ゲームミュージックに焦点を当て、その歴史を追ってゆく書籍『ゲーム音楽史 スーパーマリオとドラクエを始点とするゲーム・ミュージックの歴史』が7月25日に発売されるそうです。
そのタイトル通り、ゲーム・ミュージックの歴史について語られ、植松伸夫氏、古代祐三氏、崎元仁氏ら著名なゲーム音楽作家のインタビューも掲載されます。
こういうゲーム・ミュージックの歴史についてまとめた本というのは今までなかったのではないでしょうか?
僕はあまりゲームミュージックに詳しい方ではないのですが、音楽好きのゲーム好きではあります。
大人になってからは簡単にハマれるアクションゲームをやることが多いですが、子どもの頃はロールプレイングゲーム(RPG)をよくやっていました。
今考えてみると、好きなゲームミュージックはほとんどRPGのものが多い気がします。
ちょっと、パッと思いつく限りで、記憶に残っている僕が好きなゲーム音楽を挙げていこうと思います。
その前に以下に挙げられる曲たちには二つの意味合いが存在します。
一つは、単純に曲として好きなもの。
もう一つは、その曲から思い起こされるストーリーなどを加味したゲーム音楽として好きなもの。
まず、曲として最高にかっこいいのが、95年にスーファミで発売された『Romancing SaGa 3』の『Battle Theme』です。
僕は昭和歌謡も好きで、中でも都倉俊一作曲のものが大好きなのですが、この曲は都倉俊一が作ったピンクレディーの曲のようで最高にかっこいいです。
まず、メロディがクサい。
マイナー調で始まりBメロで弱冠泣きのメロディが入る感じが本当に昭和歌謡で、よく動くベースラインが強調されている感じが本当に都倉俊一。
完全に後者の意味合いで好きなのが、1997年にPSで発売された『Final Fantsy Tactics』の曲。
特に『Battle On Bridge』が好きです。
FFTは物理的な戦いであると同時に、思想的な闘いでもあると思います。
身分による差別や、戦争の裏に隠された秘密結社の陰謀、肉親の裏切りなど・・・
「Final Fantasy」という国民的RPGにしては少々ヘビーな内容の歴史モノでした。
この混沌とした戦いの世の中で、何が正しいのか、何をすべきなのか、戸惑いながらも前に進む主人公の、その覚悟を物語るような壮大な曲です。
この国の間違ったやり方が平然とまかり通る現実に対し、お前に一体何が出来て、何をするのか?という問いに「努力」としか答えられない主人公。
何ともいえない歯痒さを感じると同時に、報われなくとも真実へと突き進むその意志に感動しました。
記憶に残っている中で今聞いても「何て良い曲だ!」と思える曲で(つまり前者の意味合いで)パッと思いついたのが、1995年にスーパーファミコンから発売された『SUPER MARIO RPG』のボス戦の曲『Boss battle theme』(これで曲名あっているのか?)。
これをプレイしたのは丁度小学校一年か二年の頃だったと思います。
あのアクションゲームのマリオが今度はRPGになった意欲作で、ただのRPGではなく、ちゃんとマリオのアクションも活かされたシステムになっていて、すごくハマった記憶があります。
このボスバトルの曲は、当時からノリの良い曲でよく頭で流れていました。
そして、今、そうたった今、約18年以上ぶりにちゃんと聞いてみるとやはりむちゃくちゃ良い曲でした。
いつまででも聞いていられる曲です。
僕はワールドミュージックが好きなのですが、この曲には弱冠バルカンビート的なノリがあり、反応するポイントは小学生の頃から変わっていないんだな~っと思いました。
交互に書きます。
ゲームのストーリーや世界観を思い起こさせる名曲で忘れていけないのは、1997年にプレステで発売された『Final Fantasy 7』の『One Winged Angel』です。
この曲はおそらく日本のゲーム音楽の代表曲の一つなのではないでしょうか。
このゲームは、環境破壊や管理社会をテーマとしたSF的な内容なのですが、おそらく僕の人生史上一番ハマったゲームだと思います。
今改めてやってみると、この頃から原発問題などにも注目しており、この星の全てを支配しようとする人間の行き過ぎた発展に対するメッセージが込められています。
Final Fantsyはそれまでにも壮大な曲調のものは多かったですが、この曲はおそらくゲーム音楽では初めての本格的なコーラスが入っており、更にドラマティックになっております。
自らの隠された生い立ちがゆえに暗黒面に堕ちてしまった男、セフィロスの狂気が滲み出ています。
このセフィロスは主人公の宿敵であり、所謂ラスボスなのですが、実は彼自身が最新科学技術が招いた最大の被害者であるのがこの物語の憎いところ。
プログレ的な展開にドラマティックなコーラス、僕は思わずクイーンを思い出しました。
このゲームをやった3年後に僕はクイーンを聞いて衝撃を受けるのですが、僕はさっきも書きましたが、無意識のうちにゲーム音楽としてではなく、一つの曲として聞いていたのかもしれません。
さて、ゲームに関することを語ると長くなっているので最後の一曲は単純に曲として好きもの。
これは1994年にスーパーファミコンから発売された『MOTHER2』の曲です。海外では『earthbound』というタイトルで発売されています。
MOTHER2は、コピーライターの糸井重里によって作られたゲームで、音楽もゲーム音楽作家ではなく、ロックミュージシャンである鈴木慶一が担当しています。
どの曲を聞いても「天才!」と思わず唸ってしまうクオリティで、国内外問わず高い評価を得ています。
僕は中でも『Dusty Dunes Desert』というテキサスのハイウェイのようなステージで流れる曲が好きです。
乾いた空気、照り付ける日差しの熱気、ポツンとたたずむ店の窓は全部開け放ってあり、中のラジオの音が聞こえてくる、そんなイメージがよく表現されています。
さて、長々と好きなゲーム音楽について語ってしまいました。
『ゲーム音楽史 スーパーマリオとドラクエを始点とするゲーム・ミュージックの歴史』、読んでみたいです。