた、
2009年公開のアクション・ミステリー『シャーロック・ホームズ』でしょう。
僕は実は今までガイ・リッチー監督の映画を見たことがありませんでした。
今回購入したDVDボックスには、初期の二作品である『Lock Stock and Two Smoking Barrels』と『Snatch』が入っていました。
ブラッド・ピット好きの僕としては、彼が出演しているスナッチは前々から気になっていました。
ただ、いかにもイメージだけで作った中身のない犯罪青春映画って感じのジャケットから地雷臭がプンプン漂い、倦厭していたのですが、知り合いから「とにかく、ガイ・リッチーの初期二作品だけは絶対に見たほうが良い」と激押しされ、その二作品がちょうど(しかもセットで)安く売っていたので、買っておこうと思い、買いました。

まずは、第二作目『スナッチ』から見ました。
今思えば、普通に一作目の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』から見た方が良かったんじゃないか思うんですが、ブラピやベニチオ・デル・トロなど個性的な俳優が多く出ており取っ付きやすかった為か自然と『スナッチ』をDVDプレイヤーにセットしておりました。

あらすじ
フランキー・フォーフィンガー(ベニチオ・デル・トロ)率いる強盗団は、
ラビ(ユダヤ教に於いての宗教的指導者であり、学者でもあるような存在)の扮装でアントワープのダイヤ商から86カラットのダイヤモンドを盗み出すことに成功。
しかしニューヨークのボスの元へそのダイヤを届ける途中、ロンドンに寄ったフランキーの知らないところでは、彼に対する密かな裏切りが進行していた。
一方、ロンドンにはボクシングのプロモーターを営んでいるターキッシュ(ジェイソン・ステイサム)とトミー(スティーヴン・グレアム)の二人組がいた。
彼らは『パイキー(差別的意図を含むスラングで、イギリスでは主に旅行者、ジプシー、放浪人、または社会的身分の低い人々の事)』の一人で天才的なボクシングの腕を持つミッキー・オニール(ブラッド・ピット)と出会い、彼を賭博が絡む裏ボクシングの八百長に利用しようとする。
そこに裏ボクシングの存在を知ったギャンブル中毒のフランキーが、そしてさる人物の依頼によって彼を襲撃しようとするならず者の三人組などが関わり出し、ダイヤモンドの行方は二転三転していく。

(wikipediaより)

ジャケットでは、ブラッドピットがど真ん中でドーンと構えているのですが、この作品の主役はジェイソン・ステイサムです。
今でこそ彼は現代における数少ないアクション・スターの一人ですが、この映画が公開された2000年当時は彼もまだ俳優としては駆け出しでそれほど有名ではなかったために、ブラッド・ピットがメインに使われたそうです。
ちなみに、ブラッド・ピットはガイ・リッチー監督の第一作目『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を見て感動しており、この『スナッチ』へは、すでにハリウッド・スターであった彼では考えられないような破格の出演料で出演しているそうです。
 
彼はこの映画で、パイキーというイギリスの流浪民族の若者を演じているのですが、あの二枚目のブラピを期待していてはしっぺ返しを喰らいます。
日本で言うところのズーズー弁なのでしょうか、訛りが酷いのです。
それは英語の分からない僕でもスグに分かるほど。喋り方からして変なのです。
田原俊彦のモノマネをしているのかってくらいに何喋っているのか分からないのです。
それだけでも一見の価値はあるでしょう。
僕はブラッドピットの映画はいろいろ見てきましたが、彼が今まで演じたキャラクターの中で、僕個人的には、ベスト3に入るほどの良い役でした。
(ちなみにベスト1は、ファイト・クラブのタイラー・ダーデンです)

主役のジェイソン・ステイサムも良かったです。
アクションを期待している人には物足りないかも知れませんが、それでもカッコよかったです。
そして、個人的にすごく好きなベニチオ・デル・トロ。
彼はあんな渋くて男前なのにどうしてこうもダメなチンピラが似合うのでしょうか。

序盤に彼が強盗をするシーンがあるのですが、そこはメチャクチャかっこいいです。
でもそれはデル・トロがカッコいいんではなくて、カメラワークなどの演出が素晴らしいのです。
これは思わずニヤけて前のめりになってしまうほど、引き込まれました。
スタイリッシュというと、軽く聞こえますが、いかに渋く、カッコよく見せるか、ってことに徹底しています。
この序盤の強盗シーンだけでもう「アッ、この映画面白い」って思ってしまいました。
勿論そういうカット割りだけではなくシナリオもよく出来ており、
まさに群像劇と呼ぶに相応しいつくりになっております。
主要人物だけで15人もいて、しばらくは「コイツは誰だっけ?」状態で名前を覚えられなくて、付いていけるか少し不安でしたが、普通に見ていればちゃんと理解できました。
オープニングからエンディングまで一切ダレることなく、最後は笑ってしまうほどの快感を覚えるこの映画は、僕は名作だと思いました。

そして、次に見たのが『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』。
ガイ・リッチー監督のデビュー作です。
ブラッド・ピットがこれを見て破格のギャラで出演を引き受けたっていうくらいだから、
自分の中では少しハードルは上がっていたと思います。
この映画は、あらすじとかは一切見ない方が良いと思います。
スナッチと比べると出ている俳優も、映画の作り自体も、非常にチープに感じるかも知れませんが、僕は逆にそれが良かったです。
イギリスのとあるストリートの若者が「何かヤバいことになっちゃったかも知れない・・・」という行き当たりばったり感が僕はすごく面白かったです。
最後までどうなるんだ?と全く予想付かず、
ハッピーエンドとバッドエンドのフラグが、
常に、メトロノームのように左右に揺れているといった印象です。
音楽も良かったです。
俳優もそこまで有名どころではないですが、全員が印象的で、演技も良かったです。

僕個人としては、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』の方が好きですが、両方ともかなり面白かったです。

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